飲料の補充を無事に終えた私は、花岡さん担当の練り製品の値引きを始めた。時刻は4時を少し回ったところ。夜間君たちが出勤して来る頃までには、どうにか終えられるだろう。
半分ほど終えた頃、南副店長が空の台車を押しながらやって来た。
やって来た・・・とはいっても、副店長が向かう先は、惣菜方面のようだ。私がいる場所の反対側。
人の気配・・・しかも、ゴロゴロという台車と南副店長の気配を感じたので、振り向くと、目が合った。どちらとも無く、にやり。。。
すると、副店長は急に車線を越えて?こちら側へ
あ~ 交通違反だよ、これ。
そのまま、私が割引シールとセロテープを乗せていた台車にゴツン! (軽く・・・ね)
これって、意図的な衝突事故じゃない??
南副店長は、何故だか円満な笑みを浮かべること数秒・・・。
本日、笑顔の大特価(^0^)サービス実施中!
という雰囲気を振りまき、そのまま何も言わずに再び車線を超え、去って行ったのである!
南副店長、とってもお茶目です。
そういえば、私が休日の前倒し発注し忘れ、副店長に こっぴどく叱られた直後、副店長は、すぐに入荷商品の荷出しをしていた私のところへやって来て、(普段、副店長レベルでは定番商品の荷出しはしないにもかかわらず。。。)手伝ってくれたんだっけ・・・ね。
ニコニコして 仕事以外の話題・・・しかも、映画や字幕スーパーの翻訳など、英語好きな私が興味を持ちそうなトピックを選び、一生懸命、話しかけながら。
上司って、大変ですね。
言いたくなくとも、言わざるを得ない立場で、しかも、この気の使いよう。先ほど、車線を超えてきたパフォーマンスも、あの時と同じ理由なのかなあ?
そう。100%その通り!と、言いきれる事が、この後 起こる。
練り製品の値引きを終えた私は、パンの値引きへ移動。
南副店長も、行ったり来たりしていたが、パンの所へ来たので、質問した。
「これ、ネオバターロール、明日までの消費期限の・・・たくさん残ってます。(値引きシールを貼らずに、パソコンで売価変更しますか?) どうしますか?」
「今、ポップ作れないんですよ。パソコンの調子が・・・。そこで、すべてラベラーで値段を付けるか、値引きシールを貼って対応してるんです。悪いけど・・・シール貼って・・・」
そういった後、立ち去るのかと思ったら、(普段は、そうだから)
なんと、副店長は、そのまま残って、ネオバターロールとメロンパンに値引きシールを貼り出した。しかも、「スタッフ同士、売り場で御喋りしないこと」を決まりとしている副店長が・・・。御喋りしながら・・・。
「こないだ、外人さんのお客さんに、聞かれたんですよ・・・くろがね羊羹(北九州名物)を指して、What's this?・・・って。何て答えたら良いですか?」
意外な展開に驚いたが、羊羹は、日本にしかないから、取り合えず「ようかん」というしかないでしょうね・・・と答えた。
私なら、「It’s a Japanese sweet called yo-kan. and it's made of black beans. と答えます」
「えっ・・・? 冥土?」
「メイド オブ 小豆・・・って、black beans・・・でいいんですよね??(何方か、知っている方は教えてね)」
「日本のお菓子って、a Japanese snack・・・じゃ駄目ですか?」
「a snackって言うと、揚げたお菓子みたいだから、羊羹はsweetsでしょうね」
「 俺、It's a Japanese snack, very sweet!・・・って言ったんですよ」
「 あっ、それ、ちゃんと通じてます!大丈夫」
四角い羊羹は、何も知らない人が見れば、固形石鹸のようだ。これで、身体を洗うことなく、ちゃんと、「甘い日本のお菓子」だと、外人さんには立派に通じたことでしょう。
南副店長、ちゃんと、英語分かるくせにねえ。
やっぱり、お茶目