(承前)
自問自答にこたえる前に、白糠町社会福祉センターの前にある彫刻を紹介しておきます。
1980年、白糠町女性ボランティアクラブ10周年を記念して設置されたもののようです。
まるみを帯び、やわらかな印象を与える母子像です。
母親の表情はそのわりにはやや硬い感じがしますが、右ひざはまるく、ボリューム感があって、しっかりと赤ちゃんを支えています。
像の裏側には、30周年の . . . 本文を読む
(承前)
いよいよ本日のメインイベント、本郷新の数ある野外彫刻の中でも屈指の大きさを誇る「太陽の手」を見に行きます。
旭川・買物公園にあった多田美波作品が設置場所から姿を消してしまった現在、道内の野外彫刻でも最も高さのある作品のひとつではないかと思われます。
白糠町役場の前を離れ、国道の下をくぐる歩行者用道路を抜けて、白糠町市街を流れる茶路川ちゃろがわを渡ります。
茶路川の岸辺に広 . . . 本文を読む
(承前)
前項の「青木金吾翁像」が、役場庁舎の右側に立っていたのに対し、この抽象彫刻は、向かって左側にあります。
下の方に貼っておいた地図で、町役場の南側にあるブロックはいずれも役場の前庭ですが、そのうち西側(地図だと役場の左下)のブロックのちょうど真ん中に位置しています(地図を空中写真に切り替えると、判別できます)。
小田襄さんは、磨き上げたステンレスで矩形や円などを組み合わせる . . . 本文を読む
(承前)
ハミングロードを西へずっと歩くと、白糠町役場があります。
その正面に向かって右側に、台座に載った胸像が設置されています。
武骨で彫りのふかい、意思の強そうな風貌は、いかにも明治生まれの老人らしさを漂わせます。
北海道デジタル彫刻美術館やブログ「かけらを集める。(仮)」などインターネット検索ではヒットせず、生前に出版された『米坂ヒデノリの世界』巻末の詳しい年譜にも記載が . . . 本文を読む
(承前)
白糠駅に近いハミングロード沿いの広場にある、もう一つの國松明日香さんの彫刻です。
前項で紹介した「若草と馬」が典型的な國松明日香作品のスタイルだとしたら、こちらは、蒸気機関車の動輪やレールの断面をモチーフにした、具体的な意匠に基づいたやや珍しい作風だといえます。
作品はレリーフといっていい薄さです。
動輪といってもかなりデフォルメされており、蒸気機関車を写したものという . . . 本文を読む
(承前)
なぜ釧路管内白糠町で普通列車を途中下車したのでしょうか?
それは、この町に、札幌出身の彫刻家本郷新の野外彫刻があるという話を聞いていたからです。それも、相当デカい作品らしい。
道東まで来るのに旅程に余裕があるなんて機会はめったにないことです。せっかくですから、白糠の街角にある野外彫刻をコンプリートしよう! と決め、綿密に町営バスなどの時刻を調べておいて、白糠駅に降り立ちました . . . 本文を読む
(承前)
フクハラ本部前の野外彫刻の続きです。
地図の中央にL字型に見えるのが本部の社屋。
L字のてっぺんのあたりに設置されているのが、前項で紹介した「過去に感謝 未来に希望」。
そして、L字の左辺の、やや下寄りのあたり(ちょうど赤ピンが立っている所)で、ちょっとふくらんでいるのが社屋の正面玄関です。今回紹介する「響」はその前に据え付けられています。
ひざを抱えてしゃがん . . . 本文を読む
(承前)
帯広の野外彫刻を紹介する記事をアップするのは2014年1月の「育くめ青少年」以来、10年余りぶりとなります。
十勝を拠点とするスーパーマーケットのフクハラの本部が帯広市の西郊にあり、社屋の北側にこの彫刻があります。
創業の地である鹿追町に福原記念美術館を建て、神田日勝を生前から応援するなど、美術に関心の深い福原治平さんが社長を退任する記念に建立したもののようです。
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(承前)
前の記事で書いたように大楽毛は馬の集散拠点として栄えた地区ということで、駅舎内のかもいの上には、馬にまつわる絵が3枚飾ってありました。
かなり高い位置に飾ってあったので、詳しく近づいて鑑賞したり、落款やサインを確認することは困難です。
横長のサイズや絵の具の褪色たいしょくぐあいから判断して、相当古い絵だと思われます。
見上げるように写すと台形のようなかたちに撮れるの . . . 本文を読む
(承前)
この馬の像も、特急バス「釧北号」などで通りかかるたびに気になっていました。
大楽毛 お たのし け 駅前にあります。
わざわざこの像のためだけに大楽毛駅まで来るかというと、かなりビミョーなので、今回見に来られたのは良かったです。
ずんぐりむっくりした体つきは、サラブレッドとは全然違い、力が必要な農耕馬らしいたくましさを感じさせます。
日本全国の野外彫刻を見 . . . 本文を読む
(承前。 釧路の野外彫刻55はこちら)
※表題と文中の作品名が一部食い違っていたので、文中に合わせました(20日夜)
さて、釧路芸術館を出てから、次に乗るバスの時刻まで20分余りあります。
もう1カ所、ギャラリーや美術館に立ち寄る時間はありませんが、釧路市役所の中庭に彫刻があったはずだということを思い出し、ちょうどこれから歩く道筋の途中だということもあり、足を運ぶことにしました。
市庁舎 . . . 本文を読む
(承前) 岩見沢市民会館・文化センター「まなみーる」は、大ホールやギャラリー、レストランなどを備えた立派な施設です。 中に何点か彫刻が設置されているので、折を見て、時々紹介していきます(厳密には「野外」彫刻ではないのですが…)。
1階のホール入り口の近くに、夕張・札幌ゆかりの、戦後日本を代表する彫刻家のひとり佐藤忠良の作った首があります。 岩見沢市のサイト「岩見沢の彫刻」では、銘板にもある「 . . . 本文を読む
(承前)
話は飛んで、大通公園に面した西12丁目に「札幌第3合同庁舎」というビルがあります。
公正取引委員会北海道事務所や北海道防衛局、札幌高等検察庁など、国の出先機関がたくさん入居しています。
その庁舎前でなにやら工事が行われています。
別に工事それ自体は珍しくないのですが、そこに立っている野外彫刻が、おもしろいことになっていたので、ちょっとご報告です。
関根伸夫「北のまつり」 . . . 本文を読む
(承前)
道路を下っていくと、湖の北側に日本庭園があり、その前に彫像が立っています。
銘板には「沼の水の精」という題のみが刻まれており、作者名などは不明です。
背後にまわってもほかに銘板はありません。
また、サインなども見つかりませんでした。
ただこれは筆者の印象なのですが、札幌・大通公園1丁目にのぞんで立っている山内壮夫の有名な「希望」を思い出してしまいます。
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王子江おう す こう絵画展を見た帰り、空知管内浦臼町の街をぶらつき、鶴沼公園にも立ち寄りました。
石狩川の河跡湖のまわりにある公園で、ボート乗り場やキャンプ場、温泉があります。
温泉の横から湖に下っていく道の入り口、国道275号から見えるところに、この像が立っています。
秋山沙走武すすむ(1930~2001)は、仏像制作に用いられてきた乾漆という技法を得意とする彫刻家で . . . 本文を読む