(承前)
さて、ようやく今度の函館日帰り旅行のメイン目的です。
もたもたしているうちに会期が終わってしまい、申し訳ありません。
赤光社(しゃっこうしゃ)は、函館など道南に基盤を置く美術団体公募展で、現存する公募展では北海道で最も古い歴史を誇ります。
筆者は20年ぶりに見ました。
1. 回数と歴史
2. 過去の会員
3. 百周年展
1.回数と歴史
いきなり些末な話ですみません。 . . . 本文を読む
(承前)
前項で、白日会展の道内関係者から出品された作品を大量にアップしましたが、この団体公募展の本展を見たのは初めてなので、思ったことを少し書いてみます。
まず、冒頭画像の右端は中山忠彦会長の作品です。
道展、全道展、新道展などには「会長」職はなく、事務局長がいるだけなので、そこからして新鮮です。
しかも、会長自ら「創立百周年記念賞」と「伊藤清永賞」を受賞しています。
ちなみに伊 . . . 本文を読む
(承前。末尾に訂正があります)
冒頭画像は、昨年の第99回で「春光輝(湧別川)」 が最高賞の白日会賞に輝いた伊藤英二さん(オホーツク管内湧別町)の水彩「歳晩の飛沫」。
水彩は額にガラスが入っているので、映り込みがあることをご了承ください。
白日会は、日展系の団体公募展の一つ。
写実の人物、風景、静物画がほとんどを占めています。
この日午前に見た独立展の春季新人選抜展と春季 . . . 本文を読む
(承前)
毎年秋に新国立美術館で開かれている二紀展も、独立展と同様に、道内からの出品が多い有力団体公募展です。
春季二紀展は、新人・若手による中ぐらいのサイズの作品が並ぶ独立春季新人選抜展と異なり、準会員や一般は100号クラスを出している人も多いです。見応えがあるのはいいのですが、年2回も大作を出さねばならない人たちは、これはこれで大変だろうなあと感じます。これでも以前よりは、小さめでもオ . . . 本文を読む
(承前)
道内勢が隣同士で陳列されているところもありました。
冒頭画像の右は桔梗智恵美さん「寿歌」」。
背景にはタウシュベツ川の鉄橋跡らしきものなど、さまざまな風景が描かれています。
そのとなりは深澤見弥さん「隅像【N】―百寳蓮華」。
「隅像」は原文ママです。
佐々木祥子さん「孤独の限界・祈り」。
下は太田れいこさん「filament」。
上は佐藤かずえさん「 . . . 本文を読む
(承前)
東京都美術館では、北海道からも多くの人が出品している二つの展覧会を見ました。
いずれも入場無料でした。
まず、独立展の春季新人選抜展。画像が多いので、2本に分けて紹介します。
入り口で2色刷りの出品目録がもらえました。
会場はこんな様子です。
手前は佐々木ゆかさん「persona -DOLL-」
S60、F50の絵画がほとんどで、2段掛けです。
200号が並ぶ秋 . . . 本文を読む
北海道新聞社と北海道写真協会(道写協)の共催で毎年開かれている、道内では最も大きな規模と長い歴史を誇る写真の公募展。
これまで、筆者が知る限りでは、札幌市写真ライブラリー、富士フイルムフォトサロン、道新ぎゃらりー&道新DO-BOXなど会場が移っており、2020年にDO-BOXが閉鎖した後、市民ギャラリーに移ってきたようです。
会場が広くなり、これまで別日程で開くこともあった写真道展と学生写真 . . . 本文を読む
工芸部門だけからなる団体公募展としては道内唯一の「美工展」(北海道美術工芸協会主催)を、3年ぶりに見ました(道展、全道展には、彫刻などと並んで工芸部門があります)。
知り合いだった出品者が減り、ちょっとさびしい思いが募ります。
今回、一般出品は10点のみ。最高賞の「協会賞」の該当者はありませんでした。
会員26点、会友7点ですから、もう少し新顔の応募が増えないと、いっそうの先細りが懸念され . . . 本文を読む
オホーツク美術協会と北海道新聞北見支社が主催する団体公募展。
絵画、彫刻、工芸の3部門があり、会員―会友―一般という3段階は、道展、全道展、新道展といった他の団体公募展と同様である。
このうち、彫刻は会員が小川研さんただ1人という状態が続いているが、今年は一般入選が1人いた。
工芸は陶芸を中心に会員が11人、会友3人がいる。一般は5人にとどまった。
一番多いのは絵画で会員37人、会友5人 . . . 本文を読む
昨年は胆振東部地震に伴う停電で、会期後半の4日間が開催できなかった新道展だった。
市民ギャラリーはとくに被害もなく、あまりに不憫だったので、昨年は大々的にブログで紹介したが、さすがに今年は何もなかったようなので、さらっといこう。
冒頭画像、左手前は、今年の協会賞(最高賞)に輝いた楓月まなみ「流天」。
アクリルと墨による370×145センチの大作である。
楓月さんは一昨年、昨年も佳作賞を . . . 本文を読む
(カメラ不調のため、スマートフォンで撮影しています。いつにも増して写真の出来が悪いですが、なにとぞご容赦ください。また、アップが会期中に間に合わず、すみません)
北海道美術工芸協会が主催する「美工展」は、年1度開かれ、工芸部門だけの団体公募展としては道内唯一です。
道展、全道展、道美展には工芸部門がありますが、もちろん絵画など他の部門もあります。
美工展は、組紐や和紙絵といった、他の団体公 . . . 本文を読む
北海道水彩画会(道彩会)は、毎年秋に公募展の「道彩展」を札幌市民ギャラリーで、2月には会員・会友展をギャラリー大通美術館で(以前は札幌時計台ギャラリーで)、それぞれ開いている。
会場に創立会員の小堀清純さん(札幌)がおられたので、写真撮影の許諾を得ることができた。ずっと前から見てきたが、ブログに画像を貼るのは今回が初めて。それがうれしい。
道彩会は、写実的な水彩画が少なく、フォーブ的な . . . 本文を読む
北海道水彩画会が主催する団体公募展。
会員56点、会友17点、一般57点の計130点が展示された。搬入数は計207点。
日本水彩画会や水彩連盟とはいささか画風の傾向が違い、表現主義的というか、激しいストロークや大まかなタッチの人物画や静物画が多かったが、近年は写実的な絵も増えてきて、以前よりも多彩になってきている。
とはいえ、通りいっぺんの写実的な風景画は、入選はしても、入賞とまではいか . . . 本文を読む
(承前)
新道展の紹介も「その3」で、いちおう最後。
他の団体公募展と比べても、大幅にバランスを欠いた分量になってしまっているが、地震で会期打ち切りの悲劇に遭っていることをかんがみ、読者諸賢にあってはご諒解を願いたい。
さて、冒頭と2枚目の画像は、ユニット「故郷 IIこきょうセカンド」による「マネキン回転箱ーモノとしての私、ヒトとしての貴方」。
佳作賞を受賞。
直方体の4面に女性の全 . . . 本文を読む
(承前)
更新の間隔があいてしまったが、新道展の続き。
(その1)に、協会賞に輝いた林正重さんの絵について少しだけ追記した。
第2室以降の紹介に移る。
冒頭画像、左は、後藤和司(札幌)「軌跡 '18-III」。
格子形、といっても、幾何学的なものではなく、ラフに引かれた線の内側を、濃淡ある灰色やモスグリーン、レモンイエローなどが埋めている。灰色の部分がかなりを占めるので、全体の印象 . . . 本文を読む