(承前)
サンフランシスコでいちばん利用した乗り物は「ミュニバス」とよばれる路線バスだった。
ところで、家人にいわせると、海外でバスに乗るということ自体、信じられないらしい。
間違えて違う路線に乗ってしまったらどうするか、気が気でないというのだ。
彼女は、札幌でも知らない系統には乗らないというのだ。
単純な話、自分はバスが好きなのだ。
ケチなのと(タクシーより格段に安い)、窓から . . . 本文を読む
(承前)
前のエントリで書いたとおり、ミュニメトロのうち「Fライン」だけは、古くからの路面電車である。
札幌の駅前通に該当するメーンストリートである「Market St.」を走っている。
「地球の歩き方」によれば、車輛はニューオーリンズ、モスクワ、ミラノなど世界各地から集めたもの。さまざまなデザインのものが走っており、レトロ電車ファンにとっては、まさに聖地といえるだろう。
しかも、200 . . . 本文を読む
(承前)
乗り物の2回目。
さて、サンフランシスコ国際空港をおりて市街へ向かう人の、かなりの部分は、BART(バート)と呼ばれる鉄道を利用すると思われる。
「地球の歩き方」によると、
Bay Area Rapid Transit
の略らしい。
きっぷの自動販売機でクレジットカードが使えるのはいいアイデアだと思うが、購入希望金額のボタンがならんでいるのではなく、5セントないし1 . . . 本文を読む
(承前)
アップできる写真と話はまだまだ残っているサンフランシスコの旅。
このブログの趣旨からいけば、当然美術館のことを先に書くべきだが、まずは市内の乗り物について4回にわけて紹介する。
すでにケーブルカーについては、9月26日(1)のエントリで記した。
そこで書いた傾斜が、じっさいどれぐらいのものかは、冒頭の画像を見ていただければ一目瞭然だと思う。
次は、車内から撮ったもの。
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“The Story of Crass”の続き。
Crass(クラス)といっても、「夏の日の1993」とはなんの関係もない(あちらは、最近ひとり亡くなったけど「Class」だし)。
1978-84年に英国で活動した伝説のパンクバンドである。
それも、スタイルとしてパンクロックを演奏していたのではなく、きわめて政治的な主張を歌っていた。核兵器をのろい、保守的な教会を冒涜し、サッチャー政権に . . . 本文を読む
(承前)
14番はMission St.(ミッション・ストリート)をひたすら走る路線である。
Mission St.は、マーケットストリートと並行しているあたりでは、いかにも「1本裏手の道ですよ」という地味めな感じがにじみ出ている。たとえて言うなら国道36号と並行している豊平2条通だろうか。
そのうち、Civic Centerのあるあたりになるが、道路にはごみが散乱し、ホームレスの人が寝て . . . 本文を読む
(承前)
筆者はアルマン像の前でバスを待っていたのだが、まるで来る気配がない。
地図で見ると、Colombus Ave.(斜めどおり)はそれほど遠くなさそうだ。
なので、歩くことにした。
目指すは、CITY LIGHTS BOOKS(冒頭画像)。
1950年代アメリカ文学の一大ムーブメントであったビートニク(ビートジェネレーション)の聖地とも言える書店らしい。
アレン・ギンズバーグ . . . 本文を読む
(承前)
このあたりにはパブリックアートがいくつかあるようだ。
まず、「アウトサイダーアート」の名付け親などとしても有名な、戦後フランスを代表する美術家のひとりデュビュッフェの“La Chiffoniene”。
1978年作とある。
“Vaollancourt Fountain”という巨大噴水もあるが、土曜ということで通水していない。残念。
うしろに見える塔はフェリー . . . 本文を読む
なかなか本題に入らないけど、続き。
ふたたび「30番」のバスに乗って、適当なところでおりると、サンフランシスコの大通公園とでもいうべきUnion Square Gardenの前である。われながら、カンがいいと思う。
のどが渇いたので、ジュースか水でも買おうと思い立ち、近くのスーパーマーケットWalgreenに入ったら、これがおもしろい。化粧品から菓子、フィルム・デジタルカメラ、飲料、 . . . 本文を読む
(承前)
・・・という表題を書くと
「なんだ、海の向こうでもおなじことやってんのか」
とあきれる向きもあるだろうが、これ(ギャラリーまわり)をいくらかはやらないと、行った先のアートの現状を肌で知ることはできないでしょ?(と、えらそうにいえるほどでもないんだけど)
ただし、個人的にはこの日は、書店や本との出会いが大きかった。
購入した本はすべて英語であるので、いつになったら読めるのかはわか . . . 本文を読む
(承前)
さて、これがサンフランシスコ旅行に関する5本目のエントリなんだけど、そもそもサンフランシスコとはどういうところなのか、書いていなかった。
といっても、米国の西海岸にあり、カリフォルニア州ではロサンゼルスに次ぐ都会であることは、よく知られていることと思う。
第2次世界大戦の講和条約が結ばれた街でもある。
この一帯は「ベイエリア」と総称される。「ベイ」というのは、英語で湾。
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(承前)
みなさんは耳にしたことがないだろうか。
米国は訴訟社会だから、へたに「Sorry」と言うと不利になるので、内心は悪いと思っていても絶対口にはしない-という話を。
今回筆者がサンフランシスコに数日滞在したかぎりでは、これは大嘘であった。
歩道や通路で人にぶつかりそうになったとき、男性も女性もすぐ口をついてでるのが
“Sorry”
“Excuse,me.”
というあいさつであっ . . . 本文を読む
(承前)
日航機をおりた筆者がまず目にした光景は、入国手続きの長い長い列だった。
とにかく、長い。「フィンガー5」全盛期に、北海道厚生年金会館を取り囲んだファンの列よりも長い。
もっとも、入国管理の役人は大勢いるので、前に進むのもわりと早い。
無愛想な役人の前で10本の指紋を取り、顔写真を写す。容疑者扱いである。あまり感じはよろしくない。役人のいるブースの前では、大勢の米国人が
「Wel . . . 本文を読む
人は当然問うであろう。
お前はなぜサンフランシスコに行ったのか、と。
理由については長くなるし、うまく書く自信もないので、省略する。
すこしだけ説明すると、会社の出張ではないし、単なる物見遊山でもない。
ただ、行った所期の目的は、ほとんど達成できなかった。
その意味では、苦い旅だった。
単純な観光であれば、家族で行きたかった。
海外にひとりで行っても、国内のひとり旅ほどには、 . . . 本文を読む