
古い札幌の地図を見ると、札幌市南区の真駒内本町・曙町から豊平川へと北に向かって注ぐ小さい流れが書かれていることがずっと気になっていた。
ごく短い川なのに、多くの地図に記載があるからだ。
(ただし、文献類でこの川に言及したものは、筆者は未見である。よって、名前もわからない)
源流は、交番や神社のあるあたりのようだ。
地図を見るとわかるが、真駒内神社から北へと向かう道はカーブしている。
これは、道の東側が高くなっているためで、この段差は河岸段丘かもしれない。

となると、この道がかつての小川にだいたい沿っていると考えられる。


区の表記がないのは当然として、「真駒内」抜きで、いきなり「本町」になっている。
突き当たりの緑は、地図で見ると真駒内神社と公園になっている。
神社があると知っていたら立ち寄っていたと思う。
湧水の場所に神社を建立したという可能性もあるからだ。
なお、札幌は扇状地の上に建設された街なので、路面に階段が設置されている箇所は、ありそうで意外とない。
小樽ならあちこちにあるのだが…。
札幌で路面が階段になっているのは、中央区の伏見、南区の澄川ぐらいしか筆者は知らない。
なお、1971年に地下鉄南北線が開通する以前は、真駒内本町が、真駒内の中心で、商店や飲食店などが並んでいた。
ここには、札幌市営バスの営業所もあり、交通の要衝でもあった(現在は、じょうてつバスの営業所)。
いまは、人の流れもバス路線もすっかり真駒内駅のほうに移ってしまった。
真駒内本町で発着するバス路線もまだ何本かあるが、利用する側からすれば、ここでおろされても真駒内駅から遠いので、あまりうれしくないのだ。
ゆっくりと真駒内本町はにぎわいを失いつつある。
特撮映画「ガメラ2」では、真駒内本町の「ホシ チェーンストア」前を自衛隊の戦車が通過する場面がある。
しかし、いまその建物からスーパーマーケットは撤退し、空き店舗になっている。
真駒内本町の中心交叉点には、パチンコ屋があり、宇宙的なデザインの飾りが楽しい。
いまも営業しているのだろうか。
この交叉点から北に行くと、左手にすぐバス営業所があり、その先は藻岩橋で、石山通に通じている。
右手に行くと、豊平川と自衛隊の駐屯地の間を通る国道だ。

