本来ならば「2024年9月1日に訪れたギャラリーは9カ所」の記事中に書くべき話題ですが、規模の大きいインスタレーションだったので、とりあえず別項目を立てました。
公式サイト(
https://meinichi2024.my.canva.site/ )からコピペします。
植物の「命」に向き合い続ける
植物作家 松井 香菜子。
子どもという「命」と共に学び合い、
芸術家でもありながら教 . . . 本文を読む
(承前)
エミール・クストリッツァ監督のカンヌ映画祭グランプリ作みたいな題名を記事につけてしまいましたが、いま(2024年7月)JR札幌駅構内に行くと、「出張中です」の表示が本当にあります。
2014年に設置され、木彫家・藤戸竹喜の知名度を一気に高めた「ウレシバモシリ北海道イランカラㇷ゚テ」(ㇷ゚は小さいプ)の像が、胆振管内白老町の国立アイヌ民族博物館で始まった「藤戸竹喜の世界展」の、 . . . 本文を読む
(承前)
1947年生まれで、鉄による大型野外彫刻が道内各地にあることで知られる札幌拠点の彫刻家、國松明日香さんの個展が、胆振管内白老町にことしオープンした brew gallery で開かれています。
94年以降の彫刻作品17点と、ガッシュなどによる平面の小品10点が展示されています。
國松明日香さんは東京藝大を卒業、同大美術研究科彫刻専門課程を修了。20代の頃には版画にも取り組み、第 . . . 本文を読む
針金によるモビールでインスタレーションをつくる札幌のJobin.(じょびん)さん。
昨年は10回以上の個展・グループ展をこなす精力的な活動ぶりでしたが、今年も、札幌市西区の音楽ホールのこけら落としや、銀座での個展など忙しいようです。
今回は喫茶「一粒の麦」による企画展で、同店など「御幸通り」に店を構える4店舗にJobin. さんの作品が展示されているそうです。
Jobin. さんの . . . 本文を読む
2010年からほぼ毎年個展を開き、新作の木彫を発表している北村哲朗さん。
登別市在住ですが、伊達市大滝の作業場で創作を続けています。
今回も、さまざまな樹種による大作や小品が並びました。
イタヤカエデの一本の木による「風のトルソ」。
まず、今どきこんな巨木があることにおどろきましたが、北村さんに話があったときは「このままだと薪になっちゃうよ」と言われたそうです。
木の中の空洞な . . . 本文を読む
プロフィルに
「かわいいモノしか作りません。」
と、一言だけしか書いていない札幌の木工作家キシモトユキオさんですが、決してラブリーな動物の置物などをこしらえているのではなくて、茶廊法邑にコンセプチュアルな立体を並べたり、ギャラリー犬養の中庭に巨大な鳥かご状の立体を据え付けたり、かなりいろいろな作品を作っているという印象が筆者にはあります。
ただ、今回はわかりやすい小品が中心かも。
「薄明光 . . . 本文を読む
さっぽろ雪まつりでは、大通公園2丁目会場が札幌国際芸術祭SIAF2024に割り当てられたことが話題になっていますが、芸術祭とは関係なく、6丁目会場に美術家・工芸家5人による雪像がつくられています。
市民小雪像や大雪像とは異なる、造形にすみずみまで意を用いた作品になっているので、アートクラスタはぜひ足を運んでください。
6丁目の、野外ステージのすぐ前側に、ひとまとまりになって並んでいます。
. . . 本文を読む
針金や綿などを用いてモビールをつくるjobin.(じょびん)さん、毎年年末恒例の、ト・オン・カフェでの個展。
それにしても、数え間違っていたらごめんなさいですが、今年は個展8回を含む計12回という、ものすごい展示をこなしており
「今年いそがしかったで賞」
を差し上げたいくらいの活動ぶりでした(もうひとりの授与者は楓月まなみさんです)。
2023年12月12日(火 . . . 本文を読む
登別在住で、伊達市大滝の作業場へ通って制作を続けている北村哲朗さんは、いま間違いなく、道内で最も精力的に活動する彫刻家です。
この14年間、ほぼ毎年個展を開き、新作を発表している人はいません。
そもそも画家にくらべて彫刻家は人数が少ない上、搬入搬出に手間がかかります。その制作ぶりには、頭が下がります。
北村さんの木彫は、表面をつややかに仕上げることはなく、削り跡が残ります。着彩もしませ . . . 本文を読む
丸山恭子さん(道展会員、札幌)は、写実から少し離れた裸婦像を作ってきた彫刻家です。
会場でいちばん古い「ははは」(2018)には、次のような説明が付してありました(ルビは筆者がつけました)。
どうしても手放したくないもの
どんなに脅されようと、命に代えても守りたいもの
母性という言葉には、握りしめたその指先の
毛細血管まで滾たぎる血潮の熱さが籠こもっている
だが現実の社会では 人肌の温もり . . . 本文を読む
福井県生まれで、東京美術学校(戦後の東京藝大)を卒業した彫刻家(1878~1946)の、実に87年ぶりとなる展覧会とのこと。
田嶼碩朗 た じませきろうといってもピンとこない人もいそうですが、北大構内にあるウィリアム・クラークの胸像や、大通公園5丁目の「聖恩讃仰塔」=冒頭画像=の作者です(「聖恩碑」とも呼ばれ、「聖恩無窮」の4文字は、天皇 . . . 本文を読む
「誰にも言わないでね」
という秘密のひみつ
「誰にも言わないでね」
という噂のうわさ
女の子には
見えないルールがある
今もむかしも
ずっとずっと前から
☁︎決して美しいとは言えない、人間関係。
とどまることのない決まりごとが
あらゆる場所で形をかえて
存在している。
人形とも彫刻ともいいがたい、どこかにかすかな憂いを帯びた表情の女性像を作り、道内はもちろん台湾 . . . 本文を読む
仏僧であり、酒場の主人であり、女性彫刻家でもあるという経歴の持ち主による個展。
略歴を拝見すると何度も個展を開いており、道展にも入賞を重ねているようですが、筆者がちゃんと作品に向き合ったのは初めてのように思います。
テラコッタの首をインスタレーションふうに並べたり、石膏による人物像を置いたりと、バラエティー豊かな展示をしており、一般的な彫刻展に比べるとかなり楽しい印象を受けます。
そして . . . 本文を読む
吉田みなみさんは1993年札幌生まれ。
東京造形大で彫刻を学んで2016年に卒業。19年に後志管内蘭越町にアトリエを構え、子どもたちにアートを教えながら制作に取り組む彫刻家です。
リーフレットの「近年の主な活動歴」を見ると、高校生だった2009~10年と、卒業後の16年以降に、個展やグループ展で数多く発表しているのですが、お恥ずかしいことに筆者はあまり印象にありません。これは、彼女の作品に . . . 本文を読む
札幌の鉄の彫刻家、浅井憲一さんの個展の、閉幕ぎりぎりに飛び込みました。
冒頭画像は「春かける 向こう側の風影」。
鉄の棒を溶接して組み上げた実物大の馬です。
向こう側が透けて見えます。
右側に、作者に立ってもらったのは、作品の大きさが一目で分かるようにと考えたため。
よく会場に入ったなあと思わず感心してしまうほどの大きさで、迫力十分です。
「馬って、大きいですよね。以前、実物大の . . . 本文を読む