健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

癌の進行を抑制する

2011-08-02 08:32:05 | 研究
細胞の中に通常1つある核。遺伝情報が書き込まれた染色体が収められていますね。その核の中に核小体と呼ばれる部分があります。顕微鏡で観察すると少し色の濃い部分です。その核小体の中に、PICT1と呼ばれるたんぱく質が存在することが明らかになりました(YOMIURI ONLINE)。正常な細胞の場合、PICT1はタンパク合成を行うリボゾームたんぱく質と結合しているらしいのですが、PICT1を消失させると、リボゾームたんぱく質ががん細胞の増殖を抑制する「p53」と結合し、p53の働きを活性化させることがわかった。p53はがん抑制遺伝子と呼ばれています。PICT1はこの働きを調節しているということになります。がん患者のPICT1と生存率の関係も調査したところ、食道がんではPICT1が少ない患者の5年後の生存率が1・7倍に、大腸がんでは1・3倍になることが確認されたそうです。つまり、がんの進行を左右するメカニズムにPICT1が深くが関わっているということです。この発見は、がん生存率を高める新薬の開発につながる可能性がありますね。
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