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書の分野である「墨象」に取り組んでいる4氏が昨年に続いて札幌市民ギャラリーで展覧会を開いています。
後志管内倶知安町の荒野洋子さん、オホーツク管内遠軽町の佐藤志珠さん、札幌市の塚本宏美さんと吉田敏子さんです。
文字にこだわらない「前衛書」と異なり「墨象」は文字を書きます。
太く巨大な墨の塊を紙にぶつけているという印象をつい抱いてしまうのですが、今回も冒頭画像のとおり、佐藤、塚本、吉田の3氏は古典臨書を発表しています。古典の勉強を踏まえて、そこから創作を発展させていくという過程をおろそかにしていないことがうかがえます。
右から、吉田さんは幕末明治に書や文人画など幅広い分野で活躍した富岡鉄斎「落款帖」の「羅」。
佐藤さんは唐の第一人者、顔真卿の「祭姪稿」から「蘭玉」と、おなじく顔真卿の「争座位稿」から「悟」。
塚本さんは、平安時代に活躍し「三跡」のひとりと言われる藤原佐理の「離洛帖」から「動」を、それぞれ抜き出して書いています。
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じつは荒野さんは、倶知安の小川原脩記念美術館で来年2月初旬まで開催中の「麓彩会」展にも「契」を出品しています。
以前、消費生活相談に携わっていたことから、契約の大切さを実感し、この字を書いたとのこと。人との縁、ちぎり、という意味も重ねているようです。
ほかに「雪月花」を出品。
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右の2点は塚本さん「花」「宝」。
佐藤さんはほかに「搪」を、塚本さんは「走」を、それぞれ出品しています。
塚本さんの作品はすべて140×90センチです。
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今回は右から「動」「静」「理」。
「動」が太く書かれているのに対し、他の2点はそれほど太くなく、にじみもあるなど、書風を変えています。
2024年11月20日(水)~24日(日)午前10時~午後5時(最終日~4時)
札幌市民ギャラリー(札幌市中央区南2東6)
過去の関連記事へのリンク
第10回北の聲アート賞を吉田敏子さんが受賞 (2024)
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札幌の美術2003 19+1の試み展 ※画像なし=吉田さん出品
・地下鉄東西線「バスセンター前駅」10番出入り口から約200メートル、徒歩3分
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