健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

膵島を安全に凍結保存する手法

2016-01-13 08:30:59 | 研究
膵臓の中にあるランゲルハンス島(膵島)と呼ばれる内分泌腺を損傷させずに超低温で凍結保存する新たな手法が開発されたそうです(財形新聞)。1型糖尿病の患者は、インスリン産生細胞が免疫作用により破壊されるため、毎日インスリン注射を打つ必要があります。インスリン摂取量を劇的に減らし、インスリン投与への依存を断ち切るための効果的な治療法として、膵臓にあるランゲルハンス島(膵島)の移植がありますが、インスリン産生細胞の安全な採取や保存、輸送にはいまだ多くの課題があるそうです。今回の研究では、ランゲルハンス島をハイドロゲルで包み込むことで、ランゲルハンス島を凍結する時の危険から保護するだけでなく、リアルタイムで細胞の生存状態まで確認できる超低温凍結保存の新たな手法を開発したそうです。このハイドロゲルカプセルは凍らない水を大量に含む多孔質の微小構造が特徴で、自由水、凍結結合水、不凍水という3種類の水が含まれているそうです。不凍水を多く含んでいることで細胞を氷晶によるダメージから守り、凍結防止剤の使用を減らすことができるそうです。凍結防止剤は、高濃度のものには毒性作用があるそうです。この成果は、1型糖尿病の治療法として用いられているランゲルハンス島の移植手術の課題解決につながる可能性があるそうです。
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