更衣室の掃除を終え、売り場へ行くと、職場体験の高校生二人が、大豆の量り売りを店長から、まかされていた。
慣れないせいか、そこに、じっと、立っているだけでも、人疲れして、大変そうに見える。
秘かに同情した。いい社会勉強になるだろう。
今日は、私の担当の乾物の入荷日だったなー。
北海道フェア開催初日の今日、店は、すごく混雑している。
お客様が来てくださるのは、大変ありがたいこと。
台車に積荷を乗せ、この混雑の中、荷出しをするのは、いつもにも増して大変なのである。
何せ、台車が お客様にぶつかる事だけは、なんとしても、避けねばならない。
その上、忙しい中、次々に呼び止められ、
「あれは、何処?これは何処?」
という お客様からの質問に答えつつ、ご案内しなければならない。
「お忙しい中、すみませんね。」
と、一言 声を掛けてから、聞いて下さる方が多い。
割り込みも、また 多い。
接客中に、2,3人の他の お客様が、
「私も、わしも」
と、割り込んでくるのである。
私は、聖徳太子ではない。
一度に複数の話を聞くことは、できない。
しかし、そんなことは、お構いなし!というのが、お客様なのである。
前回の北海道フェアは、働き始めて、一ヶ月という新人だった。(現在は、4ヶ月)
「あの、薩摩の水を一ケース、箱で下さい。」
老女が言った。
「倉庫へ行って、在庫を取って参ります。少々、お待ちください。」
水を取りに行く途中、おじさんに尋ねられた。
「スキンミルクは、何処ね?」
いつもなら、ご案内するのだが、そんな暇はない。
「この裏が、コーヒーの棚です。真ん中の上段にあります!」
ご案内は、省略し、棚を指し、言葉のみで、説明した。ごめんなさい。
今度は、レジの人が呼んでいる。
「市の指定ごみ袋の生ごみ用の在庫が棚にありませんよー。お客様が、お待ちです!」
なるほど、中年の婦人が待っている。
ごみ袋は倉庫ですぐ 見つかったが、薩摩の水がない!
倉庫に居た ひらっちに聞くと、
「まだ、プラットホームかねえ。」
そうだ、この日が入荷日だった。
彼女が探してくれてるので、とりあえず、ごみ袋 一箱分だけ、台車に乗せ、売り場へ直行!
婦人に一つ、手渡し、残りは棚に 無造作に突っ込んだ!
(時間がない!後で、きれいに補充し直そうっと )
薩摩の水のお客様に、お詫びをし、再び倉庫へ。
運良く、カトちゃんがいた。飲料水の担当である!
「今、入荷されました。」
と、一箱、もって来てくれた。
おお!助かった! 急いで売り場へ戻ると、お客様は、怒りもせず、
「あら、ありがと。じゃ、このカートに乗せてくれる?」
満足そうに、レジへ向かったのであった。
はあっ・・・。やれやれ。
自分の持ち場へ戻る途中、店長が ごみ袋を補充している姿が視界に入った。
一箱ではなく、入る分、すべての在庫を売り場へ持ってきていた。
気のせいか、店長の背中が怒って見えた。
「こんな、いい加減な、補充の仕方して」
と、なぜか、後ろ姿が語っているのである。
・・・とまあ、これが、前回の北海道フェア。
今回の第二弾!!も、何か ありそうな予感が・・・。
明日へ続く。