小樽郊外に「日日工房」を構え、札幌はもちろん国内外で盛んに発表を続けている染織造形家の加藤祐子さんが、東京と大阪の知人作家に声をかけて3人展を開いています。
ギャラリーカモカモは決して広い会場ではありませんが、巧みな配置で、ユニークな作品が並んで見ごたえのある展示になっています。
加藤さんの「やわらかな襞ひだ」。
つぎの画像は「たおやかなものたち」「フリルが見える」「布層 . . . 本文を読む
三越ギャラリーの両室を使って今年も開かれています。
伝統にのっとりつつ、現代の暮らしに合った要素をも取り入れた質の高い工芸作品が並んでいます。
出品している作家は次の通り。
陶芸
北川智浩(江別)
小山七郎(札幌)
高井秀樹(函館)
中村裕 (札幌)
西村和 (札幌)
三上慶耀(十勝管内鹿追町)
木竹工
島田晶夫(石狩管内当別町)
村木昭彦(札幌)
諸工芸
長谷川房代(函館)
降 . . . 本文を読む
札幌の陶芸家、田嶋裕子が、ひさしぶりの個展を開いています。
31個のオブジェを並べた空間は圧巻。いずれも釉薬をかけず、異なる色の土を組み合わせて造形しています。
個々の作品に題はついておらず
"旅する 風と大地の 記憶"
で全体のタイトルになっています。
田嶋さんは北海道陶芸会の会員。
海外旅行が好きで、これまでもおよそ50か国を旅してきました。
昨年もスペイン、モロッコ、ジブラ . . . 本文を読む
(会場写真は、作者の許可を得て撮影しています)
札幌の陶芸家西村和さんは、漆や七宝といった工芸の他分野の技法を援用した作品づくりに取り組んでいます。
もともと細かで規則的な文様が目を引く作風でしたが、近年はその精緻さに、ますます拍車というか、みがきがかかってきています。
言いかえれば、すごいです。
冒頭画像の左手前には、七宝の技法で表面の左半分に絵を描いた皿や、箸置きが並 . . . 本文を読む
練り上げ(練上)と呼ばれる独自の技法で知られ、一昨年に亡くなった尾形香三夫さん。
晩年住んでいた岩見沢の市絵画ホールで昨年、個展が開かれましたが、長く拠点を置いていたとなりの石狩管内新篠津村でも追悼展が開催されています。
あの超絶技巧の作品をもう一度見ることができるとは。
そう思って足を運びました。
練上とは、色の異なる陶土のパーツをつなぎ合わせる技法です。
尾形さんの器は、さま . . . 本文を読む
(承前)
伊達市教育委員会の主催で、企画運営は「はこだて工芸舎」。
会場のだて歴史文化ミュージアムのサイトではなぜか「北海道の陶芸展」となっていますが、「北海道の工芸展」が正しいです。
会場の壁側には、1995~2010年に開かれていた大滝村北海道陶芸展(中村照子さんが審査をなさっていました)で受賞した大きな壺が並び、中のテーブルには、道内の陶、木工、ガラス、布の作品が展示・販売されてい . . . 本文を読む
(承前)
10月1日のギャラリー巡りの続きで、三越札幌店はこの日8カ所目です。
工藤和彦さんは旭川に窯を持つ陶芸家。
全国の百貨店などで個展を開いています。
粉引や、シラカバを燃やした灰で作った釉薬による片口、スープわん、茶碗などは、やさしい風合いで、食卓によくなじみます。
かいらぎに似た表面のごく細かなひび割れ模様も、工藤さんの器に、独特の表情をあたえています。
で、冒頭画像の . . . 本文を読む
北海道陶芸会は、おもにプロの陶芸家が集まっている団体で、公募展ではありません。
昨年の、札幌芸術の森工芸館で開いた55周年記念展の記憶も新しいですが、今年は通常の年ということで、例年のギャラリー大通美術館に戻っています。
今年の企画は「食彩のうつわ」。
陶芸会と、札幌の料理人10人によるコラボレーション企画です。
陶芸家3人の器の上にどんな料理を載せたらいいか…。それぞれのシェフが知恵 . . . 本文を読む
札幌を拠点に、銀や真鍮でアクセサリーを作り、精力的に発表している伊藤紀久野さんの個展。
最初に見たときは、雪のイメージが強い作品がメインでしたが、その後の図案の広がりには目を見張るものがあります。
今回の個展では、鳥の羽根を題材にしたネックレスや帯留め、ピアスなどが登場しました。
伊藤さんは、鏨たがねを自ら研いで、細かいしま模様を入れていくのだそうです。
「彫り跡が光るのがうれし . . . 本文を読む
「sobani. 」名義でシルクスクリーンを制作しているやすいともみさんが、昨夏に引き続いて個展を開いています。
星槎道都大中島ゼミのシルクスクリーンといえば、さいとうギャラリーや札幌市民ギャラリーでは、巻いてある布の一部を天井から床まで縦に展示する方式がおなじみです。やすいさんは、正方形に刷られたものを並べていて、ちょっとインスタグラムみたいです。
「DANCE」は、水色の鳥が散りば . . . 本文を読む
(承前)
昨年から「南へモンパルナス」展の開催に尽力してきた札幌市南区の上杉高雅さん。
同区で吹きガラスによる作品を作っています。
さいとうギャラリーでの個展も何年か続けているとのことですが、筆者は初めて見たような気がします。
冒頭の作品群(題はついていない)が目を引きました。
クラゲが泳いでいるようで、見た目には涼しそうですが、ご本人は暑くてこれ以上作れなかったといいます。
ガラ . . . 本文を読む
札幌のファイバーアーティスト、伊藤光恵さんの個展。
近年では、2022年にギャラリー門馬で3人展があり、昨年は本郷新記念札幌彫刻美術館の企画グループ展「生命体の存在」にも出品していました。
糸を素材とし、半立体的な「織り」の作品を手がけます。
冒頭画像と2枚目は「February in the Forest 2月の森の中で」。
幅110、高さ90、奥行き20ミリと記されていますが . . . 本文を読む
江別の陶芸家新林裕子さんは毎年5~6月のさわやかな季節に札幌のギャラリー大通美術館で個展を開いています。
新林さんといえば、草花の絵付け。
陶芸の理論的なことは北海道工芸試験場で学びましたが、絵付けは、道内で取り組んでいる人がごく少ないこともあって独学だそうです。
絵付けは必要かどうか、考えたこともありましたが、やっぱり植物が好きなのと
「草花と陶芸の土は関係ありますからね」。
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今年85歳になる、札幌の木彫家がゴールデンウイークに個展を開くとともに、西区の西野神社で5人展に参加しました。
個展はゴリラに的を絞り、35点を並べていました。
冒頭画像は、名古屋の東山動物園のシャバーニという名のゴリラがモデル。
イケメンということで、ゴリラずきには有名なんだそうです。
もちろん、札幌・円山動物園で多くの人に親しまれていたゴンをモデルにした作品もありました。
. . . 本文を読む
北海道美術工芸協会が主催し、毎年春に開かれている「美工展」は、工芸部門だけの団体公募展としては道内唯一です(道展、全道展、道美展には「工芸部門」がありますが、絵画など他の部門もあります)。
1973年に発足、第1回展を翌74年に丸井今井札幌本店で開き、75年に「北海道手工芸美術協会」という名称を定めました。
84年に現名称に変更し、89年に会場を現在の札幌市民ギャラリーに移しました。
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