(承前)
ドイツを代表する映画監督のヴェンダースが、これまたドイツ出身(映画を見ると現在はフランスに巨大なスタジオを構えているようですが)の著名な美術家であるアンゼルム・キーファーの世界に迫った映画。
ドキュメンタリー映画と銘打っていますが、キーファーの少年時代を再現した場面があったり、彼の息子に青年時代のキーファーを演じさせたり、ユニークな試みを随所に取り入れています。
(公式サイトはこ . . . 本文を読む
(承前)
前項のアップから3週間もたってしまいました。
武蔵小金井という、東京の都心から西に離れたマチまで出かけたのは、映像を使ったインスタレーションなどを国内外で精力的に発表している札幌拠点の作家伊藤隆介さんの、実験映画の特集上映が行われるためでした。
このために、当初は3月29日まで1泊2日の予定だった上京を、もう1日延ばしたのでした。
近年の伊藤隆介さんは、小型CCDカメラと模 . . . 本文を読む
歌志内にある旧空知炭礦の関連施設が老朽化のため取り壊されることになり、最後の一般公開を5月3~5日に行うということを、ツイッター(現X)や北海道新聞デジタルで知り、訪れることにしました。
もともと行く予定だった「大正館」から歩いて3、4分のところです。
歌志内市のサイトには次のように書かれています。
旧空知炭鉱倶楽部は明治30年、北海道炭礦鉄道(株)が北炭空知礦の社員合宿として建設しま . . . 本文を読む
北海道教育大が進めている展覧会&オンライン講義シリーズの一環。
もはやどこらへんが「縄文」なのかよくわからないまま、会場で上映されていた映像作品3本のうち2本を見ました。
イップ・ユック=ユー監督の『九龍における再び憂鬱な1日』と『プラスティック・ガーデン』です。
「プラスティック・ガーデン」は人類滅亡後の空を25分間にわたって延々ととらえ続けた映像という設定。
青空が広がる場面は全く . . . 本文を読む
Happy Xmas (War Is Over)
Happy Xmas (War Is Over) (Remastered 2010)
今年は絶望の思いが強い。
どうして世界から戦火がやまないのだろう。
これじゃ War is not over じゃないか。
ガザの死者は2万人を超えたと伝えられる。
ガザの子どもたちは、毎年、東日本大震災の追悼と復興への祈りをこめて . . . 本文を読む
(承前)
映画監督の展示を文学館で行うことにどういう意味があるのだろう。
筆者はとても懐かしく、興味深く見たが、小津の監督したフィルムを20本以上スクリーンで見ている筆者の感覚が万人に当てはまるかどうかよくわからない。
本の表紙や、自筆原稿用紙をいくら眺めても、作品を読まないことには、その文学者のことは理解できないだろうが、それ以上に、映画のポスターや半券をにらんだところで、その監督につい . . . 本文を読む
(承前)
Led Zeppelin - Stairway To Heaven (Official Audio)
レッド・ツェッペリン「天国への階段」。
1970年代の英ハードロックを代表するバンドの4枚目のアルバムに収録された、代表曲。
You Are My Sunshine
ブライアン・フェリー「ユー・アー・マイ・サンシャイン」。
スタンダードナンバーですね。
ブライアン . . . 本文を読む
3月27日に見ておきながら、紹介記事が会期中に間に合いませんでした。
まことに申しわけありません。
取り壊すかどうかで議論を呼んだ「北海道百年記念塔」の設計者、井口健さんの業績を紹介する展覧会です。
かなりの部分は、小樽文学館での展示と重なっていますが、同館でもかなわなかった、当時の青焼きコピーの図面などをこの手でめくって見ることができたのは、貴重な経験でした。
そして、なによりも特 . . . 本文を読む
札幌市郊外の野幌原始林にそびえたつ「北海道百年記念塔」のことはご存じの読者も多いと思います。
開拓から100年を記念して建設された100メートルの塔ですが、老朽化を受けて2018年、道が解体方針を打ち出しました。
北海道教育大を卒業して東京に住む佐藤拓実さんが中心になり、その方針を受けて「塔を下から組む」と題したグループ展が札幌・ギャラリー門馬で開かれました。「ドローイング展」と銘打っていま . . . 本文を読む
NHKの連続テレビ小説「なつぞら」を、おおむね毎日見ている。
テレビは気象情報とプロ野球中継以外はあまり見ないし、主演の広瀬すずにもさして興味はないのだが、舞台が北海道の十勝で、神田日勝をモデルとしたとおぼしき少年が登場するとあっては見ないわけにはゆかない。
北海道美術ネット別館としてはここで神田日勝についてまとまった文章を書くべきであろうとも考えたが、日勝と朝ドラについてはすでにいくつか . . . 本文を読む
John Lennon - Happy Xmas (War Is Over)
クリスマスといえば、この曲です。
現在の国際秩序というのは、第2次世界大戦をきっかけに
「もうあんな戦争はこりごり。繰り返してはならない」
という動機でつくられたものが多いのですが、どうも最近、そのあたりを忘れている政治家・指導者や、それに阿諛追従する人々が目に付くようです。
きたる2018年が、平和でおだ . . . 本文を読む
※訂正。「第2まるバ」を「第2マルバ」と改めました。2017年4月5日
この記事は本来は昨年8月の近藤寛史さん上映会の際か、あるいはもっと早く書くべきでした。近藤さんの上映会の記事をまだ書いていないために、こんなに遅い紹介になってしまいました。申し訳ありません。
「まるバ会館」は1999年、札幌市南区澄川、地下鉄南北線自衛隊前駅のすぐ前に、映像作家の吉雄孝紀さんや伊藤隆介さんが中心 . . . 本文を読む
札幌を拠点とする「Sen Se」レーベルの、ミュージックビデオや、グラフィックの展覧会。
入り口附近のモニターで上映されていた、Anokosの「20140504―20150804」が抜群にカッコイイ。
ある公園の斜め向かい側の同じ位置にムービーカメラを設置し、長期間にわたる映像を細切れにしてつないでいる。
定点から撮った長い時間の映像を短時間に詰め込んで、速回しのように流すという手法は、 . . . 本文を読む
ギャラリー創は建築家がオーナーであるだけに建築をテーマとした企画展をたびたび開いています。
今回は、北海道の建築家の草分け、田上義也たのうえよし や の、遺族から借り受けたスケッチ帳がテーマ。かなりのページをカラーコピーしており、それらは自由に見ることができます。
田上義也(1899~1991)は、著名な建築家フランク・ロイド・ライトに師事して帝国ホテル(東京)の設計に携わりますが、ホテル . . . 本文を読む
北海道にもアートにも関係ないのだけれど、ビートルズのプロデューサーだったジョージ・マーティンが亡くなった。90歳だった。
もし彼がいなければ、ビートルズは、リバプールのローカルなロックンロール・バンドとして活動し、解散していた可能性が大きい。その意味では、20世紀後半の音楽、若者文化を変えるきっかけを作ったのは、まさに彼だった。
楽譜も読めなかった4人に対し、レコーディングの何たるかを教えら . . . 本文を読む