健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症メカニズム解明

2011-12-28 08:30:50 | 研究
難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症メカニズムが解明されたそうです(YOMIURI ONLINE)。ALSは脊髄内で筋肉を動かす運動神経が障害を受け、次第に全身の筋肉に力が入らなくなる病気で、全国に約8500人の患者がいるとされています。これまで、このALS詳しい原因は不明で、根治的な治療法も見つかっていませんでした。最近、遺伝子操作によりALSのモデルマウスが作成されていました。このマウスはALSと同じように脊髄の運動神経に障害を持ちます。このモデルマウスの脊髄内アミノ酸の量を調べたところ、神経を活性化させるDセリンが健康なマウスの約3倍に増え、蓄積していたことが分かったそうです。さらに、Dセリンの増加を抑える分解酵素「DAO」の働きが、通常の半分に落ちていることもわかったそうです。脊髄におけるDセリンの分解酵素の働きが低下してDセリン蓄積するため、筋肉の萎縮を引き起こすということです。したがって、DAO酵素の活性を高める方法が見つかれば、治療薬の開発への道があることになります。患者さんとそのご家族には朗報ですね。
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