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北海道美術ネット別館

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【告知】幻影をもとめて (2012年8月25日~9月15日、札幌)

2012年08月25日 13時27分32秒 | 展覧会等の予告
 ストレートに中身を想像しづらい題がついたグループ展ですが、現在、青森県立美術館のチーフキュレーターを勤める飯田高誉さんのキュレーションで、伊藤隆介、神内じんない康年、田上たのうえ穂波、乗田菜々美の4氏が出品します。
 ふだんあまりあおらない筆者でありますが、今回の展覧会に関しては、見に行かないという選択肢はないと思います。

 初日、午後6時からオープニングセレモニー&ギャラリートークです。

 4人のうち、伊藤隆介さんは映像作家、ビデオインスタレーション作家として、札幌はもちろん、国内外で作品を発表しており、このブログの読者はご存じかと思います。
 また、神内康年さんは江別生まれ、現在は京都造形芸大の教授で、今回の会場となっているギャラリー門馬でも何度か作品を発表しています。

 フライヤーのテキストを引用しておきます。

本展覧会会場となるギャラリー門馬は、もともとオーナーの記憶に満ちた個人邸だったのである。時の経過によって生み出された幾多の記憶の痕跡やざわめきがこのギャラリー空間に充満し、今に生きているのである。いわゆる痕跡を消去した無機的なホワイト・キューブ的空間とは対極的な身体的存在感を有したギャラリー門馬そのものをテーマとした展覧会を組み立ててみたいという考えに駆られたことが本展覧会企画の起動力となった。

 マルセル・プルーストのあの「プチット・マドレーヌ」。香りや音、色、形、味覚など触知しうるものを一気に想起させる「マドレーヌ」というもの。そこには魅惑的な記憶だけではなく、触れられたくない、封印したトラウマ(心的外傷)をも呼び出してしまうかもしれない。ひょっとしたら、その傷を隠蔽して新たに記憶を改竄したスクリーン・メモリーズ(隠蔽記憶)も。

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などの多様なデジタル情報が氾濫している現代社会の「イメージの情報の余剰」を前提に、「ギャラリー門馬」をインスピレーションにして「記憶」をテーマに各作家にとっての「作品=マドレーヌ」を展覧し、彼らの作品と鑑賞者の相互のイメージ交換ができる場を提示することを本展覧会の本旨とする。


 う~ん。
 見てもいないうちからケチをつけるつもりもないんですが。

 「作品=マドレーヌ」ということであれば、作品それ自体は非常に個人的な、社会に対して閉じたものになってしまうのではないかと危惧されるんですが、現代社会の「イメージの情報の余剰」が、普遍性へとつながる通路の存在を担保してくれるってことなんでしょうかね。

 「スクリーン・メモリーズ」については

「フロイトの精神医学用語で「隠蔽記憶」と翻訳されている。精神医学的文献において幼児期体験というものは、様々な抑圧によって想起困難になっているが、その代わりしばしばその些細な断片的な記憶が保たれていることがある。多くの場合、差異はあるもののそれぞれの個人的体験における幼児期の断片的記憶は、その時点の実際の記憶ではなく、別の経験の記憶であって、しかも一見無意味なものにみえるが、このような記憶のことを「隠蔽記憶」と呼んでいる。」

と注釈がついています。

 プルーストのマドレーヌに関しては、ここで説明するほどのこともないでしょう。

 4人の略歴について、フライヤーや、ギャラリーのサイトからそのまま転載します。


伊藤隆介ITO Ryusuke

1963年、札幌市生まれ。美術・映像作家。1988年、東京造形大学デザイン学科卒業。1992年、The School of The Art Institute of Chicago(シカゴ美術館付属大学)大学院研究科修士課程修了(MFA)。東京造形大学で映像作家・かわなかのぶひろ氏に師事、アートフィルム(実験映画)の制作を始める。フィルムのミディアムとしての物質性、ビデオの伝達メディアとしての特性などをテーマにした映画やビデオ・インスタレーションを主に制作している。現在、北海道教育大学(芸術課程)に勤務。

http://www.ne.jp/asahi/r/ito/

【告知】第4回恵比寿映像祭:映像のフィジカル (~2012年2月26日、東京)
森山大道×伊藤隆介トークショーを、Ustream放送で見て
【告知】ウルトラマン・アート!(2010年9月18日~11月28日、道立旭川美術館)
ラブラブショー(2)
サンフランシスコ・SFMOMAで伊藤隆介作品を見る「Measurement in the Impermanence:Contemporary Japanese Avant-Garde Film」
伊藤隆介さんから来ていたメールをわすれていた
SAPPORO ART PLANETS展
(以上、画像なし)

伊藤隆介「Realistic Virtuality」 (2008)
SCAN DO SCAN (07年)
FIX! MIX! MAX! 現代アートのフロントライン(06年11月)
06年の個展(札幌芸術の森美術館)
Interaction ドイツ展帰国展(06年1月)

04年の個展「Japanese Style」
伊藤隆介映像個展(03年)
伊藤隆介展(03年)
ビデオレター sapporo映像短信(03年)
アジアプリントアドベンチャー2003
ぼくらのヒーロー&ヒロイン展(02年)
northern elements (02年)
札幌の美術2002


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神内康年 JINNAI Yasutoshi

1953 年、江別市生まれ。陶造形作家。1981 年、京都市立芸術大学陶磁器専攻科修了。1983~1985 年、ファエンツァ陶芸学校、ボローニャ美術大学(イタリア)、エクサン・プロバンス美術大学(フランス)在学。1993 年、Banff Center for the Art (カナダ)にて制作発表。1997 年、滋賀県立陶芸の森にて招聘作家制作。主に素材としての「土」を媒体に「うつろう・今」を造形表現している。主な受賞歴に、ファエンツァ国際陶芸展・金賞(イタリア)、京都府工芸選抜展・大賞、五島記念文化賞・美術新人賞など。現在、京都造形芸術大学美術工芸学科教授。

【告知】Shift 展(2011)
京都造形芸術大学大学院 神内・名和ゼミ・教員と学生とゲストアーティストによる「小立体・ドローイング」展(2008年、画像なし)
神内康年展 ON THE FLOOR ‐september- (2007年)

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田上穂波 TANOUE Honami

1988 年、東京生まれ。美術家。2011 年京都造形芸術大学情報デザイン学科先端アートコース卒業。重量感のある建築、家へのイメージを、とても軽い物へと変換しある種暴力的に展開していく作品を発表。現在も「家」への個人的な体験を通し制作を行なう。主な受賞歴に「平和博物館は可能か」展にて宮島達男賞、プレゼンバトル大会にて電通賞、博報堂賞、アサツーディ・ケイ賞受賞を受賞。現在、京都市立芸術大学美術研究科彫刻専攻在籍。

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乗田菜々美 NORITA Nanami

1983 年、青森生まれ。デザイナー。2006 年、弘前大学教育学部生涯教育課程芸術文化専攻卒業。在学中は絵画・版画ゼミに所属。卒業後、青森県立美術館への勤務をきっかけに、デザインの仕事をはじめる。同年、学芸員とのアートユニット[ キュルル] を結成。主な展覧会に、2012 年グループ展「超群島」(表参道GYRE / 青森県立美術館)。現在、青森県立美術館にデザイナー兼、エデュケーターとして勤務。

 
2012年8月25日(土)~9月15日(土)午前11時~午後7時
ギャラリー門馬 & ANNEX (札幌市中央区旭ケ丘2)




・地下鉄東西線「円山公園」駅バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「循環10 ロープウェイ線」に乗り「旭丘高校前」降車、130メートル、徒歩2分

・おなじく「円山公園」駅バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「円13 旭山公園線」に乗り「界川さかいがわ」降車、500メートル、徒歩7分

・おなじく「円山公園」駅バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「桑11 桑園円山線」「円11 西25丁目線」「循環11 ロープウェイ線」に乗り、「啓明ターミナル」降車、800メートル、徒歩10分

・地下鉄南北線「中島公園」「幌平橋」から、ジェイアール北海道バス「循環13 山鼻環状線」に乗り「旭丘高校前」降


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