健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

熱中症は遺伝する!?

2011-08-04 08:28:23 | 研究
今年は、6月と7月の猛暑の影響か、あるいは節電の影響か、熱中症患者が増えていると報道されています。この熱中症は、体温調節の不具合によって生じ、その原因は高温多湿が代表的なものと知られています。もちろん、他の要因もあります、例えば肥満や高齢などです。薬物なども影響します。こうした環境因子が熱中症の主な原因というのが一般的な考え方でしたが、遺伝的に熱中症になりやすい人がいるというニュースが報道されました(YOMIURI ONLINE)。高熱や意識障害に陥った患者の約半数が、特定の遺伝子の型を持っていることが明らかになったというのです。これは、熱中症の重症化にかかわる体質が明らかになったは初めてで、熱中症の予防や治療につながると期待されます。この遺伝子は、エネルギー産生に関係する酵素を作る「CPT2」という遺伝子だそうです。遺伝子の塩基配列が1か所だけ違う型を持つ人は、40度以上の高熱が続くと酵素が不安定になってエネルギーを作れなくなり、インフルエンザ脳症になりやすいことは明らかになっているそうです。東京医科大学病院に40度の高熱、意識障害または熱けいれんの重篤な熱中症で運ばれた11人を調べた結果、死者1人を含む5人(45・5%)がこの型の遺伝子を持っていたそうです。調べたいという人が殺到するのではないでしょうか。
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