
岡本和行さんは、おもに広告畑の仕事をしている札幌のプロカメラマンである。
そのかたわら、花の写真を撮り続けており、このテーマによる「ミヤシタ」での個展は、たしか2度目である。
一昨年には「花美」と題した写真集も出している。
花の写真? よくあるでしょ、と思った人は認識不足なので、ぜひ個展会場に足を運んでほしい。それが無理な人は、大きめの本屋さんで写真集を手にとっていただきたい。背景が消えたシンプルな写真は、これまでのいわゆる「花の写真」のイメージを一変させるものだと思う。
個展は上下のフロアを使い、およそ35点ほどを出品している。
1点だけ「季節なのでサービス」ということで、桜並木の一般的な写真を出しているが、ほかは、バックが真っ暗だったり真っ白だったりする岡本さんならではの写真だ。
すべてデジタルで撮られているが、パソコンで画像を調整しているのではないという。特殊なストロボ(といってもカメラ店で市販されている)で光を花に当て、背景を飛ばしているのだ。撮影地は市内の公園が多く、曇りであることが必須であるという。
今回、初めて登場したのが、和紙にインクジェットでプリントしたもの(冒頭画像)。背景をいっさいなくして、浮かび上がる凛とした姿は、思わず見とれてしまう。そして、インクジェットプリントの著しい進歩にも驚かされる。
作品は2階にもあるが、階段の上の細い壁にも1点架かっているのでお見逃しなく。ただしこれは、1階の和紙の作品と同じもので、紙だけが異なる。


それにしても、まるで「植物図鑑」のように撮っているのに、絵のように美しいとは、中平卓馬も予想していなかった逆説とはいえないだろうか。
2009年4月15日(水)-5月3日(日)12:00-19:00、月曜休み
ギャラリーミヤシタ(中央区南5西20 地図D)
□岡本さん公式サイト http://www.studiok2.jp/
□blog http://studiok2.exblog.jp/
◆岡本和行写真集「花美(HANABI)」は美しい!(2007年、写真集の紹介)
そのかたわら、花の写真を撮り続けており、このテーマによる「ミヤシタ」での個展は、たしか2度目である。
一昨年には「花美」と題した写真集も出している。
花の写真? よくあるでしょ、と思った人は認識不足なので、ぜひ個展会場に足を運んでほしい。それが無理な人は、大きめの本屋さんで写真集を手にとっていただきたい。背景が消えたシンプルな写真は、これまでのいわゆる「花の写真」のイメージを一変させるものだと思う。
個展は上下のフロアを使い、およそ35点ほどを出品している。
1点だけ「季節なのでサービス」ということで、桜並木の一般的な写真を出しているが、ほかは、バックが真っ暗だったり真っ白だったりする岡本さんならではの写真だ。
すべてデジタルで撮られているが、パソコンで画像を調整しているのではないという。特殊なストロボ(といってもカメラ店で市販されている)で光を花に当て、背景を飛ばしているのだ。撮影地は市内の公園が多く、曇りであることが必須であるという。
今回、初めて登場したのが、和紙にインクジェットでプリントしたもの(冒頭画像)。背景をいっさいなくして、浮かび上がる凛とした姿は、思わず見とれてしまう。そして、インクジェットプリントの著しい進歩にも驚かされる。
作品は2階にもあるが、階段の上の細い壁にも1点架かっているのでお見逃しなく。ただしこれは、1階の和紙の作品と同じもので、紙だけが異なる。


それにしても、まるで「植物図鑑」のように撮っているのに、絵のように美しいとは、中平卓馬も予想していなかった逆説とはいえないだろうか。
2009年4月15日(水)-5月3日(日)12:00-19:00、月曜休み
ギャラリーミヤシタ(中央区南5西20 地図D)
□岡本さん公式サイト http://www.studiok2.jp/
□blog http://studiok2.exblog.jp/
◆岡本和行写真集「花美(HANABI)」は美しい!(2007年、写真集の紹介)
花の写真や絵に興味の薄い私ですが、
この展覧会は良かったです。
美しく、かつ、単にきれいなものを撮ったのではなく、
作者の意識によって完成された作品とでもいうのでしょうか。
花の写真というと、ほとんどの場合、秋山庄太郎のあとをなぞっているようなものが多いのですが、岡本さんの写真は独創的だと思います。
即物的なのに幻想的というか、美そのものを切り取ったような作品になっていると感じました。