健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

遺伝子組み換え米でベータアミロイドの蓄積が減少

2011-08-30 08:30:58 | 研究
少し微妙なニュースが。遺伝子組み換えの米を使いアルツハイマー病の脳に蓄積するたんぱく質を減らすことができると(毎日jp)。ただし、マウスでのお話。アルツハイマー病患者の脳にはベータアミロイド(Aβ)と呼ばれるたんぱく質でできた老人斑がみられます。このAβが脳に蓄積し、複数の過程を経てアルツハイマー病につながると考えられています。Aβを攻撃する抗体を体内に作らせて蓄積を防ごうと、食べるワクチン作りに取り組んでいたところ、Aβの遺伝子を組み込んで育てたピーマンの葉をすりつぶし、アルツハイマー病のモデルマウスに食べさせたところ、脳内のAβが減少することがあきらかになったというのです。今回は、Aβ遺伝子を組み込んだコメを6匹のモデルマウスに10日に1回、16カ月食べさせたそうです。さらに免疫増強をねらってAβを1回注射した結果、Aβに対する抗体価の上昇にあわせ、脳内のAβが減少したそうです。さらに、迷路を使った実験では記憶力の改善傾向が見られたそうです。米国ではAβを注射するワクチンの治験が髄膜炎の副作用で中止されているそうですが、こうしたいわゆる食べるワクチンではこうした副作用が防げるかも。興味ある方が多い研究結果ではないでしょうか。
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