健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

ヒト体細胞がiPS細胞に変わる瞬間

2016-01-21 08:30:51 | 研究
ヒト体細胞からiPS細胞へ再プログラム化される中間段階にある幹細胞株、ヒトiRS(intermediately Reprogrammed Stem)細胞が樹立され、さらにゲノム編集技術を応用し、ヒトiRS細胞の内在性OCT4遺伝子の下流にGFPレポーター遺伝子を挿入することで、ヒトiRS細胞がOCT4陽性の幹細胞(iPS細胞)に変化する瞬間を生きた細胞で可視化する事に成功したそうです(財経新聞)。再生医療のけん引役として多大な期待がかかるiPS細胞。すでに、様々な疾患への適応への臨床実験も行われていますが、iPS細胞への再プログラム化は1万分の1以下の頻度でおこる再現性の低い現象でだそうです。このため、分子機構の解明が課題だそうです。今回の結果により、ゲノム編集を含む遺伝子改変されたiPS細胞の作製が簡易になり、遺伝性疾患の病因解明や創薬開発に貢献できるそうです。さらに、ヒト再プログラム化機構の解析を再現性良く行うことが可能になり、結果としてiPS細胞の品質の安定化にも貢献するそうです。
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白銀の世界

2016-01-20 08:30:15 | 日記
豊橋市は雪です。一面、雪の世界。幹線道路はそうでもありませんが、一本路地を入ると、道路は真っ白。結構、乾燥した雪で、踏みしめるときゅっきゅっと音が鳴ります。降りはじめが遅く、朝も降っていたので、路面凍結には至っていない模様です。道路も、大きな渋滞は発生していないような気がします。
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類鼻疽菌

2016-01-19 08:30:49 | 研究
感染すると死に至る危険性が高く、治療が困難な細菌性疾患の類鼻疽(るいびそ)は、これまで考えられていたより広範囲にまん延しているとの研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。同感染症による年間死者数は世界中で数万人に上っているそうです。ホイットモア病としても知られる類鼻疽は、アジア南部と東部、太平洋諸国と豪州北部などの一部地域の風土病と長年考えられてきたそうです。ですが、国際研究チームによる最新の分析結果は、類鼻疽が南米大陸とサハラ以南アフリカの全域にわたって存在するうえ、中米、アフリカ南部、中東などの一部にも存在する可能性が高いことが示唆されるそうです。類鼻疽の致死率は約70%と高く、強毒性のH5N1型鳥インフルエンザを上回るそうです。研究チームの試算によると、2015年には16万5000人が類鼻疽に感染し、うち8万9000人が死亡。類鼻疽による世界の年間死者数は、麻疹の95,000人にほぼ匹敵し、多くの国際保健機関で現在の2大健康優先課題とされているレプトスピラ症(5万人)とデング熱(1万2500人)の死者数を上回っているとも。
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大型類人猿の絶滅

2016-01-18 08:30:02 | 研究
地球を闊歩した史上最大の類人猿が10万年前に絶滅したのは、常食としていた森林の果実が気候変動の打撃を受けた後、サバンナの草に食性を切り替えられなかったことが原因であるという記事が報道されていました(FAPBB NEWS)。これまでに存在した中で、大型類人猿「ギガントピテクス」は、大まかな推算によると、体重が成人男性の5倍で、身長が3メートルに達した可能性が高いそうです。この類人猿は、100万年前の全盛期には、中国南部と東南アジア大陸部の亜熱帯森林地帯に生息していたそうですが、ギガントピテクスの解剖学的形状や習性については、ほぼ何も分かっていないそうです。化石記録としては、下顎骨の一部が4個と、恐らく1000個ほどの歯しかなく、1930年代に見つかった最初の歯の化石は、Hong Kongの薬局で「竜の歯」として販売されていたとも。体重が重すぎて木登りや枝揺らしができなかった可能性が高い大型類人猿のギガントピテクスは、何らかの理由で、食性を切り替えることができないという生態学的な柔軟さを備えていなかった可能性が高く、ストレスと食料不足に耐えるための生理学的能力が不足していた可能性があるということです。
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生物医科学論文の大半に不備

2016-01-17 08:30:38 | 研究
PLoS Biologyに発表された論文によると、生物医科学分野の多数の研究論文に大きな欠陥があるそうです(AFPBB NEWS)。過去15年間に生物医科学専門誌で発表された論文から無作為に抽出した441編を分析したところ、研究の評価や再現に必要な情報のプロトコルを完全に満たしていた論文は1編しかなかったというもの。科学的研究は、外部の研究チームが独立して実験を再現し、論文と同じ結論に達することができた場合のみ有効と判断されます。さらにほとんどの論文には、研究資金の出所が記載されておらず、利害対立の有無も明記されていなかったそうです。これを受けてPLoS Biology誌は、基準向上を目的とした「メタリサーチ部門」を新設するそうです。
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カメレオンの舌の加速度

2016-01-16 08:30:08 | 研究
カメレオンの舌は、体長の2.5倍以上伸びるとされ、わずか0.02秒という素早さで餌となる虫を捕らえることができるそうです。そして、極小のカメレオンの一種が舌を伸ばす際の速度は驚くほど速かったという研究結果がNatureに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。その加速度は、停止状態から時速60マイル(約97キロ)に達するのに、わずか100分の1秒しか必要としない程だそうです。このカメレオンは親指サイズのカレハカメレオン属の一種「Rhampholeon spinosus」で、その舌を伸ばす際の最大加速度は重力加速度の約264倍。このカメレオンの舌の力は、体重比の動力でみると、1キログラム当たり1万4040ワットで、この値は、爬虫類、鳥類、ほ乳類の1キログラム当たりの筋肉量が作り出すものの中で最大で、脊椎動物のなかで、これを上回るのは一部のサンショウウオのみだそうです。
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クリスパー

2016-01-15 08:30:42 | 研究
遺伝子編集技術「クリスパー(CRISPR)」についての2つ目の記事を紹介します。マウスを使った遺伝子編集技術(ゲノム編集)の実験で、変性疾患である筋ジストロフィーへの改善の効果が初めて確認されたというものです(AFPBB NEWS)。実験では、デュシェンヌ型筋ジストロフィーにかかった成獣マウスを対象に遺伝子編集技術クリスパー(CRISPR)が用いられたもの。デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは、遺伝子の変異によって健康な筋肉を作り出すのに必要なたんぱく質であるジストロフィンの生成が妨げられるため、筋変性と筋力低下が進行性に出現。この疾患は、5000人に1人の割合で男児に発症するものです。クリスパーを非病原性のウイルスを遺伝子編集システムの「運び屋」として用い、遺伝子疾患を引き起こすDNA内の変異部分に作用させて修復したそうです。その結果、脚の筋力が強くなったなどの効果が認められたそうです。
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双子のがんリスク

2016-01-14 08:30:39 | 研究
同じ遺伝子を持つ双子の一方ががんになった場合、もう一方の発病リスクも高くなるとする調査結果が5日、Journal of the American Medical Association(JAMA)に発表されたそうです(AFPBB NEWS)。一卵性双生児の一方ががんと診断された場合、もう一方のがんリスクは14%ほど上昇。一卵性双生児は同一の卵細胞から成長する双子で、2人とも全く同じ遺伝物質を持っている。2個の卵細胞から成長し、通常の生物学的きょうだいと同程度の遺伝的類似性を持つ二卵性双生児では、片方が発病した際のもう一方のがんリスクの上昇は5%程だったそうです。調査対象の双子は、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーの出身で、1943年~2010年までの期間にわたり追跡調査を実施。グループ全体のがん発症率は、約3人に1人の割合(32%)。それを基に計算すると、片方ががんと診断された一卵性双生児のもう片方のがんリスクは46%と算出されたそうです。二卵性双生児の場合、片方ががんと診断された双子のもう片方のがん発症リスクは37%。また、2人とも同一のがんと診断された割合は、一卵性双生児で38%、二卵性双生児で26%だったそうです。双子で同じがんになる確率が高かったのは、皮膚メラノーマ(悪性黒色腫、58%)、前立腺がん(57%)、非メラノーマ皮膚がん(43%)、卵巣がん(39%)、腎臓がん(38%)、乳がん(31%)、子宮がん(27%)などだったそうです。世界では毎年約800万人ががんで死亡しているそうです。
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膵島を安全に凍結保存する手法

2016-01-13 08:30:59 | 研究
膵臓の中にあるランゲルハンス島(膵島)と呼ばれる内分泌腺を損傷させずに超低温で凍結保存する新たな手法が開発されたそうです(財形新聞)。1型糖尿病の患者は、インスリン産生細胞が免疫作用により破壊されるため、毎日インスリン注射を打つ必要があります。インスリン摂取量を劇的に減らし、インスリン投与への依存を断ち切るための効果的な治療法として、膵臓にあるランゲルハンス島(膵島)の移植がありますが、インスリン産生細胞の安全な採取や保存、輸送にはいまだ多くの課題があるそうです。今回の研究では、ランゲルハンス島をハイドロゲルで包み込むことで、ランゲルハンス島を凍結する時の危険から保護するだけでなく、リアルタイムで細胞の生存状態まで確認できる超低温凍結保存の新たな手法を開発したそうです。このハイドロゲルカプセルは凍らない水を大量に含む多孔質の微小構造が特徴で、自由水、凍結結合水、不凍水という3種類の水が含まれているそうです。不凍水を多く含んでいることで細胞を氷晶によるダメージから守り、凍結防止剤の使用を減らすことができるそうです。凍結防止剤は、高濃度のものには毒性作用があるそうです。この成果は、1型糖尿病の治療法として用いられているランゲルハンス島の移植手術の課題解決につながる可能性があるそうです。
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単一の神経細胞による記憶

2016-01-12 08:30:56 | 研究
線虫を用いた研究で、神経細胞の中に単一細胞として記憶を形成できる能力を持つものが存在することが発見されたそうです(財形新聞)。古くから記憶・学習の成立機構には様々な仮説が提案されてきたが、現在のところシナプス説が最も有力となっています。シナプス説では、記憶や学習が多細胞間の相互作用によって支えられており、特に神経回路網内でのシナプス伝達効率が変化する「シナプスの可塑的変化」によって成り立つと考えられています。今回の研究では、温度受容細胞であるAFDニューロンの初代培養系を確立し、AFDニューロンを他の細胞から完全に隔離した条件下で、培養温度依存的な温度応答が観察されることを示したそうです。また、この単一の神経細胞による記憶の分子レベルでの実体を解き明かすために、遺伝子変異体を用いた解析を実施したところ、cmk-1遺伝子の機能欠損変異体で、この単一神経細胞の記憶に深刻な異常が観察されたそうです。このcmk-1遺伝子は生物種を超えて広く保存されたカルシウム-カルモジュリン依存性プロテインキナーゼCaMKI/IVをコードするため、線虫の全タンパク質に対して、ヒトのCaMKIタンパク質を用いたリン酸化プロテオミクス解析を実施し、CaMKI/IVの標的分子の網羅的な探索を行ったところ、ヒトCaMKIのリン酸化標的分子の候補として38の線虫タンパク質を同定し、さらにこれらのタンパク質の中に含まれていたRafキナーゼの欠損が単一神経細胞の記憶に異常を引き起こすことを突き止めたというもの。本研究成果は、神経ネットワークだけなく、個々の細胞1つ1つにも記憶が宿り得るという新概念を与えるもので、長年にわたり生物学の課題とされてきた脳神経系における記憶メカニズムの解明に大きく寄与できると期待されているそうです。
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