わたしは職業柄、日本語の表記にはうるさい。
このブログでも、自分なりのこだわりをもって漢字を使っている部分もあるが、だいたいは、勤め先の日本語表記の決まりに従って文章を書いている。
決まりは、べつに社外秘というほどのものではなく、共同通信社の「記者ハンドブック 新聞用字用語集」という本にまとめられて、一般の書店で市販されている。
だから、日常的に他人のブログやツイッターなどを読んでいて、言いたいことはいくらでもあるのだが、今回はとくに、気になって気になってしかたのないことを記す。
コンサートや美術展などのお知らせで次のような表記をときどき見かける。
5/8 (Tue) 18:00-
これを書いた人は、いったい誰に向けて、何語で書いているのだろうと、いぶかしく思う。
日本人なら日本語で書けばよい。
そのコンサートや美術展などのお知らせ自体が、要約だけでも、英語で書かれているのであれば、日時を英語で書いても、ぜんぜんかまわないだろう。
しかし、上の日時表記は「5月8日」という意味であれば、英語ではない。
英語で「5月」は、一般的には「5」ではない。
May である。
したがって、「5月8日」は
May 8
である。
もちろん、月を数字で表すこともある。
ただし、フランス語やロシア語では、月があとにくる。
だから
8 Mai
は、どうしても数字で表記したいならば
08/05
であろう。
誤解を招くだけなので、横文字で月日を表すのに、生半可に「5/8」とか「5.8」などと書かない方がいいだろう。
「5/8(火)」なら、まだ日本語であるから許せる。
だが
(Tue)
とあるから、本人は外国語を書いたつもりなんだろう。
しかし、(Tue)とあって、ただちに火曜日と諒解できない人もいるだろう。すくなくても筆者はやめてほしい。とくに、火曜と木曜はまぎわらしい。一文字でぱっとわかる漢字のほうがありがたい。
もうひとつ。
日本語で近年、24時制の表記が広まっている。
しかし、筆者は基本的にこの表記は使わない。
もともと、24時制は、軍隊や鉄道など限定された範囲でもっぱら使用されるものである。
「19時」といわれて、一瞬「あれ、何時だったっけ」と思う人は、確実に存在する。
だけど、「(午後)7時」といわれて「19時のことだったっけ、7時っていわれたってわかんねーよ」と思う人はいないだろう。
だいたい、英語使用者に「19:00」と言って通じるんだろうか。
一般的には「7pm」「7:00pm」でよいのではないだろうか。
筆者は以前サンフランシスコに行った際、さまざまなポスターや新聞、店やバス停の案内などを見たけれど、24時制表記は一度も目撃しなかった。
このあたりは、英語にくわしい人のご教示を願いたい。
最後に付け加えておく。
どうしてコンサートや美術展などのお知らせに、英語っぽい表記(あえて英語表記とはいわない)がはびこるのだろうか。
英語は国際語であるから、主催者が、日本語を解さない人にも広く来てもらいたいと、書いたのだろうか。
違うと思う。
単に、なんとなくカッコイイ感じがするから、英語っぽく書いてるだけだろう。
じゃ、なぜ英語だと、母国語よりもカッコイイ感じがするのだろう。
なぜ広東語やビルマ語やペルシャ語やベルベル語ではだめなのだろう。
これが、漠然たる欧米コンプレックスのなごりでなくて、あるいは、植民地根性でなくて、何なのだろう。
なんとなくカッコイイ感じがするからといって書いている人は、その心もちが、恥ずかしくないのだろうか。
わたしは「5/8(Tue)」という表記を、非常に恥ずかしく思う。
進駐軍に「ギブミーチョコレート」と言って菓子をねだっている子どもと何ら変わらない精神のありかたが、そこに露呈しているように見えるからだ。
わたしもしょっちゅう書き間違いはする。
しかし、母国語への誇りはもっている。
みなさんも、日本語への誇りをもってください。
このブログでも、自分なりのこだわりをもって漢字を使っている部分もあるが、だいたいは、勤め先の日本語表記の決まりに従って文章を書いている。
決まりは、べつに社外秘というほどのものではなく、共同通信社の「記者ハンドブック 新聞用字用語集」という本にまとめられて、一般の書店で市販されている。
だから、日常的に他人のブログやツイッターなどを読んでいて、言いたいことはいくらでもあるのだが、今回はとくに、気になって気になってしかたのないことを記す。
コンサートや美術展などのお知らせで次のような表記をときどき見かける。
5/8 (Tue) 18:00-
これを書いた人は、いったい誰に向けて、何語で書いているのだろうと、いぶかしく思う。
日本人なら日本語で書けばよい。
そのコンサートや美術展などのお知らせ自体が、要約だけでも、英語で書かれているのであれば、日時を英語で書いても、ぜんぜんかまわないだろう。
しかし、上の日時表記は「5月8日」という意味であれば、英語ではない。
英語で「5月」は、一般的には「5」ではない。
May である。
したがって、「5月8日」は
May 8
である。
もちろん、月を数字で表すこともある。
ただし、フランス語やロシア語では、月があとにくる。
だから
8 Mai
は、どうしても数字で表記したいならば
08/05
であろう。
誤解を招くだけなので、横文字で月日を表すのに、生半可に「5/8」とか「5.8」などと書かない方がいいだろう。
「5/8(火)」なら、まだ日本語であるから許せる。
だが
(Tue)
とあるから、本人は外国語を書いたつもりなんだろう。
しかし、(Tue)とあって、ただちに火曜日と諒解できない人もいるだろう。すくなくても筆者はやめてほしい。とくに、火曜と木曜はまぎわらしい。一文字でぱっとわかる漢字のほうがありがたい。
もうひとつ。
日本語で近年、24時制の表記が広まっている。
しかし、筆者は基本的にこの表記は使わない。
もともと、24時制は、軍隊や鉄道など限定された範囲でもっぱら使用されるものである。
「19時」といわれて、一瞬「あれ、何時だったっけ」と思う人は、確実に存在する。
だけど、「(午後)7時」といわれて「19時のことだったっけ、7時っていわれたってわかんねーよ」と思う人はいないだろう。
だいたい、英語使用者に「19:00」と言って通じるんだろうか。
一般的には「7pm」「7:00pm」でよいのではないだろうか。
筆者は以前サンフランシスコに行った際、さまざまなポスターや新聞、店やバス停の案内などを見たけれど、24時制表記は一度も目撃しなかった。
このあたりは、英語にくわしい人のご教示を願いたい。
最後に付け加えておく。
どうしてコンサートや美術展などのお知らせに、英語っぽい表記(あえて英語表記とはいわない)がはびこるのだろうか。
英語は国際語であるから、主催者が、日本語を解さない人にも広く来てもらいたいと、書いたのだろうか。
違うと思う。
単に、なんとなくカッコイイ感じがするから、英語っぽく書いてるだけだろう。
じゃ、なぜ英語だと、母国語よりもカッコイイ感じがするのだろう。
なぜ広東語やビルマ語やペルシャ語やベルベル語ではだめなのだろう。
これが、漠然たる欧米コンプレックスのなごりでなくて、あるいは、植民地根性でなくて、何なのだろう。
なんとなくカッコイイ感じがするからといって書いている人は、その心もちが、恥ずかしくないのだろうか。
わたしは「5/8(Tue)」という表記を、非常に恥ずかしく思う。
進駐軍に「ギブミーチョコレート」と言って菓子をねだっている子どもと何ら変わらない精神のありかたが、そこに露呈しているように見えるからだ。
わたしもしょっちゅう書き間違いはする。
しかし、母国語への誇りはもっている。
みなさんも、日本語への誇りをもってください。