枇杷の葉なし

枇杷の生育や、葉・花芽・種のことを日々の生活のなかで書いていく。

紅い林檎

2011年10月18日 | Weblog

 白雪姫の食べたりんごは、どんな色であったのか。小人達に、戒められていたのに、手に取るほどに魅力があったというのは、魔法がかけられていたからか?赤という色合いは、時には毒々しい色でもあり、深く鮮やかでもあったに違いない。

 林檎。祖母が買ってくれたその味は、心を虜にして、蕩かせた。某新聞の記事に、釘付けになったのは、あの林檎が載っていたからだ。一縷の望みを託して、簡単な注文願いを書いた。FAX番号を押して、待っていた。

 それから1週間余り、我が家に届けられた紅い林檎。ああ・これだ!この色だ。早速に、母に供え、息子たちに分けた。Aさんにもおすそ分け。もったいない思いで眺めていたが、支払いも済ませたので、水で洗って被りついた。

 おいしい!!甘酸っぱさが口中に広がる。当時には、もうちょっと酢っぱかったような・・・。硬さは程好く、林檎という感触がする。しかも両手の中に納まりきらない大きさである。堪能できる分量に満足する。

 図書館により、現代農業を返す。ちょうど届いていた『もう一度食べたい』を借りる。帰宅してページをめくると、林檎の記事がある。ふじ。印度りんご。国光。旭。和りんご。その何れでもない紅玉は、長野県に栽培されていた。

 振込み用紙の通信欄に、再発送をお願いする。林檎の形がいびつであっても、小さくてもいい。味と色とが記憶どおりなら、それで満足なのだ。私にとっては、これが本物の林檎なのです。懐かしい母への記憶へと繋がる。

 現代は、消費者に買ってもらえない物は、採算があわないと作らない。新しい味と見た目の方を優先する。従って、記憶には留まらない。トマトも大根も、あの味で育った世代には、もう一度味わいたい郷愁があるというに。

 長野県JAみなみ信州 まつかわ果実選果場直売所ふるさと館の皆さま。ほんとうにありがとうございます。きっとご苦労とお手間の方が、多かったのではありませんか?我が家での枇杷葉も、毎年祈るような気持ちで作らせてもらっています。

 猿梨。ミニキウィとも云う。甘くておいしかった。

コメント
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