興味深い記事を見つけました(QLife Pro)。過体重、肥満の糖尿病患者に対して生活習慣介入を行うと、体重が減少し心血管危険因子は改善するけれども、心血管イベントの低下は見られないということが、ランダム化比較試験の結果で明らかとなったというのです。過体重または肥満の糖尿病患者に対する減量指導は、血糖管理の向上や心血管危険因子プロファイルの改善、QOLの向上など利益につながるとされています。しかし減量が心血管リスクを低減するということを示したエビデンスはなかったそうです。そのため、過体重または肥満の糖尿病患者に対する、生活習慣介入が心血管死亡や心血管のリスクを低減するかどうかを調べる試験を行ったというのです。米国内16施設で患者登録を実施。条件としては45~75歳の糖尿病患者で、BMIは25以上、HbA1cは11.0%以下、収縮期血圧は160mmHg未満、拡張期血圧は100mmHg未満、トリグリセリド値は600mg/dL未満としたそうです。また心血管疾患歴に関する有無は問わなかったそうです。その結果5145人の患者を登録。摂取熱量を減らし運動量を増やして7%以上の減量を目指す生活習慣介入群と、食事や運動などの教育と支援を行う対照群に分けて、最長13.5年の追跡を計画。介入群は1日の摂取熱量は1200~1800kcal、または脂肪由来の熱量は30%未満とし、蛋白質から15%超の熱量を摂取する、食事代替型食品を使用する、中等度~高度の運動を週175分以上行うといったような生活改善を行うように指導。また対照群に対しては、4年目まで年に3回それ以降は年1回、食事、運動、社会的な支援などに関する情報を提供したそうです。その結果、介入群に表れた減量効果は、一般の糖尿病患者に対する生活改善指導によって得られる最大限のものと考えられたそうです。またこのような介入は糖尿病自体には好ましい影響を与えるが、10年弱の間に心血管イベントのリスク低減はできなかったということです。日本人でも同じなのでしょうか?
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