久しぶりに“らしい文字”です。
多様な意味にあふれる『愛』の字、
そのほんの一端にチャレンジしてみました。
懐の大きい、ハート一杯の愛、
情念渦巻く愛、
座布団のように、どっしり暖かい愛、
愛しさ余って憎しみに、も男女の習いか、
3行目の金釘(かなくぎ)文字、拡大していただければ判りますが、
一応「愛」の字であります。
“右”二人のルンルン気分に対して、
“左”は失恋直後か、ふて腐れたような、拗ねたような・・・。
近頃はダンスはおろかウォーキングも二人では出来なくなりました。
本作作画中、家内から
「ところで、あなたはどの愛なの?」との質問。
ムムムッ・・・口を濁しましたが、右下隅あたりが本音かと。
でも、これを家内に言うのも・・・。
八十翁が何をやってる、とお笑いあれ。
一寸した角度、はね、丸み、直線、全般の形・・・と表現が多岐に渡り、こうも見事に字で心理表現を出来るのですから驚きです。
私のような単純な者は愛と聞くと、ワンパターンの絵柄しか思い浮かべないことが多いのですが、言われてみると、どんな言葉にもそれぞれ色々ありますよね。
孫との会話で大和言葉やひらがなの成り立ち、表意文字などの話題に進展しましたが、作者のこの「らしい文字」を見ながら「表意志文字」とか「表情文字」などもあるのかなと思い楽しませてもらいました。