
動物を擬人化した木彫と、それを撮影した写真を、同時に会場に並べることで、実体とイメージの関係を考えさせる個展を、精力的に展開してきた札幌の山本祐歳さん。
近年は、人物(天使?)がモティーフになったり、動物が建物と一体化したり、抽象的な立体が置かれたりと、作品世界は徐々に広がりを見せているようです。
今回の個展では、中央に展開した、神殿の廃墟のような部分にしつらえられた投影機から、過去3回の発表(札幌芸術の森美術館での「札幌美術展」を含む)の写真がたくさんうつしだされており、それらを見ることができなかった筆者にとっては、大いに参考になりました。

もっとも、近年はあまり展示されていなかった、作品の写真が復活したり、前回のギャラリー犬養での個展会場で中央にすえつけられていた人物像が無かったりと、今回の個展は、昔に戻ったところもあるように思えます。
「アートスペース201は久しぶりなんで」
と山本さん。原点に返ったという側面もありそうです。

左側には、床置きが1点と、壁に数点の木彫が並んでいます。

右下は「ジャイアントパンダ」。
いずれも、足元が建築と融合しています。
雑駁とした印象で申し訳ないのですが、以前、猫のジャズマンや作家に漂っていたユーモアが薄れ、シリアスになっているように思えます。
作品は次のとおり。
ジャイアントパンダ
カラカル
リカオン
カモノハシ
ペンギン
キリン
水が流れている
bright
途上
slope

「途中で移るの、めんどくさくないですか」
と尋ねたら、前半のA室のほうが、壁が曲面になっているので良いとのこと。
がーん!
アートスペース201を初めて訪れてから17年たって気づいた!
そういえば、A室だけ、壁がカーブしている…。
というわけで、後半はちょっと違った雰囲気になりそうです。
2013年11月21日(木)~26日(火)午前11時~午後7時、
アートスペース201 A室
11月28日(木)~12月3日(火)午前11時~午後7時(最終日~午後6時)
アートスペース201 C室
(札幌市中央区南2西1 山口中央ビル6階)
□山本祐歳さんのサイト http://www10.plala.or.jp/metamor/
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【告知】山本祐歳展 青の素中へ -Metamoric Animal XVI- (2012)
※略年譜、過去の展覧会へのリンクなどは上の記事を参照してください