健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

ノロウイルスを捕捉する腸内細菌

2013-07-06 08:30:59 | 研究
ノロウイルスを捕捉することができる腸内細菌の存在が証明されたそうです(QLife Pro)。ノロウイルスは例年多くの胃腸炎患者を発生させているのは周知のことですが、その感染経路は未解明な部分が多いとのこと。感染拡大を防ぐ有効な手立てはまだ構築されていないのが現状だそうです。ノロウイルスが人の血液型を決定する多糖(血液型決定抗原)に吸着することに注目し、ノロウイルスがある種の腸内細菌に結合した状態で人体内や環境中に存在するという仮説を立て、“ノロウイルス吸着性ヒト腸内細菌”の存在を立証を目指したそうです。血液型決定抗原様物質の産生能力を手がかりに便から腸内細菌を選り分けて、単離された菌株についてノロウイルス粒子との吸着能力を評価し、ノロウイルス粒子吸着部位を探索したそうです。その結果、菌株Enterobacter sp. SENG-6が血液型決定抗原様物質を細胞外に分泌し、その物質を介してノロウイルス粒子を強く捕捉することがわかったというのです。この腸内細菌にノロウイルスを捕捉させれば腸の細胞へのノロウイルス感染を抑制できる可能性があるそうです。また、下水処理のノロウイルス除去の際に腸内細菌を使用することも考えられるとも。
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