
札幌市立高専を卒業し、現在はオホーツク管内津別町に住む川瀬舞さんの、イラストを中心とした個展が、津別の隣町、北見の喫茶店で開かれている。
展示されているイラストは、色鉛筆や水彩で着彩された、夢あふれる風景。
左側の壁の作品は、中央にある「micro cosmos この星に生まれて」の各部分を拡大したものが、周囲に貼られている作品群という。それらは
「in the lake みずうみで」
「a planet appeared 知性の星」
「shining stars 輝く星の夜」
「a climbing mountain 虹と雲の下」
「Big onions たまねぎ畑に降る雨」
と題されている。
さらに、それらの下側に、木々120本をずらーっと並べた細長い作品が展示されており、なんだか平面インスタレーションっぽい。
ほかに、アクリル画「壁画のためのエスキース」、森林センター弁当試食会ランチョンマット用のイラストとして描いた「SUNRISE」、津別町第5次総合計画書用イラストの「キラキラノアサ」「キラキラノヨル」「キラキラノツベツ」など。

筆者は、どこかで見た名前だと思って、ケータイでググったら、じぶんのブログが出てきた(よくあることなのです)。
■札幌市立高等専門学校 卒業・修了制作展’09プレ展 (2010年2月)=画像なし
これを読んで、思った。
川瀬さん、ほんとに故郷・津別が好きなんだなあ、と。
この個展で「HEAVEN(天国)」といわれているのは、津別なのだ。
津別は、農林業を主産業とする谷あいのマチ。人口はおよそ6千人。
川瀬さんの自宅は、肉牛を飼い牧畜業を営んでいる。
その事情が、卒業制作に直接反映している。
言い切ってしまうと反感を買いそうだけど、基本的には、アートやデザインは、都市のものであった。大きな市場が存在することと、少数派であるアーティストとアーティストが出会う場であったからである。いいかえれば、地方にはアーティストどうしが会って刺戟し合う磁場に乏しい。
しかし、自作をどんどん売ったり、たくさんのお弟子さんを抱えたり-といったことを考えなくていいのなら、何も都市にアトリエをかまえる必要なんてないのである。
むしろ、ストレスが少なく、雄大な風景などの題材に富んだ地方のほうがいいこともあるだろう。
また、少ないとはいえ人が住んでいる以上、なんらかのアートやデザインがらみの仕事が無いマチはないだろう。
正直なところ川瀬さんはまだ若手であり、誰もが驚くような特色を持った絵を描いているわけではない(それを求めるのはまだムリだろう)。しかし、ここまで故郷にこだわる姿勢は貴重かもしれない。彼女の絵を見た人は
「なんだか津別って良さそうな場所だよな」
と思わずにはいられないだろうから。
どんなきれいな写真よりも、彼女の絵こそが、津別の魅力のアピール役として成り立っているわけだから。
ひたすらローカルに徹することが、グローバルに直結する。彼女の立ち位置は、そんな21世紀的なところにあるような気がするのだ。
そのうち、町営バスに乗って津別に行ってみたい。ほんとにそんな気分になる個展だった。
2010年9月1日(水)~30日(木)8:00am~8:00pm(最終日は4:00pmまで)、日曜休み
喫茶薔薇館(北見市北4東3)
・JR北見駅から600メートル、徒歩8分
・北海道北見バス 1系統小泉・三輪線「北見駅」から500メートル、徒歩7分
・北海道北見バス 6系統高栄団地線、7系統若葉線、9系統緑ヶ丘団地線「北見郵便局」から360メートル、徒歩5分
展示されているイラストは、色鉛筆や水彩で着彩された、夢あふれる風景。
左側の壁の作品は、中央にある「micro cosmos この星に生まれて」の各部分を拡大したものが、周囲に貼られている作品群という。それらは
「in the lake みずうみで」
「a planet appeared 知性の星」
「shining stars 輝く星の夜」
「a climbing mountain 虹と雲の下」
「Big onions たまねぎ畑に降る雨」
と題されている。
さらに、それらの下側に、木々120本をずらーっと並べた細長い作品が展示されており、なんだか平面インスタレーションっぽい。
ほかに、アクリル画「壁画のためのエスキース」、森林センター弁当試食会ランチョンマット用のイラストとして描いた「SUNRISE」、津別町第5次総合計画書用イラストの「キラキラノアサ」「キラキラノヨル」「キラキラノツベツ」など。

筆者は、どこかで見た名前だと思って、ケータイでググったら、じぶんのブログが出てきた(よくあることなのです)。
■札幌市立高等専門学校 卒業・修了制作展’09プレ展 (2010年2月)=画像なし
これを読んで、思った。
川瀬さん、ほんとに故郷・津別が好きなんだなあ、と。
この個展で「HEAVEN(天国)」といわれているのは、津別なのだ。
津別は、農林業を主産業とする谷あいのマチ。人口はおよそ6千人。
川瀬さんの自宅は、肉牛を飼い牧畜業を営んでいる。
その事情が、卒業制作に直接反映している。
言い切ってしまうと反感を買いそうだけど、基本的には、アートやデザインは、都市のものであった。大きな市場が存在することと、少数派であるアーティストとアーティストが出会う場であったからである。いいかえれば、地方にはアーティストどうしが会って刺戟し合う磁場に乏しい。
しかし、自作をどんどん売ったり、たくさんのお弟子さんを抱えたり-といったことを考えなくていいのなら、何も都市にアトリエをかまえる必要なんてないのである。
むしろ、ストレスが少なく、雄大な風景などの題材に富んだ地方のほうがいいこともあるだろう。
また、少ないとはいえ人が住んでいる以上、なんらかのアートやデザインがらみの仕事が無いマチはないだろう。
正直なところ川瀬さんはまだ若手であり、誰もが驚くような特色を持った絵を描いているわけではない(それを求めるのはまだムリだろう)。しかし、ここまで故郷にこだわる姿勢は貴重かもしれない。彼女の絵を見た人は
「なんだか津別って良さそうな場所だよな」
と思わずにはいられないだろうから。
どんなきれいな写真よりも、彼女の絵こそが、津別の魅力のアピール役として成り立っているわけだから。
ひたすらローカルに徹することが、グローバルに直結する。彼女の立ち位置は、そんな21世紀的なところにあるような気がするのだ。
そのうち、町営バスに乗って津別に行ってみたい。ほんとにそんな気分になる個展だった。
2010年9月1日(水)~30日(木)8:00am~8:00pm(最終日は4:00pmまで)、日曜休み
喫茶薔薇館(北見市北4東3)
・JR北見駅から600メートル、徒歩8分
・北海道北見バス 1系統小泉・三輪線「北見駅」から500メートル、徒歩7分
・北海道北見バス 6系統高栄団地線、7系統若葉線、9系統緑ヶ丘団地線「北見郵便局」から360メートル、徒歩5分