台風10号(昨日熱帯低気圧に)が、先月28日鹿児島に上陸、
その後は迷走、居候(いそうろう)を続けました。
上陸後、気圧は一気に下がりましたが、全国広域で大雨の被害が報告されています。
被災された方にお悔やみ、お見舞い申し上げるとともに、
その被害の少なからんことを切に祈るものです。
また長期的には、この災禍を乗り越え、そして教訓を活かして次の発展に繋げてほしいと思います。
今回の台風の特徴の一つに進路などの予測の難しさがあったようです。
わが国気象台の予測だけでなく、アメリカやヨーロッパの気象機関の予測までを援用し、
しかもそれぞれが違った予測をしているくらいでした。
この台風の予測の難しさを聞きながら、あることを思い出しました。
唐突に思われるかもしれませんが、
それは、10代の頃(70数年弱前)、ある人から
“台風を方程式で示せば”みたいなことを聞いたことです。
“えっ、あの化け物みたいな台風を方程式で?”
と大変驚いたことでした。
そのとき聞いた方程式で求めるもの
(キザっぽい、昔懐かしい言葉でいえば“未知数”あるいは“解”)については、
台風の総エネルギーの計算だったのか、
あるいは進路や雨量など個別の予測の計算だったのか、
この肝心なところは全く覚えていません。
今パソコンにその“台風、方程式”と入力すると、
いくつかの式やその解説が表示されます。
ああ、やっぱり両者には関係があったんだ、と変に喜んだりしていますが、
それ以上の深追いはやっておりません。
今では、台風の諸データ(進路や気圧や雨量などなど)の計算には、
日本が世界に誇るスーパーコンピューターが駆使されていることでしょう。
でも、どれだけハイテク化が進んでも、
大自然の予測・・・方程式を創り、当てはめる・・・ことは大変難しいんだなということを、
今回の台風を通じ、あらためて思い知らされたことでした。
昔からの言い伝えは正に神髄をついていると思います。失敗の多い私には人生訓にしたいような教えです。
自然には余りにも多くの要素(変化数)が入り混じっていて、アバウトなら可能かも知れませんが、正確な数式にするのは難しいでしょうね。
若い頃、台風のエネルギーを何かに取り込み、活用する科学者がいないかと思ったりもしましたが、未だ現れません。台風の多い日本に、この災いをどのような事でも良いから福にする科学者の出現を願います。
風の被害は倒れそうな野菜全部に支柱を、あふれる雨水は誘導して乾燥した畑への恵みに・・・。
規模はとても小さく恐縮ですが、まさに「被害極限、災禍転福」でしょうか。
作者の美しく力強い書に励まされた思いです。