"巨人・小林" と "阪神・江川" の交換トレードが成立し巨人・長谷川代表、阪神・小津社長が揃って
巨人球団事務所で会見しました。既に日付けも変わった深夜にも拘らず会見場は異様な熱気に満ちて
いました。
記 者 … トレードの話は無かったのに急に態度を変えたのは何故か?
小 津 … 登録手続きを済ませた後、長谷川代表から会いたいという連絡を受けてきた
記 者 … その時初めて小林投手の名前が出たのか?
長谷川 … はい
記 者 … エースを江川君の犠牲にするのか?
長谷川 … 小林君は巨人の3エースの1人。もちろん大きな犠牲だが阪神との40年来の友情を考え、納得してもらった
記 者 … トレードの話は夜、ここに来てから話し合われたと言うが、阪神と江川投手が契約する前に小林投手は羽田空港から
連れ出されてホテルで説得を受けている。前後関係がおかしくないか?
長谷川 … 小津社長が急に上京して鈴木会長に会うというニュースを聞いて、1月31日がコミッショナーの要望の期限日でもあり
情勢の変化を直感し、交渉が始まれば小林君に白羽の矢が当たるのではないかと考えた
記 者 … 代表はいつからそんな "超能力" を身に付けたのか?
長谷川 … お答えできません(苦笑)
記 者 … 阪神はこれまでずっと "筋を通す" "ルールは守る" と言ってきたが?
小 津 … 人間は顔・形が違うように色々の解釈が出来るという事だ
2人の会見終了後、同じ巨人球団事務所で小林投手が会見に臨みました。
阪神へ行きます。僕は巨人が好き、阪神も好き、そして野球が大好きだ。嫌だが阪神へ行くのではない、阪神に強く要望されて
行くのだから、キッパリと割り切ってチカラいっぱいやるつもりだ。皆さん、僕がかわいそうだとか同情してくれるかもしれませんが
僕は同情なんかされたくない。江川君の犠牲で阪神へ行くのではないのだから。阪神へ行ってからの僕の仕事ぶりを見てほしい。
江川君はこれからが大変だろうが、巨人軍の一員として頑張ってほしい。6年間 お世話になりました、ありがとうございました。
当時の巨人は王・張本・柳田選手など打線の中心は左打者でした。なので対戦する事を考えて左腕の
新浦投手ではなく右サイドスローの小林投手を交換相手に決めたそうです。この年は小林投手に全敗
したせいで小林を放出したのが間違いと思われがちですが2年目以降の対小林の結果だけを見れば
正しかったと言えます。ただし、多くのファンは失いましたが・・・

