(承前)
今村三峯(三峰とも)は明治期の小樽で活動した絵師の展示。
「美人画」の掛け軸が2点、扇絵が3点、鳥瞰図的な小樽港の絵3点(うち1点は複製)で全部なので、ミニ個展という感じのささやかな展示です。
会場の説明文によると、今村三峯さんぽうは天保元年(1830年)3月、伊達郡市柳村(現在の福島県伊達市保原町)で、庄屋の次男に生まれたとあります。
しかし、1830年3月は文政 . . . 本文を読む
(承前)
前項は、ロートレック展のあらましについて書きました。
しかしながら個人的にはこの画家について根本的な疑問がついて離れません。
つまり、どうしてロートレックが偉い画家とされているのか、彼の良さとは何なのか、ということが正直よくわからないのです。
それと関連しますが、西洋美術史のなかにどのように位置づけられるのかも、今一つピンときません。
彼は「ポスター芸術の第一人者」 . . . 本文を読む
日本では、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、略して「ロートレック」と称されることが通例ですが、ほんとうの名はアンリ・マリー・レイモン・ド・トゥールーズ=ロートレック=モンファというそうです。貴族の家系なので、仰々しい名がついているのでしょう。
1864年生まれで1901年歿。
今回は
「本展ではロートレックのグラフィック作品の個人コレクションでは世界最大級のフィロス・コレクションから . . . 本文を読む
ギャラリー北のモンパルナスがコロナ禍のため2020年春から休業して以来、4年8カ月ぶりに再開しています。
3人のうち、松本五郎さん(十勝管内音更町、20年歿)と菱谷良一さん(旭川)は、1941年(昭和16年)の生活図画ずが事件により治安維持法容疑でとらえられて無実の罪で投獄された、当時の旭川師範学校(現北海道教育大旭川校)の学生です。2019年に2人展「無二の親友展」が同ギャラリーで開かれてお . . . 本文を読む
上嶋秀俊さんは小樽在住。板に着彩した大小のパーツを配置してインスタレーション作品を構成し、近年さかんに発表を続けています。
今回はギャラリーエッセによる企画展です。ほとんどが新作で、一部2023年の作品もあります。
冒頭画像の手前は「composite」。3枚組です。
こちらの3点組は個展タイトルにもなっている「real, real, real」。
方法論はほとんど変わっていな . . . 本文を読む
JR千歳線の沿線にある千歳、恵庭、北広島の3市の美術協会の63人が1点ずつ出品し、見ごたえのある絵画展になっています。千歳市民文化センター自主文化事業。
内訳は北広島15人、千歳17人、恵庭31人。それぞれの美術協会の会員数がこれだけとは思えず、有志が参加してこの人数になったのか、または過去の経緯などを勘案して割り当てたのか、そのあたりの事情は尋ねるのをわすれました。市の人口だけでみると、千 . . . 本文を読む
道銀文化財団らいらっく・ぎゃらりいのサイトには書かれていないのですが、日高管内浦河町の画家田中郁子さんの個展です。
新道展会員であり、臨床美術の現場でも活躍しています。
いわゆるタブローではなく、田中郁子さんが日々1枚ずつ、正方形の紙にオイルパステルなどで描いている「日記絵」です。
その日の出来事にまつわる物を具体的に描いている絵もありますが、それはあまり多くなく、色をさまざまに配した . . . 本文を読む
春陽会主催の春陽展は、今年で第101回を迎え、非官展系の全国的な団体公募展では屈指の長い歴史を誇ります。発足メンバーに岸田劉生がいたというから、その古さが分かります。毎年春に、かつては上野の都美術館で、近年は六本木の国立新美術館で展覧会を開いています。
北海道研究会も息の長い活動を続けています。しかし、戦後の道内画壇に名を残す八木伸子や谷口一芳といった会員が在籍していた2003年の北海道作家展 . . . 本文を読む
年に1度、北広島市が開く企画展。
以前は市内の陶芸家松原成樹さんがキュレーター役を務めていましたが、ことしは市内にある星槎道都大で版画を教える内藤克人さんが担当したようです。
写真そっくりのハイパーリアリズム絵画は画壇のひとつの傾向として定着しつつありますが、単にそういう絵を集めただけではない4人展で、興味深い展覧会になりました。
竹津昇さんは水彩連盟、道展の会員のほか、各種グルー . . . 本文を読む
木版をフロッタージュしたり、昆虫の細密画を描いたり、一般的な画家とはちょっと異なる作品を、個展や毎年1月のグループ展「New Point」で発表してきた菅定かん さだむさん。
昨年8月から迷路づくりにハマり、ちょっと中断した時期はありますが、毎日ひとつずつタブレット端末で制作して、インスタグラムで発表しているというからびっくりです。
朝起きてかきはじめ、昼休みに続きを作り(菅さんは札幌で団体 . . . 本文を読む
(承前)
紺野修司さんは1933年(昭和8年)深川生まれ。
高校在学中に道展に入選し、武蔵野美術学校(現武蔵野美大)で三雲祥之助、山口薫、森芳雄、麻生三郎の教えを受けます。また在学中に札幌・富貴堂書店で、同じ札幌西高の出身である笠井誠一、上野憲男と3人展を開いています。
56年の卒業後、東映動画に入り『安寿と厨子王丸』や『西遊記』などの動画に携わります。61年には虫プロの創設に参画し、世界 . . . 本文を読む
(承前)
ことし5月に訪れた Cafe & Lunch Gardy (ガーディ)再訪です。
■水彩 高松秀人展(2024年5月1~30日、深川)―5月24日に訪れたギャラリーは7カ所(5) - 北海道美術ネット別館(承前。(3)はこちら)会期が残り少ないので、シリーズの(4)より先に、こちらの(5)を先にアップします。深川駅前にあり意欲的な絵画展を次々に企画しているアートホール . . . 本文を読む
先日、札幌大谷大の学園祭に行ったら、学生の小品絵画展会場の前で個展の案内状を配っている女子学生がいて、その熱心さにおどろきました。
それが、先日まで西岡の画廊喫茶で個展を開いていた山内さんです。
冒頭画像は「こんな毎日、わるくない」。
油彩、アクリル、クレヨンによるF30号。
画面上方が明るいのはライトの反射によるものです。
朝から晩までバイトと予備校に通う毎日。
自転車を走らせて . . . 本文を読む
札幌の松木眞知子さんが、カフェ北都館ギャラリーでは初となる個展を開きました。
北都館のサイトによると、松木さんは女子美短大を卒業。結婚、子育てを経て1999年初個展を開きました。
「2020年乳がんの手術をし闘病の中も制作を続け2022年全道展会員、2023年行動展会員推挙となり、今は命の大切さ、制作できる喜びを実感」
とある通り、この2、3年はまた進境を示しているように感じられます。
. . . 本文を読む
新道展に抽象的な傾向の作品を出している
安味真理(北広島)、
堅田智子(苫小牧)、
田中郁子(日高管内浦河町)、
楓月まなみ(札幌)、
水高和彦(恵庭)の5氏によるグループ展。
※以下の紹介で、安味さんの名と堅田さんの名が入るべき場所がさかさまになっていたので11月5日朝、訂正しました。申し訳ございませんでした。お詫び申し上げます。
2019年に、新道展と柴橋伴夫氏(詩人、美術評論家) . . . 本文を読む