貸し画廊であるさいとうギャラリーが年2度開いている、恒例の企画展。
特徴はもう20年以上、まったく変わっていません。
・会期は毎年暮れから正月にかけてで、年末の3日間と元日は休み、2日から日曜日まで再び開催
・作者名の五十音順に排列
・壁に掛けられる小品展
・絵画・版画が中心で、工芸、彫刻もある。壁掛けというスタイルのためか陶芸は少ない。ふだんから利用のほとんどない書道、写真の出品はほ . . . 本文を読む
札幌を拠点とする小磯さんのユニット「ReguRegu」は、毎年暮れにギャラリー犬養で個展を開いています。
フェルトや毛皮で作った巨大なぬいぐるみによる展示で、既発表のものに加え、新作が少しずつ加わっています。
ReguRegu の世界の特徴は、物語性豊かな世界観が背景にあることです。
以前の展示では、テレビ放送がすぐに打ち切られた幻の人形劇という設定で人形を展示し、関連資料の主題歌のレコ . . . 本文を読む
北武記念絵画館が1996年開館して以来、おそらく初めて写真をメインに据えた展覧会。
社会問題にかかわる内容(というか、題材が東北沿岸なので、どうしてもそうなってしまう)も同館としては異例のことです。
当初は12月22日までの予定でしたが、事情により会期末が2日繰り上がっています。
「海町」は、街角の写真などで知られる尾仲浩二(1960年、福岡県直方市生まれ)が、1991~93年に東北の . . . 本文を読む
(承前)
所蔵品展だし、と思って甘くみていたのを反省します。
感動しました。
釧路まで行ったかいがありました。
41点のうち5点だけが道立近代美術館の所蔵品で、この5点が全体の構成上でとても効いています。
自然と人間のかかわりを描いた絵画、彫刻、写真が並んでいます。
作品そのものが良かったのはもちろんなのですが、すでに見たことのある作品も多いわけで、どうしてそんなに感銘を受けたの . . . 本文を読む
難しそうな題がついていますが、うつ病・アルコール依存症を患っているMさん(本人が名前をおおっぴらにしていないのでこのように表記します)が、病気のことを少しでもわかってほしいと、工作という手段で表現している作品二十数点の展示です。
本人は、アートや美術という語を使っていません。
もちろん、何がアートなのかを決めるのは本人の申告とは限りません。
Mさんは、おなじような境遇で絵 . . . 本文を読む
(承前)
阿寒湖ギャラリー(釧路市阿寒町阿寒湖温泉4)も、1階は、以前からの展示作品と、アイヌアートウィークに参加している現代アーティストの作品とが混在していました。
新しい建物で、大きな窓から阿寒湖が見えます。
山口みいな + 木下真紀「trail of correspondens (文通ドローイングの軌跡)」
卓上に広げられた大きな紙に書かれた線などのドローイングや、写真ア . . . 本文を読む
(承前)
阿寒アイヌアートウィーク(2024年11月23日~12月15日)の、残りの会場についても簡単にふれておきます。
以前書いたように筆者は阿寒湖温泉を訪れるのは初めてなので、ピント外れなことを記すかもしれませんが。
また、各会場の営業時間などについては、公式サイトをご覧ください。
「吉田屋」は温泉街のなかでも大きな土産物店で、建物は半世紀ほど経過していると思われます。
1階は . . . 本文を読む
(承前)
阿寒アイヌアートウィークのサイトから引用します。
阿寒アイヌアートウィークは、阿寒湖の大自然を舞台にアイヌ工芸と多様な背景を持つ現代アートが混じり合う約3週間。先祖やカムイへの敬意を表す木彫や刺繍、古式舞踊といったアイヌの伝統と進化を広く紹介するとともに、アイヌコタンの豊かな日常に触発されて滞在制作を行った多彩なアーティストたちの新作を披露します。また、会期中は体験ツアー、舞台芸術 . . . 本文を読む
小川 真由美:油彩
久藤 エリコ:切り絵
孫田 敏:写真
楓月まなみ:造形アート
森吉芽衣:パッチワークキルト
という、珍しい顔合わせによる5人展。
特徴的なことが二つあります。
・個々の作品の題が一切ないこと
・5人それぞれの作品が順番に陳列されているのでは必ずしもなく、2人の作がまじりあうように展示されていること
違う人の作品が重なって見えることで「化学反応が起きておもしろい空間が . . . 本文を読む
(承前)
野外美術展を紹介する3回シリーズの最終回。
作者によって画像の枚数が異なりますが、深い意味はないのでご容赦ください。
冒頭と次の2枚の画像は、中村修一「species」。
キシモトユキオ「月旅行」
これらの作品の一部は改造されて「つきめぐる」展にも出品されました。
上嶋秀俊「水のきおく」
第2回 朝里川 桜咲く現代アート展 (2022)のときと同じ方 . . . 本文を読む
レタラ・スペースの企画で「北海道のアーティスト50人展」の一環。
十勝の作家のうち、帯広コンテンポラリーアートをけん引してきた5人は「北海道のアーティスト50人展」など札幌でもおなじみですが、その下の世代も紹介してみようということで、上記5人衆のうちの鈴木隆さんに人選で協力を仰ぎ、はじめての開催となりました。
出品者は次のとおりです。
赤間裕史(書、音更)
臼井愛子(写真、帯広)
. . . 本文を読む
江別の長畑ふみ子さんがデザインした案内はがきだったので、なぜ小樽で? と思ったのですが、長畑さんの教室展ではなくグループ展のようです。絵画と工芸あわせて8人が出品しています。
小樽の道展会員、末永正子さんが「season」と題した絵を4点、「one day」2点、題の記載のない絵を1点の計7点も出していました。
旧作だと思うのですが、「season」の1点は、列車の車窓風景や窓にたれ落ち . . . 本文を読む
いま札幌で最も精力的に制作・発表を続けている画家のひとり河口真由美さん。コンチネンタルギャラリーでの個展は3年連続となりました。
そのほか、今年だけでも春に、南区が札幌芸術の森工芸館で開いた「南へモンパルナス」で大作を発表する一方で、素材としての写真拡張展 ~写真か?vol.4~でもインスタレーション作品を発表。さらに7月には西区のカフェ北都館ギャラリーに小品を並べ、9月には南区のカフェで個展 . . . 本文を読む
最近、展覧会が終わったあとでの紹介ばかりになってしまい、申し訳ありません。
北大植物園の近く、北5条通りの北側の中通りに面したビルの2階に、こんな心地良い空間が広がっていたとはおどろきでした。
家具やユニークな木工のキシモトユキオさんと、モビールなどの造形を矢継ぎ早に発表しているjobin. (じょびん)さんの2人展。2人とゲストの作品が会場のあちこちに散在して、ゆっくりと回遊できるようにな . . . 本文を読む
伊藤若冲の「動植綵絵」の道内初公開が話題になった展覧会。
ただ「動植綵絵」は全30編のうち展示されたのは2編だけ。
『奇想の系譜』で知られ若冲再評価の立役者となった日本美術史の泰斗、辻惟雄氏は、2026年に三の丸尚蔵館が全面リニューアルオープンするあかつきには、「動植綵絵」全編公開が展覧会の目玉になるだろうと大胆に予測していますので、この絵に興味がある人は、そのときを狙ったほうが良いかもしれ . . . 本文を読む