実話に基づく小説だそうです。義和団事件を描いた同じ著者による黄砂の籠城 松岡圭祐
も面白かったですが、こちらも負けてない… 背表紙にもあるように、一気読み❣
戦争に翻弄された、という点を除けば、BGMに地上の星が流れてきそうな場面が幾度となくあります。
東映で、或いはドイツで、主人公の柴田彰(仮名)が寒天を用いてプールで、海の波を表現してみたり、”本物のように” 特殊撮影を仲間と完成させていく過程には、感動を覚えます。
勿論、戦時下という状況で、日本に残した家族のこと(ナチスの人質)、ナチスによる虐殺に自分も加担したという罪悪感、これから「起きようとしている」虐殺を止めたい…ここで、このプロパガンダ上映会で自分が立ち上がり、真実を叫べば…しかし、家族の安否は… 個人か、正義か、 難しい局面で、読者は主人公に自然と感情移入すること間違い無し! 国は違えど、技術者として、映画製作に携わる者としてのプライドや正義。 そして友情にも注目。 ちなみに、タイトルは『ヒトラーの試写室』ですが、ヒトラー本人は殆ど登場しません。
ピンボケですが… 😨💦
もう一冊、『猫と共に去りぬ』は、光文社文庫では、自分にとっては初となるイタリア人作家です。
最初は『風と共に去りぬ』のパロディーかと勘違いしましたが、そうではありませんでした。( ´艸`)
老後を自宅で過ごすお爺ちゃんの居場所が無くなった。 幼い孫にも 「テレビを見るのが忙しいの」と邪魔にされる始末。勿論、妻には 「少し、黙っておいて下さい」 お喋りもまともに聴いては貰えない…
そこで、おじいちゃん。なんと、家出をするんですね。 しかも、ただの家出じゃない、猫になって!(=^・・^=)
…おっと、この後は読んでのお楽しみ💕
短編集ですが、どれもこれもユーモアたっぷり。ヴェネツィアやピサなど、お馴染みの地名が出てくるというか、舞台になっている点も嬉しいです。
(今年、47, 48冊目)