現代アートに腰を据えて取り組む作家が少ない札幌の地で、独自の作品を制作・発表し続け、道なき道を歩み続ける高橋喜代史さん。
札幌の中心商店街「狸小路」の5丁目にある「空き地」で9月1、2の2日間、プロジェクト「フリー・スイカ・バー」を展開しました。
「空き地」ってなんじゃい? と思った方もおられるでしょうが、ほんとうにそういう名前のついた期間限定のスペースがあるのです(画像は、南2条側 . . . 本文を読む
(承前)
現段階で「2024年夏の旅」シリーズは(1)~(5)と(7)(8)しかアップできていませんが、(14)を先に更新します。
この展覧会がきょう8月18日で終了するためです。
とはいえ、この記事を見て札幌などから釧路に駆けつける人は少ないでしょうが、行ける人は見てほしいと思います。
展覧会のタイトルだけを見ていると、100円ショップでも売っていそうな大小の丸く色とりどりのシールを . . . 本文を読む
(承前)
江別市で児童向けの絵画・美術教室を開いている毛内康二さん。
もちろん展覧会の主役は子どもたちなのですが、毛内もうないさんの作品が例年、会場の一角に並んでいます。
毛内さんの抽象絵画は、支持体が立体となり、表裏にかかわらず着彩がなされており、米国を代表する画家のひとりフランク・ステラの作品を思わせます。
道内でほかに、こんな作品を手掛けている人はほかにいません。
本来 . . . 本文を読む
(承前)
札幌の医師で陶芸にも取り組む福山桂子さんが深川では初となる個展を開いています。
会期は、広島、長崎の二つの原爆投下の日を含み、終戦記念日が最終日です。
実は筆者も今回初めてご本人にお会いするまで知らなかったのですが、福山さんは普通の器などは以前から作っています。
今回は深川では最初の展示なので、陶器なども並べるつもりでしたが、アートホール東洲館の渡辺貞之館長の助言をい . . . 本文を読む
札幌のjobin.(じょびん)さんは、先月、中央区の喫茶店で個展を開いたばかり。それからこの個展までの間に、東京と仙台でも発表しているというから、驚くほかはありません。
今回は、大きな窓から森が見え、光が差し込む開放的な空間。
もっとも、jobin. さんはむしろ、広くない空間を巧みに利用するほうが得意だったりしますが、今回は、三脚にも似た三角錐型の部品を並べて、そこから雲型の作品やモビー . . . 本文を読む
(承前)
恵庭市民会館主催の4人展「分水嶺」の続きです。
中村哲泰さんの長女八子直子さんは札幌在住。
以前は変形キャンバスによる絵画を手掛けていましたが、近年はそこから発展して、空間全体を作品とするインスタレーションの発表が多くなっています。
今回は1部屋全体を使い、「流点」と題したインスタレーションとしています。
ブラインドを閉ざして電灯をつけていないため、会場は薄暗くなっていま . . . 本文を読む
札幌の Yuko Furukawa さんは毎年この時期開いている個展は、壁に貼ってあるステートメントが長文なのが特徴です。
札幌での個展で、これほど長い文章を添える人はそれほど多くありませんし、正直なところ、別になくてもかまわないテキストもちょくちょく見かけます。しかし、Furukawa さんの文章は一読したほうがいいです。単なるかわいいアクセサリーをつくる作家ではなく、現実社会への問題意識を . . . 本文を読む
詩人・美術評論家の柴橋伴夫さん(札幌)が1982年にギャラリーユリイカ(2008年に閉廊)で企画して開いた「SEVEN DADA 's BABY」展を機縁に、道内の前衛美術を振り返ろうという展覧会。小樽美術館が主催し、柴橋さんが監修に名を連ねています(しつこいようですが、なぜ「BABY」と単数形なのだろう)。
同館が所蔵する代表的な作家で、50年代の日本の版画界に彗星のように現れた一原有徳さ . . . 本文を読む
雪を活用した屋外設置のインスタレーション「Snow Pallert(スノーパレット)」シリーズで知られる札幌の澁谷俊彦さんが、3日間限りの個展を開きました。
澁谷さんの作品系列では「Generation(ジェネレーション)」シリーズにあたり、道内では昨年のCAI03での個展「沈黙の森」からおよそ1年半ぶりとなります。
会場は、大きな寺院 . . . 本文を読む
Googleマップで検索すると、札幌の自宅から上川管内東川町まで2時間余りと出ます。
自家用車を出すことにしました。
結論からいうと、全くのうそでした(笑)。
札幌から東川町まで3時間余りかかったのです。
道央自動車道の、とくに札幌-岩見沢で、あちこちで工事のために速度規制が行われていて、通常よりも遅くなったのは確かですが、それにしても...。
Googleマップ先生は、高速運転には . . . 本文を読む
(承前)
今回の上京で達成したかったことのひとつに
「大橋鉄郎作品のハシゴ」
がありました。
新人の登竜門として知られる「VOCA(ヴォーカ)展」に、女性がピースサインを出している絵画(イラストレーション)を出品した札幌の若手大橋鉄郎さんは、別のグループ展に、もうひとつのシリーズであるペーパークラフトを出しているので、これは見に行かなくては!
…と思ったのです。
冒頭画像は、両シリーズが . . . 本文を読む
札幌のフォトグラファーで、最近はインストーラーとしてあちこちのギャラリーで搬入の手伝いなどにも忙しい山岸靖司さんの個展。
1998年の第1回個展から見ている自分としては、なかなか感慨深くなるような、これまでの山岸さんの活動の集大成的な側面をあわせもった展示内容だと感じました。
というのは、山岸さんは生業こそ写真家ですが、アートを発表する際には、ストレートフォトではなく、写真を素材にした作品 . . . 本文を読む
江別を拠点に活動している秋元さなえさんの個展の会場はずっと、札幌市北区のななめ通り沿いにあるテンポラリースペースでした。
今回のタイトルになっている「サイアノタイプ」は日光写真の意味。
布に特殊な感光液を塗布し、昨年末から今年初めにかけて、テンポラリースペースの中にさしこんでくる陽光をとらえた作品を、会場内(1階に2枚、2階に2枚)につり下げています。
冒頭の作品は昨年12月30日に制作し . . . 本文を読む
苫小牧市美術博物館の名物「中庭展示」。
札幌国際芸術祭の関連展示で、おそらく最後まで行われているものです。
館の公式サイトに、とてもわかりやすい紹介が載っていたので、コピペいたします。
北海道胆振地方の地域性に根付いた表現活動に焦点を当てる本展では、発案者の奈良美智と飛生とびうアートコミュニティー(北海道白老町)の国松希根太、小助川裕康、奥山三彩からなる4人組のアーティスト・コレクティ . . . 本文を読む
(承前)
非常に精緻な幾何学的な立体作品をつくる伊賀信さんが、青木広宙さんとコラボレートした展覧会。
青木さんが、超小型のライトを透明なチューブの中で順番につけていくシステムを構築し、伊賀さんの作品の影が壁に大きく映し出されてうつろっていきます。
一昨年に札幌芸術文化交流プラザで艾沢詳子よもぎさわしょうこさんと組んで行った展示と、仕組みとしては同じですが、艾沢さんの作品が人間のような . . . 本文を読む