『北斎漫画』(青幻舎版)という又とない絵手本を取り寄せましたので、
しばらくはこの手本で練習したいと思います。
江戸の一般庶民が遊んでいた玉蹴りです。
優雅な遊びとして知られる「蹴鞠(けまり)」は、最初は平安時代に宮中や公家の間で、
その後は武家社会にも引きつがれ、
江戸時代には一般庶民の遊びにもなっていたようです。
お偉いさんの鞠は鹿や馬(組み合わせが面白い)の革で作られ、
靴も“鞠沓”とよばれる、それ専用の沓を使用していたようです。
それに比べ庶民のそれは「地下鞠(じげまり)」とよばれ、
靴はこの絵にある通り草履ですが、玉(鞠)は何製かはわかりません。
ただ蹴る人物の仕草の大きさと玉の位置から見るに、余り反発しない材料で、多分布製ではないかと。
この絵の玉の縫い目を見て、自分が小学生のころ、野球ボールを
自分達で作ったのを思い出しました。
終戦まもないころで、当時はサッカーよりも野球が人気がありました。
布で硬式ボールの縫い目に似せて型どりし、
綿を中に詰めて、この絵の様に縫い合わせて作ったことでした。
そしてバットは竹、ミットは勿論素手、というそんな時代でした。
前回同様、墨と面相筆によりましたが、
原画では墨以外に一色(肌色っぽい)を使ってありますのでこれに倣いました。
三者三様の顔の表情、体勢のとりかた、手足の表現など、
迷いのない一気の筆で描かれており、感嘆しつつ模写させていただきました。
江戸時代、庶民、働き盛りの大人の蹴鞠・・・
それぞれの表情も良いですね。楽しそう。又それぞれの姿勢と言うか手の位置・足のあげ方等蹴鞠の特色が良く出ていると思います。この時代庶民も平和に暮らしていたんでしょうね。
それから終戦後のコメントを見て、学生時代体育の時間にソフトボールをした際の流れるような守備と見事なスローイングを思い出しました。
世界を魅了する現在の日本アニメはこのような素晴らしい動画要素を持つ北斎漫画が原点のような気がしてきました。
日本人の持つ絵画、芸術のDNAは伝統になって受け継がれ、一朝一夕にできるものではないのだと勝手に自慢したくなります。