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豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

鳥インフルエンザの死亡リスク

2013-07-16 08:30:06 | 研究
鳥インフルエンザによる症候性患者の死亡リスクは10万人当たり160~2800人と予測ほど高くないということと、高齢者が重症化しやすいということが、中国疾病対策センターのデータベースを解析した結果示されたそうです(QLife Pro)。この解析結果は、Lancet誌電子版に2013年6月24日にpublishされたそうです。また、5月28日までの中国全土の症候性感染者数は推定1500~2万7000人とも。鳥インフルエンザは、中国で2013年3月に流行が始まったのは周知ごとくです。当初報告されていた患者は重症の場合が多かったですが、流行が長引くにつれて軽症の感染者が存在することがわかってきたそうです。5月28日までに報告された確定例の中で6例は、インフルエンザ様疾患を対象とする定点観測により発見されているそうです。この6例の年齢は2~26歳で、肺炎発症は1例だそうです。著者らはデータベースから、2013年5月28日までの確定例131人の中で、症状に基づいて入院が必要と判断された123人について、死亡、機械的換気、入院のリスクなどを検討したそうです。入院患者の全てを入院6週の時点で死亡や回復に分類し、死亡例数を死亡+回復例数で除して表したそうです。また123人の入院患者全体ではICU入院と機械的換気使用、死亡を合わせたリスクは83%、75%、89%となり、高齢者の方がリスクは高かったそうです。この中でも除外された患者が8人おり、そのうち4人は軽症で、回復したのちに鳥インフルエンザ感染が明らかとなっているようで、残りの4人は観察目的で入院ということのようです。また感染確定例に接触した約2500人を追跡したそうですが、二次感染の可能性が高い患者は5人しかわからず、鳥インフルエンザのヒトからヒトへの感染能力は低いと考えられたそうです。他の調査で中国全土の症候性感染者数については、5月28日までで1500人となっており、症候性患者の死亡リスクは10万人のうち2800人と推定されているそうです。
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