(承前。16はこちら)
竹橋の東京国立近代美術館に来るたびに、時間配分に失敗したという実感を抱きます。
特別展を目当てに来るわけですが、その観覧券で帰りに見られる所蔵品展がきわめて充実していて結局時間切れになってしまうことがほとんどだからです。
金・土曜は午後8時まで開館しているので、それにあわせて日程を組み、5時半には館内に入ったのですが、それでも所蔵品展の途中で時間が足りなくなってし . . . 本文を読む
(承前)
そろそろ更新のペースをあげなくては…。
このコンペは「本の装画を自分のイメージで描く。」というのがテーマ。
ギャラリーのサイトによると、審査員は次の4組。
・アルビレオ (西村真紀子・草苅睦子 / 装丁家・グラフィックデザイナー)
・川名 潤 (装丁家/エディトリアルデザイナー)
・守先 正 (ブックデザイナー)
・大矢麻哉子 (ギャラリーハウスMAYA主宰)
審査員とギ . . . 本文を読む
(承前)
まずは、公式サイトから引用します。
The Vision of Contemporary Artの頭文字をとってVOCA(ヴォーカ)展と呼ばれる本展は、全国の美術館学芸員、研究者などに40歳以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方法により、毎年全国各地から未知の優れた才能を紹介している現代美術展です。
筆者は2013年にも見ていますが、なぜかまっ . . . 本文を読む
(承前。4月8日に会期終了日を追記しました)
このままでは、せっかくの2泊3日なのに初日に足を運んだギャラリーがゼロになってしまう。それは避けたい…。
ということで、遅めの夜8時まであいている「マーチエキュート神田万世橋」の JAPAN ART BRIDGE に行くべく、電車を秋葉原で降りました。
今回リストアップしていた会場は大半が7時までに閉まっているのです。
佐藤直樹さんは . . . 本文を読む
出張でした。
新型コロナウイルスの感染拡大で遠出ができない状態が続いていたので、飛行機に乗ったり、北海道の外に出たりということが、実に2019年秋の旅(リボーンフェスティバルやあいちトリエンナーレなど)以来、ということになります。
半日の会議のために片道5、6時間かけて行きました。
非合理的だと批判しているのではありません。
そういうところが、むしろなんだかうれしかったりするのです。 . . . 本文を読む
(承前)
岡本光博展の会場のビルはエレベーターがない。
汗だくになって階段で5階まで上る。
しかし、5階に着いてから気がついたのだが、個展は金・土・日曜しか開催していないのだった。
暗闇の中に、岡本さんが、事故現場などに張られることの多い黄色と黒のロープで編み上げた、俗称「トラロープ」が浮かび上がるのが見える。
やれやれ。
ガッカリしていたら、たまたま会場の人が通りがかって、 . . . 本文を読む
(承前)
ところで、森美術館に塩田千春展を見に来た人に強く言っておきたかったことがある。
プラス35分ほど、よけいに時間をみておくように
ということである。
塩田展の出口を出た後、さらに
「NAMコレクション」
「NAMスクリーン」
「NAMリサーチ」
という三つの展示があり、「スクリーン」では高田冬彦の映像作品が上映され、「リサーチ」では走泥社(現代日本の陶芸の歴史を大きく塗り替えた . . . 本文を読む
(承前)
このインスタレーション「集積―目的地を求めて」も好きなんだよなあ。
ベルリンという、世界からアーティストが集まる大都市を拠点としながら、世界中をまわって発表や制作を続けるこの作家らしい視点。
移動。旅。
あるいは難民。
国境の変更。
流亡。
アイデンティティ(の喪失)…。
そういった、グローバリゼーションの時代に特徴的な要素が、センチメンタルな描写ではなく、スト . . . 本文を読む
(承前)
いまさら筆者が書かなくても、容易には言葉にしづらいタイプの感動を、すでにたくさんの人が得ていることだろう。
圧巻だった。
これほどまでに体を張って自らの「生」に向き合っている美術作家がどれぐらいいるだろうかと思った。
1) 床を見よ
冒頭画像と次の画像は「不確かな旅」。
この膨大な赤い糸を張り巡らせたインスタレーションの画像は、フライヤーなどで見た人も多いだろう。
. . . 本文を読む
(承前)
2月15日以来、約4週間ぶりに「東京'18(イ)」の項の続き。
図録を熟読して仏像などについてくわしく記すつもりでいたが、そんなことをしようとすると、例によっていつまでたっても先に進まないので、とりあえず概略のみ。
筆者は北海道に住んでいることもあって、国宝や重要文化財を鑑賞する機会は、それほど多くない。
上京した折に展覧会などに足を運び、何点か目にする―というのが一般的な . . . 本文を読む
(承前)
道内ではあまり見る機会がないが、近年世界的に現代アートの手法として広く普及しているものに
「リサーチ型」
がある。
筆者はこのタイプの展覧会を見るといつも、夏・冬休みの自由研究を思い出す。決してばかにしているのではなく、写真や映像、パネルを使って特定の問題を調べ、現地に足を運び、人に話を聞いていくそのプロセスが、自由研究に似ていると思うのだ。
子どもの自由研究が、本や(近年はイン . . . 本文を読む
(承前)
いちばん見たかった個展の会場を、満足しつつ後にして、東麻布の街中を抜ける。
どこかで目にしたことのある店が何軒かあるなあ―と思っていたら、どうやら「アド街ック天国」で流れていたようだ。
全国的な名所ならいざ知らず、非常にローカルな店などが全国に流れてそれを自分が知っているのもなんだかおかしな気がする。あの番組でとりあげるのは東京がほとんどなので、景勝地などがほとんどないのも、道 . . . 本文を読む
(承前)
川田喜久治さんは1933年(昭和8年)生まれの写真家。
エージェンシーVIVOを、奈良原一高、東松照明、細江英公氏らとともに発足させた(1959~61)、日本の戦後写真界を代表する一人である。
第12回東川賞を受賞している。
筆者は2009年、今回足を運んだPGIのギャラリーがまだ湾岸の芝浦にあったころに彼の個展を見て、驚嘆した。なので、今回の上京にあたって、いちばんはじめに見 . . . 本文を読む
(承前)
用事で神田小川町近辺に行ったあと、また少し時間ができた。
せっかくなので、ツイッターでときどき会話している「Shirosan001」さんからおすすめされていた、古書会館での「浮かび上がる検閲の実態」展をのぞいてみることにした。
美術展ではないが、冒頭画像にあるような美術関連書も展示されていた。
筆者は以前『検閲と文学 1920年代の攻防』を読んだことがあり、この分野の基礎 . . . 本文を読む
(承前)
六本木でもう2カ所、Shugo Arts(シュウゴアーツ)と小山登美夫ギャラリーに立ち寄った。いずれも、おなじ「complex666」ビルの中にあり、前項で立ち寄った「ピラミドビル」や、地下鉄の六本木駅に近い。
なかなかしゃれた建物だが、先のWAKO WORKS OF ART といい、このビルといい、若いアート好きが引きも切らず訪れているので、それほど気後れすることなく入ることがで . . . 本文を読む