健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

クッシング病の新規治療薬

2016-01-23 08:30:06 | 研究
難治性内分泌疾患であるクッシング病の新規治療薬として、レチノイン酸(ビタミンAの代謝物)の受容体に対する薬剤である HX630が有効である可能性が発表されたそうです(財経新聞)。クッシング病とは、脳下垂体に発生した腫瘍(下垂体腫瘍)が原因となってホルモンのバランスが崩れ、肥満、高血圧、糖尿病、骨粗しょう症、筋力低下、多毛、免疫力低下やうつ状態などを引き起こす疾患。脳下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が過剰になることから、副腎皮質からステロイドホルモンが過剰産生され、様々な症状を引き起こすことが知られています。未治療の状態では心・血管病変や感染症により命にかかわる場合も。治療法としては、下垂体腫瘍を外科的に摘出することが第一選択で、手術をしても症状が改善しない場合や術後の再発、病変部位によっては手術不可能な場合も。このため、そのような難治患者に対しては薬物療法が必要ですが、これまで下垂体腫瘍をターゲットとした有効な薬剤が存在していなかったそうです。
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