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北海道美術ネット別館

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■記憶の山脈 2015年2月21日は13カ所(1)

2015年02月21日 23時59分59秒 | つれづれ日録
 目覚まし時計を鳴らすこと5度。
 ようやく7時半に起床し、8時過ぎに家を出る。
 バス→東豊線(環状通東駅)→バス、と乗り継いで、モエレ沼公園ガラスのピラミッドへ。

 冒頭画像の通り、歩道はまったく除雪されていない。
 しかたがないので、車道を歩く。
 あいかわらず、公共交通機関を利用して来場する人のことを考えていない施設である(これでも、正門前にボタン式信号がついただけでも進歩だ)。
 まあ、手前の広い駐車場も閉鎖されているので、一般の人は、橋を渡ったところにある駐車場か、ピラミッドの1階に車をとめるのだろう。

 3人展「記憶の山脈」を見る。
 そして、このタイトルが、伊賀信さんのインスタレーションから採られているのであろうことに気づく。
 「四角錘連峰」は、10500×576×3000ミリという巨大な作品。
 18×36×72ミリの木片を積み上げた(接着剤などは用いていない)。
 それにしても、伊賀さんのシンメトリーと規則性へのこだわりはすごい。

 藤沢レオさんは、ピンクの糸を天井からふわっと、何本も垂れ下げさせたインスタレーション。
 ふだん扱っている金属と、正反対の軽さ。
 最小限の素材で空間を成り立たせている。

 佐々木愛さんは、ドローイング連作「Grayscape sea」(19点組み)を、ガラスに貼り付けた新作「SNOW」。
 後者は、シュガークラフトの技法であるロイヤルアイシングを用いた、いわば砂糖細工で、エゾエンゴサクやエンレイソウなどにインスパイアされた文様を展開している。
 関西のアーティストである佐々木さんが、北海道の土地の「記憶」とわたりあった作品といえるかもしれない。

 全体としては、モエレ沼の記憶というより、工芸・クラフト的なものを3人がどこかに宿していることが筆者の印象に残った。
 20年前のモダニスムの画家からすれば、工芸的というのは悪口であるが、筆者にはそういう気持ちはない。
 ただ、現代美術の現場から、「彫刻的」な空間構成の文法が後退し、「工芸的」なアプローチが前に出てきたのかな、という、単なる感想です。

 感想ついででいえば、今回はめずらしく「冬のモエレ」で開催する必然性があまり感じられなかった。
 これまでは、澁谷さんのSnow Palletとか、佐々木さんの「雫を聴く」とか、冬らしい発表が多かったと思う。まあ、ピラミッド内のホワイトキューブで、冬とたいして関係のない展示をやっていはいけないという決まりもないので、批判するつもりはないです。

【告知】記事はこちら

 ピラミッド内には「いとう写真館」という看板が出ていたが、何をしていたのかは分からない。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (SH)
2015-02-22 04:19:37
ヤナイさん、こんにちは。
モエレ沼公園、行きましたか。
どうしても踏み切れず、今に至っております。
特に冬はなあ・・・
返信する
SHさん、おはようございます (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2015-02-22 09:45:54
ずいぶん朝早いですね。

そうなんですよね、冬のモエレはなあ~という気持ちはよくわかります。
返信する

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