都市型オーベルジュとして全国に知られる、神戸北野ホテル。
トアロードを上った突き当たり手前にある。
女性に人気の小さなホテル。
エントランスはパティオ風の造り、天井は思いのほか低い。
オープンしてすぐに取材して以来。
総支配人にして総料理長の山口浩シェフ。
師匠のコート・ドール、ベルナール・ロワゾー譲りの水の料理を
日本に持ち帰り、さらに進化させている。
世界一の朝食は北野ホテルの看板メニューとなっている。
輝かしい料理人にして経営者だが、複雑だった家庭、悪ガキだった
少年時代、その道のりは決して平坦ではなく、コンプレックスの塊りだった
という話が面白かった。
ひと仕事終え、T女史と、メインダイニング・アッシュへ。
ランチの時間を大幅に遅れたので、テーブルは我々だけ。
アミューズ・ブッシュ
グリエールチーズの入ったプチ・シュー
ドライトマトのスティック、イベリコ豚のサラミ
前菜 時計回りに「カエルの腿のフリット、パセリソース」
「真鯛のコンポーネント」「アワビのクロケット・肝ソース」
「チョウザメのスモーク、キャビアのせ」「鶏のパテ・トマトのチャツネ」
手長海老のポワレ 自家製キャビア
菊芋のピュレ、マグロの心臓とカリフラワー(震えるほど酸っぱい、
ライムにマリネしてある)
海老のスープと一緒に
エスプレッソのようだが、濃厚な海老のだし
サプライズ皿が登場・・・!
半熟玉子と、たっぷりの、錦戸製まつのはこんぶ。
・・・なわけはない。
トリュフ玉子 この二つの相性は抜群。
山口シェフがラ・コート・ドールへ行く前に研鑽を積んだ二ツ星の
フォージュロンにはトリュフとゆで卵というスペシャリティがある。
一見、猛禽類の巣のやうでせう。
下に敷いてある焼きオニオン、トリュフと牛乳を使ったソース。
↓グチャッとつぶして食べる。美味・・・悦楽・・・。
メジナのポワレ
皮目をしっかり焼いて、蒸し焼きに。
別に出された耐熱容器のスープ・ド・ポワソン(魚のスープ)と
盛り付けて出される。ガルニチュールは3種類のカブ。
メジナをベラと説明されたが、持ってきてくれた説明書には
グレとあった。ぐれたろか。
肉料理
左がイベリコ豚のロースト、右は豚バラのラグー
栗のピュレ、茸
連れは鴨のロースト
やはり2種類のソースが楽しめる
料理は全般的に塩が少し強い。
水の料理って油をできるだけ引くだけぢゃなくて、塩っ気はしっかり
つけるものなのかと思った。もう少し塩を控えても野菜などは
その持ち味で美味しくいただけるはず。
水の料理は素晴らしいが、水飲み料理になってはシャレにならん・・・
山口さん出た後だったので、彼の手によるものではないけど。
デザートはチョコバルーン 卵の殻のようなチョコの中には、
バニラビーンズがいっぱいのアイスクリームとマンゴー
連れは苺とブルーベリーのスープ仕立て
お肌が喜びそう
もういっぺん、じっくり食事に訪れたいレストランにはちがいない。
レストラン・アッシュ 神戸市中央区山本通3丁目