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豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

大きな脳の獲得

2016-01-28 08:30:32 | 研究
哺乳類脳と鳥類脳で共通したメカニズムや同様の神経幹細胞が存在することが明らかになったそうです(財経新聞)。哺乳類の大脳皮質は、脳の中でも最も主要な部分として感情情報を統合し記憶や認知機能を司る中枢である一方で、哺乳類の進化の過程でどのようにして獲得されたかは謎に包まれていたそうです。研究では、羊膜類の中でも哺乳類と同様に大きく発達する鳥類の大脳の発生過程を解析。電気穿孔法という簡便かつ多量に外来遺伝子を生体組織に導入できる方法によって神経幹細胞が産生されるメカニズムを解析した結果、哺乳類脳と鳥類脳に共通した発生プログラムや、鳥類脳独特の発生プログラムを解明。その結果、哺乳類、特に霊長類の大脳皮質に多く存在する神経幹細胞と同様の特徴を持つ細胞が鳥類にも存在することを発見。したがって、哺乳類と鳥類は、進化の過程で共通したメカニズムによって大きな脳を獲得したことが推測されるそうです。鳥類は哺乳類と同様に社会性や高度な知性を持つことから、今回の研究成果が哺乳類の脳の進化起源に迫る手がかりとして、哺乳類独特の大脳皮質の発生に伴う様々な疾患の解明にも貢献することが期待されるそうです。
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