それなりの金満家で酔客とおぼしき客を呼び込んでいる駕籠屋さん・・・。
4人それぞれの表情が何ともたまらず、会話が成り立つような空気があります。
模写しながら感じること、
それは一点一線の無駄もない筆使いで、よくここまで表現できるなあー、と。
北斎の「北斎漫画」や「浮世絵」は、
後に続いた日本の画家、漫画家、アニメーターなどに、直接・間接に影響を与えたことでしょう。
2020.3からは、日本国のパスポート(見開きページ)にも、「富嶽三十六景」(内24作品)が採用されています。
彼の場合は日本だけでなく、西洋の画家(モネ、ドガ、ゴッホ、ゴーギャンなど)、
工芸家(ガレ)、音楽家(ドビッシー)にも
影響を与えたところが大きな特徴かと思われます。
北斎の代表作「神奈川沖浪裏」は、外国のある方(ユネスコの事務局長をやった人)をして、
『世界で2番目に有名な絵』(1番はダヴィンチのモナリザ)と言わしめるほどに有名ですし、
この「北斎漫画」は19世紀前半には西洋に渡り、19世紀後半に同地で興った
ジャポニズム運動の先駆的役割を果たしています。
1998年、アメリカの『ライフ』誌に発表された
「過去1000年で最も貴重な功績を遺した世界の人物100人」で、
日本人でただ一人選ばれているのが誰あろう、この北斎とのことです。
エジソン、ダヴィンチ、ニュートン、シェークスピア、ナポレオン、アイシュタイン、ピカソなど
世界各国・各界の錚々たる歴史上の人物と一緒に名を連ねてのことです。
いやはやの絵師さんでした。
拙ブログの北斎漫画シリーズ、初回の素麺の2人、玉蹴りの3人、駕籠屋の4人ときました。
とてつもない巨匠が残してくれた絵手本、ほんの、ほんの、ほんの一部ではありますが、
もうしばらく続けたいと思います。
「過去1000年で・・・」は凄いですよね。
どの絵を見ても何となく何処かで見たことがあるような感じがするのは、多分自分の体験で似たような事を感じたことがあるからだと思います。その辺のとらえ方も凄いと言うか共感を呼ぶのでしょうね。
列強がアジアを侵略していたこの時代、日本の教育水準、知的基盤、芸術のみならず、武士道に見られる精神力の高さに植民地戦略をあきらめたのもうなずける気がします。
江戸時代の漫画シリーズますます楽しみです。