しつこいようですが、「構造社 昭和初期彫刻の鬼才たち」展(1月15日まで。ただし12月29日-1月3日休み)で、筆者が気になった作品について書きます。
斎藤素巌「泉」
石膏着彩とは思えぬボリューム感豊かなレリーフ。裸婦と田園というモティーフもあわせ、「いやー、いかにも古代ギリシャだな」と思わせる見事な作品。
綜合試作のところにあった「荷重」は、やはり古代ギリシャの「アトラス」像とよく似て . . . 本文を読む
札幌芸術の森美術館で1月15日まで開かれている「構造社 昭和初期彫刻の鬼才たち」展の第3回は、どうしてこの展覧会がいまはあんまり知られてないの? ということを考えてみます。というのは、実際に出品されている作品を見ると、けっこう良いのが多いと思うからなのです。
ごくおおざっぱに、近代日本の彫刻の歴史をふりかえると、その歴史を書くときの枠組みになってきたのは、
リアルな裸婦像がメーンの「官展 . . . 本文を読む
札幌芸術の森美術館で1月15日まで開かれている「構造社 昭和初期彫刻の鬼才たち」展の続きです。
「構造社」が何なのかについては、チラシやポスターですでにご存知の方もあるでしょうが、モノクロの地味な印刷のため、見逃している方もいらっしゃることと思いますから、かんたんにおさらいします。
構造社は、1926年(大正15年)、斎藤素巌、日名子実三により設立された彫刻の団体です。
第1回展覧会は . . . 本文を読む
いまはほとんど知られていない戦前の彫刻団体をテーマにした地味な展覧会ですが、埋もれた歴史に光を当てようという宇都宮美術館をはじめとする企画者の熱意を強く感じました。
日本中から、現存する作品を探し出し、作品の残ってない作家については資料で補っています。作品は、無名な作家のせいか、保存状態の悪いものや、石膏に着色したものなどが多く、企画者の苦労がしのばれました。
しかし、聞くところによると、 . . . 本文を読む
すでに「北海道新聞」で紹介されたり、会場のギャラリーどらーるのサイトの掲示板などで議論されたりしているので、筆者ごときがつけくわえることも大してないような気もしますが、今回は國松さんとしてはめずらしく、彫刻と、平面の両方からなる個展です。平面のほうは、彫刻のエスキス的な作品ですが、シンプルかつ強い構図が目を引きます。
彫刻は、一般的には量塊性が求められるものですが、國松さんは一般的な量塊性に依 . . . 本文を読む
ちょっと古い話題で、しかも美術とまったく関係ないので恐縮ですが、23日の北海道新聞に、来年3月のJRのダイヤ改正のニュースが出ていて、その末尾に次のように付け加えられていました。
(以下引用)利用が1日1人未満と極端に少ない7駅を廃止することも発表した。駅の廃止は、1987年の民営化以来23カ所目で、これでJR北海道の駅は465駅となる。
廃止駅は次の通り。
▽張碓(函館線)▽ . . . 本文を読む
名高い「陰影礼讃」などが収録されている「谷崎潤一郎随筆集」を読んでこまったのは、そこでとりあげられている日本の家屋とか義太夫節とかが、どういうものなのか皆目見当が付かないことだった。
これで本州や四国、九州地方の人ならば、生活習慣の西洋化が進んだとはいえ、たとえ自宅が古い家でなくても近所や親類に昔の文化の残り香がありそうなものだが、なにせ、全室が洋間という建売住宅がめずらしくない北海道に住んで . . . 本文を読む
読売新聞(当地では23日朝刊)におふたりの訃報が出ていましたが、こういうことってあるもんでしょうか。ちょっとびっくりです。
村越伸氏(むらこし・のぶる=前東京美術倶楽部社長)17日、心不全で死去。83歳。
三谷敬三氏(みたに・けいぞう=元東京美術倶楽部社長)18日、心不全で死去。89歳。
美術倶楽部は東京、京都、大阪、名古屋、金沢にあり、茶道具や日本画を中心とした古物商や画商 . . . 本文を読む
芸術文化月間「さっぽろアートステージ」のアトラクション「アートトレイン」の作品として札幌の地下鉄南北線車内に掲示された、ウリュウユウキさんの写真作品「You are in Sapporo.」が、準グランプリを受賞したそうです。
アートステージは、なにせ札幌にいないので、どういうもんなのかぜんぜん知らないのですが、ウリュウさんはブログ「豊平橋停留所」やサイト「day's clip」で、心にしみ . . . 本文を読む
おびただしい点のあつまりが、祈りと、宇宙の鼓動のようなものを感じさせてくれたように思います。
正直なところ、前回の「札幌の美術」のときにはそれほど感動しなかったのですが、今回は胸にしみるものがありました。
民家を改造したギャラリーミヤシタの1階には
「祈り」
「ひらく」(同題2点)
「祈り<幸>」
「祈り<式>」
の5点。
2階には
「祈り<澄>」
「祈り<明>」
の2点が縦にならべてあ . . . 本文を読む
中島先生のお墨付きを得て写真をバシバシ撮ったのですが、あれっ、どうして大きさが違うんだろう。
深い意味はないので、ゆるしてください。
在学生・OB31人のグループ展で、このうち5人(森迫暁夫さん、兼平浩一郎さん、三上いずみさん、神田真俊さん、橘内美貴子さん)は個展形式です。
(橘内さんの名前が間違っていたので訂正しました。すいませんでした)
冒頭の写真は、三上さんの染色。
「陰陽ダル . . . 本文を読む
すっかり書くのがおそくなってしまいましたが、札幌在住の日本画家笹山峻弘、伴百合野、北山寛明、中島涼沙の4氏による、スカイホール企画展が、11月30日から12月5日まで、同ホール(中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階)でひらかれました。
毎年のようにインドに取材旅行している笹山さん。
下の作品は3年がかりで完成させたもので、いったん着彩した色を墨で消して、非常に剛直というか、力強い画面を現 . . . 本文を読む
きょうは長文を書く気力なし。
すべてのものが、まるで望遠鏡を反対側からのぞいたみたいに、遠くに見える。
あるいは、長く退屈な夢からさめたばかりのように、よそよそしいというか。
なんだか、まずいですねえ。 . . . 本文を読む