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■書 四人展 荒野洋子・佐藤志珠・塚本宏美・吉田敏子 (2024年11月20~24日、札幌)

2024年11月24日 12時44分59秒 | 展覧会の紹介-書
 
 書の分野である「墨象ぼくしょう」に取り組んでいる4氏が昨年に続いて札幌市民ギャラリーで展覧会を開いています。
 後志管内倶知安町の荒野洋子さん、オホーツク管内遠軽町の佐藤志珠さん、札幌市の塚本宏美さんと吉田敏子さんです。

 文字にこだわらない「前衛書」と異なり「墨象」は文字を書きます。
 太く巨大な墨の塊を紙にぶつけているという印象をつい抱いてしまうのですが、今回も冒頭画像のとおり、佐藤、塚本、吉田の3氏は古典臨書を発表しています。古典の勉強を踏まえて、そこから創作を発展させていくという過程をおろそかにしていないことがうかがえます。
 右から、吉田さんは幕末明治に書や文人画など幅広い分野で活躍した富岡鉄斎「落款帖らっかんじょう」の「羅」。
 佐藤さんは唐の第一人者、顔真卿の「祭姪稿さいてつこう」から「蘭玉」と、おなじく顔真卿の「争座位稿」から「悟」。
 塚本さんは、平安時代に活躍し「三跡」のひとりと言われる藤原佐理の「離洛帖」から「動」を、それぞれ抜き出して書いています。 

 左から荒野さんの「契」「汲水」「建」。
 じつは荒野さんは、倶知安の小川原脩記念美術館で来年2月初旬まで開催中の「麓彩会」展にも「契」を出品しています。
 以前、消費生活相談に携わっていたことから、契約の大切さを実感し、この字を書いたとのこと。人との縁、ちぎり、という意味も重ねているようです。
 ほかに「雪月花」を出品。
 
 
 左は佐藤さん「櫛」。
 右の2点は塚本さん「花」「宝」。

 佐藤さんはほかに「搪」を、塚本さんは「走」を、それぞれ出品しています。
 塚本さんの作品はすべて140×90センチです。
 
 
 ことし5月に東京で開かれた「奎星会・墨人会合同展」に出品し、10月には「北の聲アート賞」を受賞するなど活躍が目立っている吉田さん。
 今回は右から「動」「静」「理」。
 「動」が太く書かれているのに対し、他の2点はそれほど太くなく、にじみもあるなど、書風を変えています。


2024年11月20日(水)~24日(日)午前10時~午後5時(最終日~4時)
札幌市民ギャラリー(札幌市中央区南2東6)

過去の関連記事へのリンク
第10回北の聲アート賞を吉田敏子さんが受賞 (2024)

第33回北海道墨人展(2019)
第32回北海道墨人展 (2018)
第31回北海道墨人展 (2017)

交錯する眼差しの方へ II 遠藤香峰・大川壽美子・須田廣充・竹下青蘭・吉田敏子(2013)

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交錯する眼差しの方へ 遠藤香峰・大川壽美子・須田廣充・竹下青蘭・吉田敏子 書展 (2008、画像なし)
第9回北の墨人選抜展(2008年、画像なし)
第21回北海道墨人展(2007、画像なし)
第20回北海道墨人展 (2006、画像なし)
第16回北海道墨人会(2002年4月8日の項、画像なし)
札幌の美術2003 19+1の試み展 ※画像なし=吉田さん出品


・地下鉄東西線「バスセンター前駅」10番出入り口から約200メートル、徒歩3分

・ジェイアール北海道バス、中央バス「サッポロファクトリー前」から約520メートル、徒歩7分
・中央バス「豊平橋」から約820メートル、徒歩11分


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