
(承前)
小樽詩話会は、1963年に発足した詩の同人誌です。
旭川の「青芽」が終刊になり、600号を超えいまなお雑誌の発行を続けている小樽詩話会は、いまや道内最長寿の文学誌の一つといっても過言ではないでしょう。
同人も小樽だけではなく、オホーツク管内など各地に散らばっています。
特徴をいえば、冒頭画像で、戦後日本版画の鬼才といわれる一原有徳さんの担当した表紙の号が並んでいることからも分かるように、美術との敷居が低く、交流が盛んなこと。
市内の画家、千葉豪さんや高橋好子さんも表紙を描いていますし、かつてはアートとの合同展みたいな試みにも取り組んでいたことが分かります。
もうひとつおもしろいというか、文学館らしいというか、今回の展示は
「小樽詩話会はこんなに伝統ある詩の団体なんだぞ。どうだすごいだろう」
というような、いばったところがほとんど感じられません。
メンバーが忘年会で出し物をしている写真などが展示されていて、ほのぼのとした雰囲気が漂います。
もちろん、たとえば「核」「彎」といった道内詩壇の歴史に記される詩誌のなにやら難しそうなイメージにくらべると、小樽詩話会は親しみやすい感じがします。ただ、だからといって、掲載されている作品の水準が低いというわけではありません。北海道新聞文学賞や佳作を受けた同人もいます。しかし、そんなことは会場のどこにも書いていないのです。
北大を辞した在野の哲学者花崎皋平さんや、創刊時から参加して北海道新聞文学賞の受賞歴もある萩原貢さんも同人ですが、そういう権威付けとは無縁な、なんとも自由な空気が漂う展示なのでした。
宮地兵庫さんが描いた同人の似顔絵が貼ってありました。
宮地さんはかつて札幌を拠点に活躍していた画家ですが、現在は東京で、アートのプロデュース業に携わっています。先日東京で開かれた佐野妙子さんの展示にも携わっていたとお聞きしました。
2023年6月10日(土)~8月13日(日)、月曜休み(7月17日は開館し、18、19日休み)
市立小樽文学館(小樽市色内1)
・JR小樽駅から約720メートル、徒歩9分
・都市間高速バス「高速おたる号」などを「市役所通」で降車、約680メートル、徒歩9分
小樽詩話会は、1963年に発足した詩の同人誌です。
旭川の「青芽」が終刊になり、600号を超えいまなお雑誌の発行を続けている小樽詩話会は、いまや道内最長寿の文学誌の一つといっても過言ではないでしょう。
同人も小樽だけではなく、オホーツク管内など各地に散らばっています。

市内の画家、千葉豪さんや高橋好子さんも表紙を描いていますし、かつてはアートとの合同展みたいな試みにも取り組んでいたことが分かります。
もうひとつおもしろいというか、文学館らしいというか、今回の展示は
「小樽詩話会はこんなに伝統ある詩の団体なんだぞ。どうだすごいだろう」
というような、いばったところがほとんど感じられません。
メンバーが忘年会で出し物をしている写真などが展示されていて、ほのぼのとした雰囲気が漂います。
もちろん、たとえば「核」「彎」といった道内詩壇の歴史に記される詩誌のなにやら難しそうなイメージにくらべると、小樽詩話会は親しみやすい感じがします。ただ、だからといって、掲載されている作品の水準が低いというわけではありません。北海道新聞文学賞や佳作を受けた同人もいます。しかし、そんなことは会場のどこにも書いていないのです。
北大を辞した在野の哲学者花崎皋平さんや、創刊時から参加して北海道新聞文学賞の受賞歴もある萩原貢さんも同人ですが、そういう権威付けとは無縁な、なんとも自由な空気が漂う展示なのでした。

宮地兵庫さんが描いた同人の似顔絵が貼ってありました。
宮地さんはかつて札幌を拠点に活躍していた画家ですが、現在は東京で、アートのプロデュース業に携わっています。先日東京で開かれた佐野妙子さんの展示にも携わっていたとお聞きしました。
2023年6月10日(土)~8月13日(日)、月曜休み(7月17日は開館し、18、19日休み)
市立小樽文学館(小樽市色内1)
・JR小樽駅から約720メートル、徒歩9分
・都市間高速バス「高速おたる号」などを「市役所通」で降車、約680メートル、徒歩9分
(この項続く)