褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 父 パードレ・パドローネ(1977) イタリアでは有名な言語学者みたいです

2012年02月06日 | 映画(た行)
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 文盲でありながら著名な言語学者になったイタリア人のガヴィーノ・レッダの青春時代を描いた自伝の映画。字をまともに読み書きできなかった人間が涙ぐましい努力によって、そんなハンデを乗り越えようとする美談が描かれているのかと思いきや、その点が主題の映画では無かった。

 男にとって父親の存在とは人生のあらゆる点において、いつかは乗り越えないといけない壁みたいなもの。さて、俺は父親を色々な面で超えたと思っていたのだが、よ~く考えてみると何ひとつ父親の壁を乗り越えていないことに気付いてしまった。自分の父親とはいえ、意外にも尊敬するべき点が多かったことに気付く。
 そんな父親の絶対支配から自立しようとする青年の姿を描いた映画が今回紹介する父 パードレ・パドローネ。しかし、この映画に登場する父親はちょっと頭が固いうえに暴力的。殴られ、蹴られる恐怖感を抱きながら、父親の支配から抜け出そうとすることの大変さがよくわかる映画だ。

 父親のおかげで小学校を退学させられ全く勉強をする機会を与えられず。さらに父親の我がままのおかげで羊飼いにさせられ、6歳から20歳までずっと山小屋で暮らしつつ孤独と恐怖に耐える訓練を受けさせられ。そんな青春時代を送りながら、いかにして著名な言語学者になることが出来たのかを描いた父 パードレ・パドローネを紹介します

父 パードレ・パドローネ [DVD]
パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ,ガヴィーノ・レッダ
紀伊國屋書店


 イタリア、サルディーニャ島において。羊飼いをしているエフィジオ(オメロ・アントヌッティ)は、小学校にやって来て6歳の長男であるカヴィーノ(ファブリツィオ・フォルテ)を連れ戻す。
 エフィジオ(アントヌッティ)は長男が家の仕事を継ぐのは絶対という考えを持っていて、長男のカヴィーノ(ファブリツィオ・フォルテ)が早く羊飼いとして一人前になるためには小学校に通わしている場合ではなかった。

 カヴィーノ(ファブリツィオ・フォルテ)は母親から早く一人前の羊飼いになるようにと家を送り出され、周りは羊が群がっている山小屋に1人で暮らすようになる。大自然の中で孤独と恐怖を覚えて、逃げ出そうとすると父親のエフィジオ(アントヌッティ)からの体罰が飛んでくる。
 ようやく20歳になったカヴィーノ(サヴェリオ・マルコーニ)は字の読み書きはまともにできず、ほとんど口もきかないような青年になってしまった。

 やがてエフィジオ一家は事業に失敗してカヴィーノ(サヴェリオ・マルコーニ)はエフィジオ(アントヌッティ)から有無も言わさず軍隊に入れられてしまう。軍隊の中において読み書きの必要性を迫られたカヴィーノ(サヴェリオ・マルコーニ)は軍隊の中で親友となったチェーザレ(ナンニ・モレッティ)の協力を得て、イタリア語の勉強を始める。
 カヴィーノ(サヴェリオ・マルコーニ)は故郷のサルディーニャの方言の研究をすることに興味を持ち、大学受験を考えるのだが父親のエフィジオ(アントヌッティ)から反対されてしまい・・・父親の支配から抜け出し、自分の人生を切り開いていく姿は映画を観てください



 荒涼とした大自然が非常に印象的な映画。実はこの映画はカンヌ国際映画際で最高の栄誉とされるパルムドール賞を受賞した名作。映画というのは名作と呼ばれる作品が必ずしも面白いとならないのが常識。しかし、個人的には初めて観たときは大変感動した映画で、改めて良い映画だと思いました。ヨーロッパ映画が好きな人にはお勧めです。

 監督はイタリアのタヴィアーニ兄弟。この人のお勧め作品としてはイタリア人の誇りと兄弟愛を感じることが出来るグッドモーニング、バビロン!、他にストイック過ぎる修道士を描いた太陽は夜も輝く、戦争映画にしてどこか寓話的なサン★ロレンツォの夜も良いです。

 怖いお父さんを演じたのがオメロ・アントヌッティ。この人は前述したグッドモーニング、バビロン!、ビクトル・エリセ監督のエル・スールのようなヨーロッパの名作に出演しています。比較的最近の作品ではスパイク・リー監督のセントアンナの奇跡に出演していました。

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