何あろう、熊肉の登場である。
こんなきれいな熊肉、今まで見たことが無い。
ただ赤身が少なく脂の層がイノシシのざっと倍はある。
月の輪グマの背中のロース部分。
冬眠前なので、こんなふうに脂をしこたま貯めこんでいる。
この脂がもたれない上質の脂。指で触るだけで即座に溶けてゆく。
この脂がお値打ちなのだ。
今年はたくさん獲れただろう熊、と思ったが、人を襲ったのがそのまま
こうやって出てくるのとはちがうようである。自家製の味噌仕立て。
イノシシと同様、脂がしっかりガードしてるから、どんどん煮ていい。
脂が不思議にこんなカッコウになる。
こうなりゃ上品なホルモンを食ってるようだ。アッサリいける。
誰だい、熊が固いとか臭いとか言ったヤツは。
そりゃ動物園の臭いを嗅ぎ過ぎだろう。
かえす刀でぼたんもいただく。美しいもんだな。
これは一層あっさり。さすがに豚のルーツだけある。
上質なローソクの蝋のような脂、まったくクセがない。
シカのタタキ。赤血球が豊富なのか、肉の色が濃い。
脂がほとんどないのでクセがないが、すぐにパサつくので
鍋には向かないという。
仕上げにゃ味噌鍋のダシに中華麺を放り込んで、いや満足。
一夜にして熊、猪、鹿を食べた。鼻息が荒くなった感じ。
矢でも鉄砲でも持ってきやがれってんだ、ベラボウめが!
百獣の王とはオレのことだぁ。がるる…