健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

脳卒中と血流

2013-07-07 08:30:34 | 研究
心臓拡張期に大動脈内で逆行性の血流が存在し、大動脈の硬化にしたがってこの逆流が増加することが明らかになったそうです(QLife Pro)。脳内の太い動脈が閉塞して起こる脳梗塞は、脳主幹動脈や頸動脈内の粥腫(動脈硬化性プラーク)、心房内の血栓などが原因で発症します。なかには発症の原因がわからない場合も多く、原因不明脳梗塞と診断されています。高血圧患者の胸部下行大動脈の血流を測定し、記録した血流波形から、心臓の拡張期に下行大動脈から頸動脈へ向かって血液が逆行性に流出する、逆流の現象を発見したそうです。そして、大動脈が硬化すると、大動脈内の逆流の比率が増加することもわかったそうです。脳卒中患者の約20%の大動脈内に不安定なプラークが存在することから、大動脈内逆流でプラークが破綻・遊離して頸動脈、脳内動脈に流出した場合、プラークや血栓が脳動脈内へ運ばれ逆行性脳塞栓を引き起こす可能性があるというのです。大動脈の血圧ばかりではなく、大動脈の血流も脳卒中の発症機序に関与するということになりますね。
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