健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

脳へ微弱な電流を流すことで「かゆみ」を抑制

2015-08-22 08:30:56 | 研究
脳に微弱な電流を流す「経頭蓋直流電気刺激法(transcranial direct current stimulation; tDCS)」により「かゆみ」が抑制されたそうです(財経新聞)。かゆみは、掻破(かくこと)で抑制されることはよく知られています。しかし、掻破は快感を伴うため、常に掻きたいという思いから、過剰な掻破を引き起こしかねないですね。特に、アトピー性皮膚炎などの慢性的なかゆみに悩まされる患者にとっては、過剰な掻破により新たな皮膚損傷を引き起こされるといった悪循環を引き起こします。そのため、掻破に変わる新たな抑制法の発見・開発は、痒みに悩まされる患者にとって大きな意義があります。研究では、大脳皮質感覚運動野を非侵襲的に刺激することで痛み知覚が抑制されるという現象に注目し、かゆみ知覚に対しても同様の抑制効果がみられるかどうか検討。脳刺激には、微弱な電流を流すことで大脳皮質の興奮・抑制性をコントロールするtDCSを用いたそうです。その結果、tDCSを15分間施行したところ、ヒスタミン刺激に対する痒み知覚が減少し、さらに痒みの持続時間が短縮することが分かったというもの。今後、アトピーなど慢性的なかゆみを有する患者に対する、かゆみ抑制方法の一つとなることが期待されるそうです。
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