待ち合わせ場所になった、新梅田食道街の「ニッカバー北海」。足元は客が捨てる南京豆の皮でふわっと温かい。
ぶとり会は体脂肪の高い中年男が集まり、色気抜き、食い気だけで勝負する紳士協定に基づく会である。
なに、ただただ手から口へ、ムシャムシャ食い散らかし、 酒で流し込む、鯨飲馬食の会なのだ。
今回は大阪場所。お歴々を迎え気合が入る。粗相があっては
生き恥を晒すことになる。
角山隊長、ロッケン師匠、おっちゃん巨匠、ひ~さん総長の
カルテットに加え、今回は特別会員・本P旦那を迎え、クインテットとなって 冷たい雨の中、いざ出陣。
まずはツカイに、ミナミ島之内にある中国東北部の延辺料理店
「故郷羊肉串店」を用意してみた。中国系朝鮮族 、韓国人などが集まる店。
看板料理、羊肉の串焼き。北京などもそうだが北方は羊肉食が盛んである。店員の兄さんが手際よく焼いてくれる。タレに漬け込んであり、食べる時にクミンやチリ系のミックススパイスを付ける。まったく臭みがない。羊肉の筋の方は少し硬く、クセが少々あった。@¥150
皮蛋豆腐 ピータンが豆腐にグチャグチャにまぶしこまれている。味は塩味でいける。ピータンの風味が生きる。
春雨炒め。フェトチーネ風の平麺。上品な印象さえある。
薄い干豆腐に味噌を塗り、胡瓜、ネギ、香菜を包む…サラダ感覚。
兄さん(もちろん現地の方)に教えてもらったのだが、焼きあがった羊の串焼きをこうして巻くと、滅法旨い。
何かを巻いて食べるっていう文化は何処が発祥なのかな。韓国にも多いが。
ビール、紹興酒などを飲む。ここで時間切れ。次の店へとコマを進めねばならない。
車を拾って、いざ、芦原橋へ! ~つづく
1985年にMAPSが招聘したHOT RISEのリード・ボーカルと
マンドリンを弾いていたのがティム・オブライエン。
クレバーでクールなプレイヤーという印象だったが、強い個性があるでもなく、特にくだけもせず、僕の印象としてはそこまでしかなかった。
HOT RISEはブルーグラスの4人組でありながら、途中に扮装をガラリと替えてレッド・ナックルズ&ザ・トレイルブレイザーズというバンドに
早代わり。サングラスにテンガロン、ブーツでウェスタンスイングやレフティ・フリゼルを演った。なかなかシャレが効いていた。
そんな彼らも、帰国後、メジャーデビュー寸前で解散。その後ギターのチャールズ・ソウテルは故人となり、他にもMAPSがよんだジョン・ダッフィ、ボブ・ペイズリー、カーリー・レイ・クラインなど…何人もが鬼籍に入った。
一方で賞賛を受けるミュージシャンも多く出た。サム・ブッシュ、ベラ・フレック、そしてティムも05年にグラミー賞トラッド・フォーク部門に輝いた。そう、グラミー賞歌手なんだぜ。特に自分のルーツであるケルティック音楽の出会いが、彼の路線を明確にしたと見える。
とはいうものの、ホント長らくのご無沙汰。作品はほとんど聞いてもいなかった。今回は月一度の大阪ブルーグラスナイトに現れるかもしれない…との情報が寄せられて、行ってみたら本当に会えた。
21年ぶり。懐かしくて即座に名乗ったら、彼も覚えていて、MCで「まるでタイムマシンに乗った気分だ」なんてことを言ってた。フレンドリーな温かい性格がにじみ出るような、パフォーマンスを1時間近くもみせてくれた。
赤毛の少年のようなティムも52歳。ますます若々しい。唄も楽器もさすがで、左手の的確な運指、そのタッチの柔らかさ。相変わらず声も出ている。さすが現役バリバリだけのことはある。
ステージでは最後ジャムとなった。
それにしてもティムの英語はわかりにくいわぁ。相手に合わせて喋るテムポを落としたりしないし、口跡がいいとはいえないので、いい話をだいぶ聞き漏らしてしまったのは慙愧にたえぬ・・・。ああ会話の勉強しなきゃ、常にこう思い、そしてすぐに忘れてしまう。その繰り返しなりけり。
何あろう、熊肉の登場である。
こんなきれいな熊肉、今まで見たことが無い。
ただ赤身が少なく脂の層がイノシシのざっと倍はある。
月の輪グマの背中のロース部分。
冬眠前なので、こんなふうに脂をしこたま貯めこんでいる。
この脂がもたれない上質の脂。指で触るだけで即座に溶けてゆく。
この脂がお値打ちなのだ。
今年はたくさん獲れただろう熊、と思ったが、人を襲ったのがそのまま
こうやって出てくるのとはちがうようである。自家製の味噌仕立て。
イノシシと同様、脂がしっかりガードしてるから、どんどん煮ていい。
脂が不思議にこんなカッコウになる。
こうなりゃ上品なホルモンを食ってるようだ。アッサリいける。
誰だい、熊が固いとか臭いとか言ったヤツは。
そりゃ動物園の臭いを嗅ぎ過ぎだろう。
かえす刀でぼたんもいただく。美しいもんだな。
これは一層あっさり。さすがに豚のルーツだけある。
上質なローソクの蝋のような脂、まったくクセがない。
シカのタタキ。赤血球が豊富なのか、肉の色が濃い。
脂がほとんどないのでクセがないが、すぐにパサつくので
鍋には向かないという。
仕上げにゃ味噌鍋のダシに中華麺を放り込んで、いや満足。
一夜にして熊、猪、鹿を食べた。鼻息が荒くなった感じ。
矢でも鉄砲でも持ってきやがれってんだ、ベラボウめが!
百獣の王とはオレのことだぁ。がるる…
金色に輝くリニューアルされた通天閣に思わず立ち止まって見上げた。
この真下、通天閣歌謡劇場で「大西ユカリと新世界」のライブ。
ここはオーロラ輝子だか、叶麗子だかで有名になった場所。
今は月一度ユカリ姐がここで絶唱なさる。
相変わらずベシャリも効いてる。
ラテン調のOpから各人のソロが入り、最後に姉御登場。
いつもは昭和のカバー曲もやるらしいが、この日は先頃リリースされた
「おんなのうた」からの曲中心。ベースの森扇背が常にバンドをまとめ、グルーブ感をはじき出している。無駄がない7人バンド。森氏の作による「県警対組織暴力をもう一度」がふるっている。歌詞が「いちご白書をもう一度」のパロディになっていて可笑しい。歌詞には深作欣二監督や脚本の笠原和夫の実名まで登場するのだ。
地元寺田町から客で来ていたK兄貴。自然体で存在感抜群。ちょい以前、ユカリさんと組んでサントリー焼酎「それから」のCMソングも歌っていた。この夜は、胸にも背中にも松を背負って。