(承前)
スカイホール全室を用い、毎年開かれている書展。
おそらく、この会場で開いているうちで、仕切りの移動壁を最も有効に活用している展覧会ではないかと思います。
いちばん手前が、方舟会(大久保北叟、佐藤仙翠、富樫草臥、中村六處、山田聳宇、山田倘羊の6氏)。
次の空間が大澤千仭書展。
そのとなりが3人展で、いちばん奥が、山田聳宇さんが指導する風心会という、おおむね4部構成になってい . . . 本文を読む
今年の北海道書道展で、記録に残しておかなくてはならないことは、今回から「会員・公募展」と「招待・会友展」という、二つの期間に分けて開催するようになったことです。
昨年までは、「北の書作家」という副題を持つ「会員・招待展」と、一般の公募作品の展示を、時期をずらして札幌市民ギャラリーで行い、会友展は、札幌パークホテルの地下で開いていました。
つまり、三つの展示を順々に開催していたのです。
以前 . . . 本文を読む
市民ギャラリー(第43回北海道創玄展 併催・第60回記念創玄展北海道二科展)
創玄書道会は、詩文書の提唱者として名高い金子鷗亭さん(現在の渡島管内松前町出身)が創始した書の団体で、その北海道展。
道内で最も人数が多い書の団体の一つで、ギャラリー全館を使用しています。
詩文書、漢字、かなと、バラエティーに富んでいます。
受付で目録をもらえるのですが、名前だけで、字釈がありません。会場に . . . 本文を読む
コロナ禍による中止、会場の改修でスカイホール(大丸藤井)での開催を経て、久しぶりに札幌市民ギャラリーでの開催となりました。
北海道書道教育連盟と北海道新聞社の主催。
全道の小中高生から寄せられた5095点の中から特別賞と推薦賞、特選に輝いた652点が、びっしりと並べられています。
小中学生は「お習字」という感じですが、高校生は臨書、創作ともなかなか見応えがあります。
とくに詩文書は若々 . . . 本文を読む
(承前)
もう2週間近くがたってしまったので、駆け足で概略のみ。
ほんとうは、あちこちで見た書道展についてまとめて触れたいのですが…。
この後、SCARTS に寄り、「グルッペ空」展を見ました。
かつての大洋展北海道支部展などさまざまなメンバーが絵画を中心に出品していました。
ふたたび東西線に乗って、西11丁目駅で下車。
市資料館で第38回グループ「游」書展。
臨書も創作も . . . 本文を読む
(承前)
新型コロナウイルス禍のあおりで、3年ぶりの開催。
しかも、通常は札幌市民ギャラリーが会場だが、いまは改修工事中のため、スカイホールに会場を移して開かれた。
小中高校生の書道ということで、筆者は初めて見て、自分の不明を恥じた。
小学生はともかく、高校生はすごい。絵画や演劇と同じように、若い人でなければなしえない表現がここにある。
経験の不足を補って余りある情感にあふれているのだ . . . 本文を読む
北海道新聞が10月3日夕に速報しました( https://www.hokkaido-np.co.jp/article/739960/?rct=n_major )。以下、引用します。
海外でも活躍した書家の小川東洲(おがわ・とうしゅう、本名昭三=しょうぞう)さんが9月26日朝、肺炎のため東京都内の自宅で死去した。94歳。深川市出身。葬儀・告別式は近親者のみで行った。(中略)
旧制滝川中 . . . 本文を読む
(承前)
カフェ北都館ギャラリーでしょうが焼き定食を食べて、地下鉄東西線で琴似→西28丁目。
ギャラリーレタラで會田千夏展を見て、東西線円山公園駅から大通へ。
ここで、ちょっとした仕事のために出社。
その後、さいとうギャラリー、ギャラリー大通美術館と立ち寄り、富士フイルムフォトサロン札幌で北の写真家集団 DANNP 写真展『北の貌』。
「DANNP」はネイチャーフォトの王道ともいえ . . . 本文を読む
これまで道内で開かれた、かな書の展覧会ではおそらく最大規模ではないでしょうか。
札幌拠点で「わか葉会」を主宰し、現役のかな書家では道内を代表するひとりといえる阿部和加子さん(読売書法会会員、北海道書道展理事長)が、松本春子の次に師事した神戸の書家山口南艸やまぐちなんそうの作品約50点に加え、南艸が創設した草心会の幹部役員8人の特別出品、それに「わか葉会」「草心会北海道支部」の133人が出品して . . . 本文を読む
今年も4月に、書の一分野である「墨象ぼくしょう」の2団体が展覧会を開いている。
両団体は、開催時期がずれていたが、2011年ごろから札幌市民ギャラリーで同じ会期の開催となっている。
「読めない」という理由で書展会場に足を運ぶのに二の足を踏む人も多そうですが、墨象は、造形性だけで、つまり絵画のように鑑賞しても十分に楽しめる。
もちろん書家は、力任せに大きな筆を動かしているのではなく、漢字な . . . 本文を読む
毎日新聞の1月18日朝刊「書の世界」に、短いながら、国際現代書道展の紹介が載っていた。
記念展ということもあるのだろうが、遠く北海道の書展にも目配りを怠らない同紙の書道担当者には頭が下がる。
「書の世界」には、主宰者である小原道城さんの作品の写真も、小さく掲載されている。
「万樹寒無色 南枝独有花 香聞流水処 影落野人家」
明代の詩を行書で書いており、じつに自在な境地の運筆である。
. . . 本文を読む
道内の高校で書を教える先生とOBによる展覧会で、毎年この時期に開かれている。
新年らしい気持ちにさせてくれると同時に、北海道書道展や毎日書道展ほど大規模でなく、社中展でもなく、バラエティーに富んだ作品が集まっているので
「ちょっと書を鑑賞したい」
という人にはうってつけだと思う。
宇野雉洞「心事一杯中」の前で目がとまる。
書いた人とこちらの呼吸が合ったような気がしたのである。
行書で、 . . . 本文を読む
須田廣充さんは1950年浜益村(現石狩市浜益区)生まれ、江別在住の書家。
北海道書道展の会員、グループ「游」のメンバーで、近年は、アメリカインディアンの言葉を題材にした個展を開くなど旺盛な活動をみせています。これで2年連続の個展となり、道内の書家としては珍しいと思います。
今回は北米先住民族からうってかわって、詩人で美術評論家の柴橋伴夫さんが書いて出版した評伝『風の王 砂澤ビッキの世界』が . . . 本文を読む
道立の美術館は貸し館を行っており、たまに書の社中展が開かれることがある。たいてい期間は短い。
「さわらび会」は、道内を代表するかな書家の松本春子(1900~89年)が1936年(昭和11年)に設立した。
今回は、三女の松本暎子さんが同会を引き継いで30年になるのを記念して開かれた。
(※2024年、暎子さんの文字が誤っていたので訂正しました。申し訳ございませ。おわび申し上げます)
単な . . . 本文を読む
これは完全な言い訳なのだが、札幌市民ギャラリーは、大型の団体公募展があるとき以外、足を運ぶのをつい忘れてしまうことがある。
筆者は、この「第37回(景象展改め)北海道書人展」を見て、これまで一度もこの書展に足を運んだことがないのに気づいた。そして、大いに反省した。
この書展は、筆者のような素人にも、大いに見る価値のある展覧会なのだ。主宰の小川東洲さんとその門下生の作品もさることながら、招待作 . . . 本文を読む