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■追悼 松樹路人展 ―2020年2月6~8日は13カ所(7)

2020年02月18日 09時40分39秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
(承前)

 正面から入って左側の展示室で開かれている「近美コレクション展」は、今回は「友田コレクション」「追悼 松樹路人展」「瀬川嘉子展」の3本立てで、これに、展示室出口附近の「この1点を見てほしい」が加わる。
 筆者は今回、「ヴンダーカンマー」に時間がかかりすぎて、2階の瀬川嘉子展と「この1点―」は、ゆっくり見る時間がなかった。

 簡単な略歴などは、
画家・松樹路人さんが亡くなっていた(2018)
の記事に書いたので、ここでは繰り返さない。留萌管内羽幌町に1927年(昭和2年)生まれ、オホーツク地方の女満別町(現大空町)や留辺蘂町(現北見市留辺蘂)などを経て、41年に上京。東京美術学校を卒業し、独立美術で活躍した。
 2017年歿。

 油彩15点と素描2点で、初期から晩年までを振り返る展示だったが、最後にあった、この「描き続ける」(2010)は初めて見た。
 背中が曲がりながらも画架に向かう自画像。
 真摯な姿勢が、感動を誘う。


 ただ、団体公募展に所属した、北海道ゆかりの「大物画家」について、道立近代美術館が追悼する展覧会を企画するのは、これが最後ではないかという予感も筆者にはある。
 「絵画が絵画であり、アートであること」の自明性を疑わずに済んだ時代はもう過去のものになっているからだ。
 絶対に最後かどうかは分からないが、しばらくは、「死去を機にした回顧展」というものが開かれることはないような気がする。

 抽象画やミニマルアートなどが20世紀半ば以降の絵画の世界で覇権を握った時代、それでも具象画にとどまり続けようとした画家たちに残された選択肢(持ちネタ)はいくつかあったが、その一つが中世絵画への回帰だったように思う。
 その意味では、松樹路人も、有吉利夫の(広い意味での)仲間であったということができるかもしれない。


前期(2019年11月19日~’20年1月19日)、後期(1月21日~3月15日)
午前9時半~午後5時。月曜日(1月13日、2月24日をのぞく)、年末年始(12月29日~1月3日)、1月14日(火)、2月25日(火)休み
道立近代美術館(札幌市中央区北1西17)


関連記事へのリンク
画家・松樹路人さんが亡くなっていた(2018)
コレクション・ギャラリー 北の風景 (2013~14、帯広)
北見芸術文化ホールの緞帳
美幌博物館へ行ってきた (2009、画像なし)


・中央バス、ジェイアール北海道バス「道立近代美術館」から約150~200メートル、徒歩2~3分
(札幌駅前、北1条西4丁目から、手稲、小樽方面行きの全便が止まります。高速おたる号など都市間高速バスも停車し、SAPICA使用可。本数も多く、おすすめ)

・地下鉄東西線「西18丁目駅」4番出口から約340メートル、徒歩5分

・市電「西15丁目」電停から約830メートル、徒歩11分

・ジェイアール北海道バス「桑11 桑園円山線」(桑園駅―円山公園駅―啓明ターミナル)の「大通西15丁目」から約440メートル、徒歩6分
・ジェイアール北海道バス「54 北5条線」(札幌駅前―西28丁目駅)「58 北5条線」(札幌駅前―琴似営業所)の「北5条西17丁目」から約520メートル、徒歩7分



※駐車場は北1西15の「ビッグシャイン北1条」です




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