北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

中江紀洋「原田康子文学碑」ー釧路の野外彫刻(55) 2024年夏の旅(18)

2024年09月15日 13時42分00秒 | 街角と道端のアート
(承前。54はこちら)  幣舞橋の南側の斜面に大きな時計がありますが、その上はぬさまい公園(幣舞公園)になっており、そこにある彫刻は紹介済みです。  次のリンク先は、作者不詳の「花を持つ天使」など。 ぬさまい公園で(釧路の野外彫刻 47)。遠軽→北見→釧路。2021年10月9日は3カ所(7) - 北海道美術ネット別館(承前)釧路の幣舞橋を渡り、出世坂を上ったところにあるぬさまい公園(幣舞公園 . . . 本文を読む

「空間分度器」か「空中分度器」か。渡辺行夫作品の正しい題はどっち?ー2024年夏の旅(15)

2024年09月03日 19時57分17秒 | 街角と道端のアート
(承前)  釧路では屋外や室内で彫刻をいくつか見てきました。  旧市立図書館前に設置されたこの作品を、まっ先にアップしておきます。  というのは、この彫刻は、当ブログで 「空中分度器」 という題で紹介してきたからです。  札幌彫刻美術館が出した冊子『北海道の野外彫刻』や、サイト「北海道デジタル彫刻美術館」でもその題が明記されていました。  ただ、手前の銘板はすっかりすり減って、読めなくなって . . . 本文を読む

中野五一「荒井初一氏之像」(上川管内上川町)2024年夏の旅(11)

2024年08月21日 08時24分30秒 | 街角と道端のアート
(承前)  また、未知の中野五一作品を見つけました。  層雲峡温泉の郵便局前は、バス停があって広い空間になっていますが、その一隅に設置されていました。    中野五一(1897~1987)の略歴などは、北見にある伊谷半次郎翁像の記事中で紹介しています。  生まれは富山県ですが、小樽育ちで、日展会員として活躍しました。 伊谷半次郎翁像 (北見市) - 北海道美術ネット別館伊谷半次郎いたには . . . 本文を読む

國松明日香「北を守る武士(望郷)」 白老町の野外彫刻(1)

2024年08月08日 05時53分46秒 | 街角と道端のアート
(2023年10月17日から続く)(札幌に帰る―白老日帰りの旅その9 から続く)  実は2023年秋に撮影した、胆振管内白老町内の野外彫刻が、何本もアップできないままでいます。  とりあえず、同町の新しいギャラリーで個展を開いた札幌の彫刻家國松明日香さんの作品を紹介します。  国松明日香(國松明日香)さんといえば、鉄による軽快な空間構成の作品を思い浮かべるでしょう。  しかし若いころは、こ . . . 本文を読む

ブロニスワフ・ピウスツキ像、ふたたび―白老日帰りの旅その7

2024年07月27日 19時30分39秒 | 街角と道端のアート
(承前)  この胸像については、2020年の「第162回直木賞の川越宗一さんが受賞作「熱源」を書くきっかけになったピウスツキの胸像とは」という記事に書いたことがあります。  詳しくは上記の記事に飛んでほしいのですが、ブロニスワフ・ピウスツキ(1866~1918)はポーランド人です。  ロシア皇帝の暗殺未遂に連座して逮捕され、流刑先のサハリンでアイヌ民族の肉声を録音し、貴重な記録となっています。 . . . 本文を読む

松田与一「愛と希望」 東川町の野外彫刻(11)

2024年06月19日 13時18分14秒 | 街角と道端のアート
(10)はこちら  上川管内東川町で「農民彫刻家」として活躍し、札幌・創成川沿いの大友亀太郎像などを手がけた松田与一さんの彫刻が、農協(JAひがしかわ)の前にあります。  若い男女と、子どもの像です。  男性は上半身裸で、肩の上に幼い子を乗せて前方に指をまっすぐさしています。  新しい時代の、希望と夢を感じさせる農家を表現しているようです。  きまじめな感じは、松田与一さんらしいと思います。 . . . 本文を読む

秋山沙走武「望 ’83」と中山教道作品 歌志内の野外彫刻(3)

2024年05月17日 09時30分40秒 | 街角と道端のアート
 続きです。  「歌志内市コミュニティセンター うたみん」に入ってみました。  大正館や「旧空知炭鉱倶楽部 こもれびの杜記念館」にもほど近い、中心部にある施設で、公民館や図書館を兼ねています。  このロビーにも彫刻が設置してありました。  建物内なので、厳密には「野外彫刻」ではないのですが…。      秋山沙走武すすむ(1930~2001)は、古く仏像制作に用いられた乾漆という技法を得意とする . . . 本文を読む

ホルンくん 歌志内の野外彫刻(2)

2024年05月16日 08時53分12秒 | 街角と道端のアート
 突然の新シリーズと思われそうですが、実は(1)は、笹戸千津子「女の子」で、歌志内市ゆめつむぎ郷土館前に立っている彫刻を紹介しています。  そして(3)で終わります。人口も面積も小さいマチなので…      歌志内市の中心部の公園に設置されている立体です。  彫刻というよりは、丸みを帯びた足先や頭部の造形がいかにもキャラクター的です。  それもそのはず「ホルンくん」は、歌志内市のシンボルキャラ . . . 本文を読む

伊藤隆道「はばたく」「降る光」(滝川市)

2024年05月14日 08時39分11秒 | 街角と道端のアート
 滝川市美術自然史館の前に、札幌出身の彫刻家伊藤隆道さんの作品が設置されていました。  これは電気仕掛けで動く彫刻ではないようです。  自分では動かないのですが、見る側が周囲を動くと、見る方向によって形がまったく変わって見えます。伊藤隆道さんの作品ならではのおもしろさです。  銘板には、滝川市民憲章とともに、「“はばたく”によせて」と題された文章が刻まれています。  一部は摩耗し読み取 . . . 本文を読む

これは森迫暁夫さんの看板では

2024年03月12日 23時45分51秒 | 街角と道端のアート
 サッポロファクトリーの三条館2階を歩いていたら、花屋さんの店頭にこんな看板を見つけました。  どう見ても、札幌拠点で版画などを制作する森迫暁夫さんが描いたとしか思えません。  思いがけず森迫さんの絵を見つけると、なんだか心がほっこりとします。  花屋さんと森迫さんといえば思い出すことがあります。  以前、マックスバリュ菊水店の地下の花屋さんに森迫さんが描いたとおぼしき看板がつりさげられてい . . . 本文を読む

山内壮夫「鶴の舞」が北陸銀行豊平支店前に移転

2023年12月18日 09時51分00秒 | 街角と道端のアート
 札幌のアートではひさしぶりに明るい話題といって良いと思います。  以前、北陸銀行札幌支店の屋上にあった、山内壮夫の彫刻「鶴の舞」が、同銀行の豊平支店前に移設されていました。  大通公園2丁目に面していた北陸銀行札幌支店は現在、高層ビルへの建て替えの真っ最中。  大がかりな建て替え工事とともに姿を消した彫刻は、一時は札幌郊外の野外に、ブルーシートを巻かれた状態で置かれるという情報もあり、行く末 . . . 本文を読む

■ウイマムプロジェクト―歩いて巡る屋外写真展―虎杖浜・アヨロ 2023年10月7日その12―ROOTS & ARTS しらおい/白老文化芸術共創

2023年11月23日 22時26分00秒 | 街角と道端のアート
(承前)  JR虎杖浜駅を降りて直進すると、太平洋沿いを走る道路に突き当たります。多くの地図に「海産物ロード」と記されており、実際に水産物加工場や、直営の土産物店がぽつぽつと立ち並んでいます。  おもにこの海産物ロードに沿った建物や廃屋の壁などに、モノクロ写真が大きくプリントされており、歩きながら鑑賞していきます。  昨年は荒天のため、おなじプロジェクトのうち社台地区しか見られず、ようやく虎杖 . . . 本文を読む

吉田卓矢「白老の物語」 2023年10月7日その5―ROOTS & ARTS しらおい/白老文化芸術共創

2023年10月13日 09時00分33秒 | 街角と道端のアート
(承前)  ニューヨークでアートを学び、現在は後志管内蘭越町を拠点にのびのびした画風の絵画を描く吉田卓矢さん。  昨年、暴風雨のなかで、スーパーマーケットの入り口の上の方にあった壁画を見ましたが、白老町内にはもう1カ所壁画が描かれていました。  ルーツ&アーツしらおいでは「常設展示」とされています。  フライヤーには「旧河庄園」とあったので、廃園みたいなところを想像していましたが、焼き肉屋の正 . . . 本文を読む

(題名不明のクマ) 苫小牧の野外彫刻(22)

2023年09月13日 21時17分23秒 | 街角と道端のアート
(承前)  突然ですが、いま書いておかないと忘れそうなので、3年ぶりにこのシリーズをアップします。  9月11日、道央自動車道の樽前サービスエリア(SA)上り線に立ち寄った際、樽前山の展望台に上ると、クマの石彫が立っていました。      「クマ」と書きましたが、確証があるわけではありません。  太い後ろ足で立ち、前足は腹の前で組んでいます。  顔は上を向いているため、表情ははっきりとしませ . . . 本文を読む

佐藤忠良? 「澤田清五郎」 (札幌市豊平区平岸)

2023年08月10日 12時45分02秒 | 街角と道端のアート
 個人の家の庭に設置されている銅像を、このように紹介していいものかどうか迷う。  というのは、ここは、よその人が入ればすぐに警察に通報されるような場所ではなく、イベントなどでしばしば地域住民に開放されている所だからだ。  公共施設ではないが、さりとて、一般の人が全く出入りを禁じられているというわけでもない庭だ。  男性の首である。  首というのは、頭部像を彫刻でそのように呼ぶ。  彫刻の題材 . . . 本文を読む