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北海道美術ネット別館

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■藤田嗣治展-エコール・ド・パリの風(札幌は7月20日まで、旭川7月25日-8月10日)

2008年07月19日 10時49分14秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 
 現在、道立近代美術館で「レオナール・フジタ」展が開かれていますが、彼の展覧会は、百貨店などでもちょくちょく催されてきました。
 ただし、出品作の大半は、市場にわりあい多く出回っている戦後の版画(しかもエディションが多いやつ)であり、今回、JRタワーの5周年企画として、旭川のギャラリーシーズが開催したこの展覧会は、戦前の藤田の全盛期の作品がふくまれていることが大きな特徴です。
 冒頭の画像の右側、「二人の裸婦」は、版画なのですが、エコール・ド・パリ時代の藤田に特徴的な、陶磁器のような画肌と微妙な白の諧調、細い線などがよく再現された佳品になっています。




 この画像には、戦前に描かれた2点の肉筆がうつっています。
 中央はエッフェル塔で、水彩というのもめずらしい。
 手前は「猫を抱く少女」。サムホールぐらいのごく小さな作品ですが、この時代の油彩画が市場に出回ることはそれほど多くないのではないかと思います。ただ、3500万円。家より高いなあ(笑)。
 奥に見えるのは、コロタイプで刷られた猫です。




 今回は40点余りを展示し、一部、途中で展示がえしています。
 版画で筆者が気に入ったのは、「親子」。母と娘の表情は、戦後のフジタに特徴的な、ちょっとすました感じです。背景の、やや色づいたブドウの葉などが、季節感をただよわせています。

 そのとなりは、道立近代美術館でのフジタ展で、ポスターに採用されている「花の洗礼」です。3人の美神がならび、花びらが降りかかっている図柄です。
 先年の東京での藤田嗣治展で見た「夢」を、モノクロのリトグラフで再現した作品もありました。眠れる美女の周囲に猫たちが集っているという情景は、いかにも藤田の美意識に沿ったものだと思いました。

 ほかに、おかっぱが特徴的な自画像が2点ほど。パリの街角を色彩豊かに描いた版画もありました。
 こちらは近代美術館とちがって入場無料です。どうぞ、足を運んではいかがでしょうか。


7月8日(火)-20日(日)10:00-19:00(最終日-16:30)、会期中無休
プラニスホール(札幌市中央区北5西2、エスタ11階)
7月25日(金)-8月10日(日)10:00-19:00(最終日-16:30)、会期中無休
ギャラリーシーズ(旭川市旭町2の3)


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