前々週号の段階では現役続行するとし「来季に選手生命を賭ける」との記事を掲載してました
10月上旬に王は長嶋監督に「来年やれる自信は五分五分です」と心境を吐露していたので長嶋監督続投が決まった段階では
長嶋はもう1年務めるが王は引退する可能性が強い、と言われていたのだ。だが事態は一転、21日に長嶋監督辞任のコメントを
聞きに来た記者に対して「もちろん現役を続けますよ。僕にとっても来年は勝負の年になるんですから」と引退を明確に否定した
のだが翌22日のスポーツ紙には「王進退微妙」と出た。しかも それが報知新聞だったので王の身辺は再び騒がしくなったのだ。
これにはさすがの王も苦笑まじりに「なぜ僕の談話を素直に受け取ってくれないのかなぁ。改めて言いますが、今は100%来季も
現役でやると宣言します」と念を押した。巷間ウワサされている助監督兼任については 「藤田さんから相談を受けた事はある、
21日にね。だけど正式な助監督ではなく『助監督的』なポジションだよ」と あくまでも軸足は「選手」である事を強調していた。
(11月10日号)
ここまでハッキリと否定されると「引退」と書けないでしょうね。報知が「微妙」と書いたのは
情報は得たものの球団からストップが出されたんでしょう。引退記事のスクープを各社とも
狙っていましたが結局、本人の会見までスッパ抜いた新聞社はありませんでした。
・・・王が引退するなら知っている親しい人間は必ずいる筈と人海作戦で、とりあえず電話しまくっていた。そこへA記者から
連絡が入る。Aは日ハム担当で日ハムの球団事務所が王の自宅近くだった為に行かされていたのだ「奥さんしか居ません」
「そんな事は分かっているワ」「でも奥さんが変な事を言うんですよ、何も言えないって。これって辞めるという事ですよね?」
系列テレビ局の文化部デスクに確認するが「まだ特番の連絡は無い。本当に引退するのか?」との事。巨人球団事務所に
張っている記者から「芝の東京グランドホテルに予約が入ったとの情報が有ります。確認して下さい」 すぐにホテルに確認を
取ると「5時から『桜の間』を予約されています。今朝9時半に巨人軍の紺野広報担当様からの予約です」・・・ これで引退は
決まりだ。これが午後2時半過ぎの事。引退は決まりだが長嶋に続いて王も退団するのでは?との情報が乱れ飛んで社内は
大混乱になった。午後3時、長谷川代表が慌てて球団事務所から出て行き 「やはり王は退団するらしい。オーナーと代表が
説得に向かった」と連絡が入る。午後3時15分、正式に巨人軍からマスコミに連絡 「午後5時から王選手が記者会見する。
出席者は、王・オーナー・代表・藤田監督」 ただ退団か助監督就任かどうかは未確認・・・
結局、各マスコミが大混乱の中「口はばったい様だが、王貞治としてのバッティングが
出来なくなった・・」として引退を発表した。退団はせず助監督に就任する事になったが
実は前々から引退後の退団は球団も了承していたらしい。ただ長嶋に続いて王にまで
退団されては球団の存亡にかかわると説得されて渋々助監督就任を受けたようです。